中華風牛丼
席に案内をしておしぼりとお水を用意していつもであれば精霊に任せる所なのですが、まだ精霊はゆっくり餃子を堪能中。
仕方ないと麺を茹でるためのお湯にもう一度火をかけてお客さんにお水とおしぼりを出します。
「餃子が後でいいでしょうか?」
確認を取ると頷きが返ってきます。
すぐに厨房に戻ったらスープを温めて、麺を茹でていきます。
先につけ麺を全員に行き渡らせたら次は餃子。
つけ麺を作っている最中に精霊も食べ終っていた気がするのですが、今日はどうやらあまり動きたくない様子。
無理をさせるつもりも無いので自分で提供を行うのですが、やはり一人で全てをやろうとすると思っているよりも時間がかかります。
「そろそろ手伝います」
つけ麺の提供が終って餃子を焼き始める頃に精霊も食べ終わった様で手伝ってくれるというのでお願いをする事に。
「お願いね」
焼くことに集中できるようになったので少しだけペースを上げて順番に餃子を焼いていきます。
一回で焼ける量は四人前なので二回に分けて焼いたらとりあえず今日のお昼の作業は一段落。
「お客さんに出すときに今日の餃子は漬けなくてもイケるって説明もお願いね」
「了解です」
それでも酢醤油などをすこし付けたくなる事も考えられるので小皿は一応用意して出すことに。
お昼はこんな感じで終わって、いつもの様に皆さん満足気な顔をしているのでお見送りとなるのですが、今日は聞きたい事が。
お店から皆さんが出て行く途中で後ろからがーさんに声を掛けて昨日の事の相談を。
「ダンジョンの四十階を越えてちょっと困ったことがありまして」
現状がこんな感じで魔法をどうにかしないと精霊が使えないという話になり、その辺りまで説明をすると、
「自分の状態がどういう事になっているのかを考えて、どういう原理で今の事が起こっているのかを理解すればすぐに解決するハズだよ」
こんなアドバイスを返されましたが、いまいちよく分かっていない状態に。
「んー、あとは何度も使っていけば洗練されるかもかなぁ。どういう風に魔法を作っているのか僕は知らないから僕から言えるのはそのぐらいかな」
更にアドバイスを貰えたのですがやはりあまりピンと来る事は無く。
どうしようかとさらに悩みそうになっていたのですが、
「ダンジョンはそうやって色々と悩みながら楽しんでもらえればいいからね。色々と試してみてよ」
「無理しない程度に頑張りますね」
「そそ。そんな感じで肩の力を抜いてやってね」
こんな会話があって、がーさんも帰ってしまいます。
「どうでした?」
「んー、自分の状態を理解して、色々試行錯誤してみれば?って言われた感じかなぁ」
「がーさんも丸投げと言う感じですね?」
「だから今日も少し練習といつも通りの木刀作りかなぁ」
「一緒に片付けを手伝うのでサクサク行きましょう。その前に私達のお昼ですね」
「……あー、そう言えば食べてなかったね」
「ささ、早く」
背中を押されながら厨房に戻って精霊と自分の分の麺を茹でて食事を済ませて、そこからは一気に。
洗い物と片付けを勢いそのままに済ませます。
食後で少し動きづらいとならない様に食べる量も自分は減らしたので動きづらいという事も無く。
「さ、行こうか」
「ええ、コレだけ早いタイミングでいければお夕飯を考える時間もあるので今夜も期待できますね」
「さっきから急かせて来ていた理由ってソレ?」
「勿論ですとも。ダンジョン肉もありますし、色々と楽しみなんですよ?」
「とりあえず魔法の練習から最初にやるし、今日は順番で言うと磨きだから手伝ってもらうからあまり個人練習は精霊も出来ないと思うけど?」
「ソレはソレ、コレはコレです」
肩を押されるような形で押されながらも家を出ていくと精霊は肩に乗って上機嫌に歌を歌っているほど。
苦笑いをしながらも南の扉を抜けていつもの場所へ。
今日は知っている門番でしたが忙しそうだったので会釈だけだったのもあって時間はかからずに到着。
「どいう感じで改良をするのです?」
「とりあえず自分で魔法がどうなっているのか理解する為にも一度お願いしていい?」
「分かりました。クーラー」
言われるままに精霊が頷いて魔法を僕にかけてくれると少しだけ自分の周りの温度が下がるのが分かります。
その状態で他のモノを触っても冷たくなる事は無く。
あくまで自分の周りの空気が冷えているのが分かります。
「んー、分かるようなわからない様な?」
「なにかわかったのです?」
「なにも分かっていないって事が分かったかな?」
「……分かっていないっていう事ですね?」
「だねぇ」
その言葉と同時に自分に掛かっていた魔法が解けます。
「じゃあ、後は自由時間で?」
「え?やすり作ってもらってこっちは身体強化で木刀磨かないの?」
「えー。じゃあ一本分だけで」
「ん」
少しだけ精霊に手伝ってもらって木刀を完成させると精霊はいつもの様に自分の魔法を練習しに奥へ。
一人になって木刀を自分で作ったやすりで磨くとやっぱり集中するわけで。
今日は三本持って来たのですが、二本目が終って三本目をどうしようか考えているうちに結構いい時間に。
「戻りましたー」
「はいはい。おかえり」
「お夕飯は決まりましたか?」
「あー」
「……考えなかったのですね?」
「だね」
「帰り道でお願いします」
「はいはい」
背中を押されながらも荷物を片付けたら家に向かって歩きながら夕飯を考えるのですが、具材の一つは牛肉。どうしても浮かぶのは牛丼のような形のモノばかり。
「ご飯と合わせるのでもいい?」
「ご飯と一緒、いいですね」
だったらすぐに出来そうなものも。
使う材料は牛丼と一緒。牛肉、タマネギでいいので他は無し。
少しだけ油を敷いたフライパンにタマネギは適当にスライスして投入。
牛肉を入れてお酒、醤油、オイスターソースで味を整えるのですが、お酒は臭み飛ばしで醤油とオイスターソースは同量でちょっと味が薄く感じるぐらいの味付けに。
牛肉に火が入ったら出来上がりなのですが、最後に黒コショウをたっぷりとかけて黒コショウのピリッとした味で食べるような形。
「いい夕飯浮かんだかも。ご飯を炊くの待てる?」
「あまり待てそうにないですね」
「じゃあ、冷凍のご飯でもいい?」
「全然かまいません」
「じゃあ、家に着いたらすぐに作ろうか」
「手伝う事は?」
「ご飯のチンぐらいかな?」
「出来ることはしますので言ってくださいね」
今日の夕飯、後は適当に味噌汁でも作れば十分かな?
魔法の改良はサクサクとは行きませんねぇ。
今回も読んでいただきありがとうございます
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改めてありがとうございます
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