赤飯
久しぶりのゆっくりとした休日。
昨日は二度寝をしてしまいましたが、今日はそんな事も無く。
さっぱりと起きられたのでいい感じの起床です。
「さてと、今日はどうするかな」
いつも通りの朝ごはんを食べながらゆっくりとした朝のひと時を過ごします。
精霊も起きてこないので一人ゆっくりとした朝の時間。
食後のコーヒーを飲みながらぼけーっとしているのですが、春と夏の間ぐらいのぽかぽか陽気。
寝起きで顔も洗って目もパッチリと覚めているのに眠気を誘ってきます。
少しだけうとうととしているところで聞こえてくるのは父親の声と母親の声。
いつもの様に仲良くお昼の話をしているので多分今日のお昼は麺類。それも父親が優勢のようなので袋麺タイプのアレンジかな?
そんな事を思っていると知り合いがどんどんと集まって結構な人の量に。
どうするのかと思っていると焦りながら電話を片手にいつもの所へ電話を掛けて『お店に行くぞ』と何人かに車を出す様に指示を父親が出しています。
それを遠目でボヤーっと見ている状態なのですが、ぼーっとしていると場面が一気に変わって、お店の中。
両親にマスター、そして知り合いが楽しそうに食事をしていて何とも懐かしい気分。
何を作っているのかと視線を厨房の方に向けると、そこには精霊やいつもの精霊付きのお客さん達までいて作っているというよりは食べ始めている感じ。
気が付けばみんなでマスターの料理を美味しそうに食べているのがとても楽しそう。
そこで皆が食べているのはお祝いというかパーティーの様な料理たち。
どれもこれも自分もマスターから習った料理があって、自分も手を伸ばそうとするのですが、ふっと料理が消えて手には空っぽのお皿が。
「あれ?」
取る動作を何度しても取れないのでムムムっとなるのですが、あちこちの料理を食べている精霊が両手のお皿にこれでもかという量の料理を乗せて寄ってきます。
「今日のお昼はなんですか?」
「え!?」
そんな量の料理を食べていて何を言っているのと思って、目を見張るようにガバッと起きると、そこは厨房で冷めたコーヒーが横にあって、今日もどうやらうたた寝をしていたみたいです。
「ちょっと寝ていたみたいだね」
「ですね。やっぱり結構疲れています?」
「どうだろう?なんとも懐かしいというか幸せな夢を今さっきは見ていた気がするけどね」
「幸せな夢という事は、お肉たっぷりですか?」
「幸せ=(イコール)お肉ってなんだろう?普通の夢だよ」
ちょっとした哲学を感じるような精霊の発言にはビックリですが、おかげでしっかりと目が覚めます。
「今日も魔法の練習ですか?」
「かなぁ」
「ではその前にお昼を作りましょうね?」
「朝は自分で食べてくれた感じ?」
「ですです」
「じゃあ何か作るか」
「ええ」
という事で休日なのにいつも通りのような感じ。
とはいえ時間はいつもよりも遅いみたいで、三十分以上寝ていた模様。
「今日、なにつくろう」
どうしても見ていた夢に引っ張られる感じで、色々と浮かぶ料理はパーティー料理。
それをそのままお昼に転用とイケればいいのですがどうしてもボリュームは足りなく感じます。
「んー」
何かいい方法が無いかなと悩んでいると、
「気分の話ですけど、出来れば今日はがっつりとご飯!って気分です」
気を利かせて精霊が自分の今食べたい物を言ってくれます。
ご飯ね。ご飯。パーティーでご飯だと何だろう?
パーティー料理でご飯だと取り分けやすいようなちらし寿司とかあー、自分で白いご飯に好きな量を掛けられるカレーとかも悪くなさそう。
どれもこれも悪くなさそうですがピタッと決まった感じがありません。
少しだけ考えるために目を閉じてみると、また寝てしまいそうな眠気を一瞬感じてすぐに目を開けたのですが、そこでいい感じにひらめきます。
「おっ、決まった感じですか?」
「うん。父さんが好きだったアレを作ることにするよ」
「分かりませんけど、お手伝いは必要です?」
「あー、別に大丈夫かな」
作るものが決まったので材料の確認。
使うのはもち米と小豆。小豆は色々と種類があって、皮が少し厚いささげが使いやすいです。もち米はそんなに食べないから用意が無い事が多いので、もしそうであればいつも食べているご飯で問題なし。
ご飯を炊く要領でお米やもち米を洗って水気を切っておきます。
小豆を煮るのですが、最初は小豆に対して六倍ぐらいの水分量で火にかけて一度沸騰し一煮立ちしたらその水は捨てます。次にさっきの倍の水分量でもう一度煮るのですが、二回目は沸騰したら弱火にしてじっくりと。この時に灰汁がでたら掬ってあげましょう。
小豆が指で潰れるぐらいの柔らかさまで煮たら、煮汁と小豆を分けて煮汁ともち米を炊飯器へ。
もち米ではなく普通の白米でやる場合はもち米と一緒の要領で炊いても構いませんが、もちっとした食感が欲しい場合はここに少量餅を切ったものを入れるとご飯がモチモチするのでもち米で炊いたような感じになります。
ご飯が炊けたら、後は小豆を戻して全体をさっくりと混ぜたらお赤飯の出来上がり。
「これは、炊き込みご飯とは違いますね?」
「赤飯って言って、お祝いの時に食べるご飯かな」
「お祝いのご飯ですか」
「そそ。まあこのままだと精霊はあまり好きじゃないかもしれないけど、残っても色々と美味しく食べられるからとりあえずできたてを食べようか」
ご飯をよそって、一緒に用意するのはゴマ塩。
ゴマ塩なしだとほんのりとした甘さの薄味の赤飯で、ゴマ塩をかけると食べやすいいつもの味と言う感じ。
「悪くないですけど、それほど好きと言う味ではないですが……」
「だよねぇ。でも、父さんが何かあるとお赤飯がいいって、すっごく好きでね」
「ほほー?これは思い出の味ですか?」
「思い出の味と言うよりは父さんがいつも美味しそうに食べていた記憶の方かな?」
「でも嫌いじゃないんですね?」
「母さんがしてくれるアレンジの味が好きだったからね」
「いつものアレンジですね?」
「いつものかは分からないけど、勿体ないけど少しアレンジもしてみて食べようか」
「ワクワクです」
出来立ての赤飯を適当に楽しみながら、最初からアレンジ目当て。
やり方は簡単でフライパンにバターを敷いてそこに赤飯を置いてフライ返しなどでギュッと潰してペラペラにしながら焼くだけ。
片面がカリッと焼き色が付いたらひっくり返して反対側も焼き色を付ければ出来上がり。
「おぉぉお、バターのいい香りですね」
「このお菓子みたいな感じが凄く良くてね」
「私も、こっちの方が、いくらでも、食べられそうです」
出来たばかりのバター焼きを凄い勢いで食べている精霊。
「因みにもう一つバターじゃなくてごま油で焼いてちょこんと醤油を垂らすのもいいんだけど?」
「是非、それもお願いします」
汁ものなしで赤飯だけというお昼にはなったのですが、中々いい感じで。
少し今日は家族を思い出すお昼となりました。
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