味噌バターちゃんこ→ピリ辛ラー油味→シメ麺
真似をするだけだったので思っていた以上に簡単に。
ちょっとだけ思い付いたことはあったのですが、雨も少し強くなってきたので戻る事にしましょうか。
「出来たし、帰ろうか?」
「そうですね。あ、その前に試してもらいたい事が一つあるのですが」
精霊が聞いてきます。
「混ぜるな危険を混ぜてみてもらえませんか?」
それは中々に怖い事。
でも言ってくるという事はそこまで危険も無い、のかな?
「大丈夫なの?」
「何が起こるかわからないので、それを知りたいだけです」
子供が気になってしまったことを催促する感じ。
まぁ、気にならないとは言えないので想像をすることに。
まずは目を閉じて、混ぜる事を考えるだけなので器は一つ。
丸い玉を想像して、そこへ入れるのは火と水。
困ったのはなんと呼称すればいいのかが分からない事。
そのまま、火と水の玉?想像しきったそれはちょっと思っていた通りの物ですが、それがこんな形で出来ちゃっていいの?そういう気持ちもあります。
「火と水の玉」
目を開いて、目の前に出来たのはやっぱり思った通りの物。
そこには水の玉がふわりと一つ浮いています。
「思っていたのと違う反応ですね?」
「いや、火と水を足したら出来るのはお湯でしょ?」
そう、できたのはお湯の玉。なぜわかるかって、見てわかる程度に少し湯気が出ていて触れば温くちょうどいい温度。
「ちょっとできるかもしれないから作り直していい?」
返事を聞かずに、魔力を切ってぱしゃんと玉を落としてすぐに想像をもう一度。
さっきよりも想像は簡単。自分の思い通りの温度はちょっと熱めの42度。それが僕の好きなお風呂の温度。
「お湯!」
火も水も必要だけど、想像していたのはお湯。目を閉じる必要もありません。
出来上がったのはさっきよりも一回り大きなお湯の玉。
「出来ましたね?」
「うん。これはすっごく助かる。あ、でも逆に他に練習しないと消費魔力増えないかもしれないや」
魔力消費の練習をするためにここに来たのに、効率を一つ手に入れてしまったので、これでは本末転倒な感じもありますが、やっぱりうれしいものは嬉しいので喜びが勝ちます。
「どうする?もう少し混ぜる?結構雨強くなってきたけど」
「……この天気なので、今日はもういいんじゃないですかね。お夕飯も気になりますし」
精霊もそう言うので今日の魔法の練習はここまでで。
少しだけ不思議な動きをした後、精霊が聞いてきます。
「お夕飯はどうするつもりでしょう?」
「えー、普通にお昼の残りだよ?」
「という事はアレンジを?」
残り物と言っているのに、なぜアレンジと?確かに一緒に食べたお昼を少しアレンジしていますが、アレ?思い出すといつもやっている?
「いや、残りは残りでしょ?」
「……アレンジをお願いしたいです」
精霊も食い意地が張ってきた感じがしますが、ちゃんこ鍋をアレンジだとどうすればいいのかを少し考えてみることに。
雨脚が少し強いのと周りに人がいないので、いつもは話しながら歩くことは出来ませんが、今日は大丈夫そう。
「普通に考えれば、塩味だから大胆に味を変えて味噌にしてみるとか?」
「なるほど。それは美味しそうですね?」
「後は、塩と合わせる定番だとバターを入れてこってりさせてみるのもいいかな?」
「お昼のアッサリが夜にはこってりと。それもいいですね!」
「食欲が減っていたら、ラー油を入れてピリ辛もいいかもしれないかな?」
「ピリッと来るのは良さそうですね!」
精霊の返事は何を言っても食べてみたいという期待を含んでいます。
「とりあえず今あげた三つの内の一つね。家に帰るまでに考えておいて」
「決めていいのですか?」
「うん。あと折角だから歩きながらさっきの魔法を練習して魔力消費してみようかなって。まだ話しながらは難しそうだからね」
そう言って、六属性の玉を作って浮かせてみます。
さっきは維持を考えずに作るだけだったので簡単にできた印象でしたが、維持をしながら歩くのは思っていたよりもかなり難しいのです。
頭で想像していた玉は自分の周りを回る衛星の動き。ですが、自分が一歩動いても同じように玉が動きません。当たりそうになって慌てて一歩下がると今度は後ろの玉に当たりそうに。自分で作っているので誰にも文句も言えず、上手いことできません。
「コレ、本当に難しいな……」
ポツリポツリと人も見えてきたので、練習は切り上げることに。
そのまま歩いて南の扉へ。
「今日は早いね。この雨じゃ仕方ないか?」
「ですね。いつもご苦労様です」
心配をしてくれている人を無下にすることも無いので軽い挨拶をして、家に。
「決めました、まずは味噌でバターを足して、ピリ辛を後から足せばすべてできます」
流石にその答えは予想外だったので少しだけあきれてしまいましたが、決定権を渡したのは自分。
「分かったよ。ただそれだとおじやというよりは麺になるからね?」
「ええ。お願いします」
今夜はお昼の残りのアレンジ。あれこれ足して楽しむことに。
まぁ、お湯が出せるようになったのでお風呂の準備や水浴びが楽になったので嬉しさの御裾分けとしては十分でしょう。
「いやぁ、参ったな」
一人呟いたのは知り合いやがーさんと呼ばれている人物。
「混ぜちゃいけないって教えているのに、全くあの子は」
ちょっとした椅子に座っている状態でテレビのワイプのような小さな画面がいきなり赤枠になったので焦って画面を大きくすると、私の作った精霊がぶっ飛んだ事を言い出しました。
火と水、風と土、光と闇。
対の属性はしっかりと混ぜてはいけない危ないと教えたのですが、どうなるかをしっかりと教えていなかったせいで実験をするという暴挙に出るとは思っても居ませんでした。
「まぁ、結果はアレだったからよかったけど……」
混ぜ方にも色々とあって、想像力を弱く働かせてくれていたのが幸いしました。
例えば水を水蒸気と想像して、火をそのまま火とすれば大爆発を起こしていた可能性も勿論あります。
「危なかった。流石にこれはいけないな……」
すぐに精霊に連絡をして叱ったのですが、反応は薄い感じ。
「あんなに食いしん坊なのはなんでだ?」
今も家でちゃんこ鍋を味噌味にしてコレから野菜がたっぷりと放り込まれる所。
今日のお昼もかなり美味しかったので、アレの味噌味はやっぱりおいしそう。
サプライズで出て行くのもありかもしれない。いや、アリだろう。寧ろその横のバターが入る前に私も一口、いや二口は食べたい。
「ちゃんと叱らないといけないし。うん、行くしかないな」
美味しい夕飯が食べられそうです。
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