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★ダンジョン122

 足を進めて部屋のアイテム回収も終わったので軽く見まわすと通路は二本。


「二択だね。せーのでどっちにするか決めない?」

「構いませんよ」


 正面と左に一本ずつ通路が見えている状態でどっちにするか。

 なんとなくで正面は嫌な気配を感じるので自分が選ぶのは左の方。


「「せーの」」


 いつもの癖で選びながら肩を見ますが人形じゃないのでそこに居る訳も無く。

 ふわりと浮いて選んだのは自分と一緒の左の通路。


「意見が一致したね」

「ですね」


 選んだ通路を進むと新しい部屋なのですが階段は見つからず。

 代わりにアイテムが落ちていたのでそれを拾います。


「紫のビンかぁ」

「嬉しいと素直に喜べないですか?」

「まぁねぇ」


 それでも使い道は無いとは思えないのでサイドポケットに仕舞います。


「通路一本しかないですね」

「今度こそ行き止まりだとこまるよねぇ」


 話をしながら通路に向かうと通路の先からこちらを見つけたみたいでやる気満々のレッドラットが駆けてきます。


「っと、お客さんのお出ましだ」


 すぐに腰から刀を抜いて構えます。

 レッドラットも駆けてこちらに向かって来ながら前歯を赤くしていきます。

 レッドラットがひと鳴きすると尻尾を器用に壁に叩きつけながら変則的な加速でジグザグと一気に寄ってきます。

 ただ動きは直線的なのである程度しっかりと目で追えているのでそこまで怖い事も無く。

 次の加速でこちらの足元を狙っているのが見え見えなので逆にそこへカウンターを仕掛ける様に刀の先を下に向けてしっかりと動きを目で追っていると尻尾を叩きつけてこちらの予想通りに足元へ前歯を赤くしたまま噛みつこうとしてきます。


「その動きだと思っていた」


 前に出ている左足をスッと引くとレッドラットの噛みつきは不発に。

 そしてがら空きになった胴体は真横にある状態。

 下げていた刀をそのまま振り上げれば、レッドラットは一刀両断。

 煙になって魔石を落とします。


「狭い通路の中でしたが、余裕でしたね?」

「何度も見ているし、動きもかなり予想出てきていたからね」

「それと、やっぱりその刀思っていた以上に良さそうですね?」

「まあ、鈍器と刃物ぐらいに違いはあるからこの位は範囲内だと思うよ」


 喋りながらも魔石を回収。リュックにそのまま魔石を入れて、一応もう一度周りに敵が居ない事を確認してから刀を元に戻します。


「さて、この道はあっていたのかどうなのか……だね」

「ですね」


 通路を抜けた先はかなり広い部屋。

 突き当りになっているのかが広すぎて分かりにくいので困るところですが、部屋の中にはレッドバットが一匹とレッドスライムが一匹。


「とりあえず倒して安全優先で」

「その方がいいでしょうね」


 こちらにすぐに気が付いたのはレッドバット。

 気がついたと同時に動き始めて今にも火弾をこちらに吹き付けようとしている状態なので刀を抜きながら避けやすくなるように動きます。

 案の定火弾を撃って来たので広い部屋の中。さっきの通路と違って横に避けられるのでしっかりとそれを避けながら抜いた刀を前にこちらも駆けて一気に距離を詰めます。

 近距離になったのを察してレッドバットは自前の牙でこちらを噛みつこうとしてきますが、動きはこっちの方が先手。

 持っている刀を振りぬくとそのまま真っ二つに。


「レッドスライムも気が付いていますね」

「だよね」


 部屋は広さのわりに罠が少ないのでありがたいのですが多分後ろ向きのレッドスライムがいきなり足元に魔法陣を展開。

 何が起こるのか分からずにその光景にちょっとだけ目を奪われます。


「きますっ」


 精霊の声と同時にレッドスライムから放たれたのは火の玉。

 火の玉はさっきのバットが撃って来る火弾とは違いかなりの大きさで見るからに熱そう。

 速さも若干ですが火弾よりは遅いので避けられる気がするのですが、


「すぐにスライムを倒して下さい!」


 急かす様に精霊が言うので横に避けながら頭で想像するのは水の槍。

 避けながらなのでかなり距離は近くなっているのでこの距離であればと想像するのはスライムの足元からの槍。


「ウォーターランス!」


 水の槍が地面からスライムを串刺しに。

 しっかりと刺さって少しだけぴくぴくとしていたのですが、そのまま煙になって魔石を落とします。

 一安心と思った瞬間、


「雅っ!避けてっ!!」


 切羽詰まった様な精霊の声にビクッと体が反応して手を地面についていたのでそのままゴロンと前転を。

 すると自分がいた位置を火の玉が通り過ぎてそのまま地面に火の玉が落ちて少しの間だけ燃えていると次第にその火が落ち着いていきます。


「え、今のなに?」

「レッドスライムの魔法ですよ」

「あ、やっぱり魔法だったんだアレ」

「です。そして魔法は死んでもすぐに消えるわけではないので厄介なのです」

「あー、だから魔法を撃たれる前にって事?」

「そうですよ。魔法を撃つ素振りをしていたのですぐに倒すと思っていたらいきなりそれをじーっと見始めて何事かとこっちは思った位ですからね」

「あー、ほら魔法をモンスターが使うのは狐以外じゃ初めてじゃない?」

「魔法らしい魔法だとそうかもですね」


 そういう事があるのであれば先に言って欲しかったと言いたい所でもありますが、それでも見たい欲望が勝っていた可能性が低くないので、今回ばかりは仕方がないという事で。


「これでとりあえず敵は倒せましたね」

「かな」


 モンスターもいないのでゆっくりできると思い、軽く部屋を見回すとそこには階段とアイテム。


「突き当りで正解だったのかな?」

「みたいですね」


 魔石を二つ回収して、落ちていたアイテムは腕輪だったのでそれも一緒に回収して階段を降ります。


「休憩しよう」

「是非是非」


 すっと温度が変わったので魔法を一度切ったのでしょう。


「魔力は大丈夫?」

「全然問題ないですよ。その分水分補給やご飯を補給させてもらえれば」

「はいはい。とりあえず水分補給しよう」


 水筒を開けて水分補給。

 精霊の魔法のおかげかそこまで体に疲れは感じる事も無く。そしてリュックも同じぐらいの温度なので多分持って来たものも大丈夫な予感。

 次の階の事を聞きたいのでしっかり休憩を続けます。






今回も読んでいただきありがとうございます

目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです

誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません

改めてありがとうございます

毎日投稿頑張ります


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