雑炊
ストックがあるとはいえ、まず一ヵ月続けられました。
いつも読んでいただきありがとうございます。
読者の皆様のおかげです
中華麺は茹でたら一度水でシメておきます。こうすれば少し伸びにくくなります。
うどんも同じで茹でたら水でシメるのですが、それでも鍋に入れれば柔らかくなるのは仕方がない事。
精霊はもうすぐ麺は食べ終りそうですが、雑炊は多分僕が作らないといけない感じ。
「少しだけ、雑炊は後になっても大丈夫?」
一応聞いてみると、
「食休みが欲しかったところなのでそうしてください」
考えてみれば一人で鍋をしっかり食べて、おかわりもして麺も食べて。結構な量を食べたのもあって、お腹も一杯なのも頷けます。
「わかった」
返事をしたら、少しの間お客さんに集中できます。
麺類は茹で終って水でシメたので、すぐに持っていける状態。
あとはご飯、卵、小口切りの万能ねぎの準備ですが、一度戻ってきて出来る余裕はありそうなので、一度先に麺を持っていくことに。
「お待たせしてすみません」
うどんを先に二人にだして、中華麺は後から二回に分けて。
「麺類は全て茹でてきているので、中に入れて温かくなったら食べられます」
食べ方の説明をして、雑炊の準備に厨房に戻ります。
ご飯は一膳分のご飯をお椀に、ネギを小口切りにして準備をしたら、最後に卵。卵は割ってカラザ等は取っておきます。
五人分を作ってそのまま持っていくと、皆さん麺を美味しそうに啜っています。
「凄く美味しいよ」
そう言ってくれるのは知り合い。その言葉に頷く皆さんも美味しそうな顔をしてくれているので口には合ったようです。
「卵だけ貰えるかい?」
うどんを食べている一人が言います。
「分かりました」
すぐに返事をして一応二つ準備をして戻って来ると、
「あ、私もいいの?」
念のために用意しましたがこれも正解だったようです。
少しだけ火を強めて、卵を割ってそのままお玉に乗せて少し待機。一分もすれば白身が固くなってきて、形がこれ以上は崩れなくなった時点で火を少し弱くして、お玉をずらします。
「あとはお好みで。今すぐに取り出せば中はほぼ生、もう少しすると半熟、黄身もしっかりと火を通したければそのままでもう一分少々ですね」
うどんの二人分の卵が終ると、中華麺の何人かは殆ど麺を食べ終わっている状態。
「順番に作りますね」
「お願いします」
そんな中一人、手を上げて聞いてくる人が。
「あの、自分で作ってもいいですか?」
「構いませんよ」
僕としては一人分の作業が減るだけなのでありがたい事です。
「ただ、やったことが無いので見せてもらってからでいいですか?」
「どうぞ。じっくりという程上手い作業でもないと思いますが、分からなければ聞いてください」
麺を食べ終えた人の所へ行って、まずは鍋の中を出来るだけスープのみの状態へ
ご飯を入れて火を強めて、スープをご飯に吸わせるようにします。この時にスープの量は丁度いいより少しだけ多い程度。簡単にお玉などで掬えるのでは量が多いので減らしましょう。逆に少なければ水かお湯を足して浸る程度の水分量に。
ご飯にスープを吸わせたら、卵を溶いて菜箸を伝わせながら細く長い卵を回しかけます。
卵をかけ終ったら、蓋をして一分。火を消してもう一分。
これでふわっとした卵の雑炊の完成です。
お好みでねぎを散らして、食べてもらえば完成です。
味を少し変える時はちょっとだけ醤油をたらしてみたり、ポン酢を垂らすのもかなりいい感じ。
「こんな感じです」
作り方を見せると、皆さんじっくり見ていたようで、口を半開きに小さく頷くばかり。
「じゃあ、順番に作っていきますね」
残りの三人分を作って、これでお客さんは一段落。
厨房に戻ると、精霊が聞いてきます。
「私の分はもう少し後で大丈夫です。あちら側は終りましたか?」
「うん。無事ね」
「少し調べてみたのですが、ご飯を洗う場合があるというのを見かけましたが、今日は洗わなくてよかったのですか?」
精霊は精霊で料理に興味を持ってきているのか、なかなか面白い事を聞いてきました。
「うん。今日は洗わない方がいいかなって」
「それは何故?」
「ご飯を洗うのはね、ぬめりを取るからなんだ。だから、洗うとさらっとした雑炊になるわけで。でも、今日は一人鍋だし中華麺も食べているからご飯を洗って出にくいぬめりももうある程度あるから、逆にぬめりを取らずにぬめりを出すことによって鍋の一体感を味わう方向にしたわけ」
まぁ、洗う手間をただ省いたといういい方も出来ないわけではないのですが、個人的には今日はこっちの理由が大きめ。
「料理って、奥が深いですね」
「本当にね」
そんな会話をして、さらに少し時間が経つとお客さんも皆さん食べ終わった様子。
「もう、お腹いっぱい」
一人鍋で自分の好きなように食べることが出来て、シメも二種類やお腹に溜まるもの。おかわりもしているので皆さん大満足の様子。
「お口に合ったようですね?」
「うん。大満足だよ」
顔には出たかどうかわかりませんが、内心は良かったという気持ちです。
「そう言えば、かなり魔法も頑張っているようだけど調子はどう?」
お腹をさすりながら聞いてきたのは知り合い。
「かなり楽しんでいますよ?週末に素振り用の木刀をつくって、早速今日役に立ったりしました。それと本当に魔法って色々出来て楽しい限りです」
「それは良かった。ただ、最近少し魔力が余ってきているようだね?」
少しだけ目の色が変わったように見えましたが気のせいでしょうか?確かにあまりそうになる事は増えている気もします。
「教わった通りに使い切る様にはしているんですけどね。思っていたよりも成長がいいのかもしれないですかね?」
ちょっと笑いながら言ってみます。
「かなりいい成長をしているようだよ?魔力があまりそうだったら、んーアレがイイかな?ちょっとアレやってみてくれる?」
知り合いが視線を向けるのはいつも無言で頷く人。今日も視線に対して頷くだけです。
そう言えば喋っているのは殆ど見たことはない気がしますが、視線を向けると突然泥団子が。
「こんな感じでね、魔法を自分の意のままに動かして、さらに別の事をするのは出来るかい?」
玉はどんどんスピードを上げて、グルグルと足元を一定のスピードで回っています。それは気がつけば上に下に。最初は足元だけだったのが、顔の高さまで上がって、下がって。
凄いコントロールをしながらも、本人はお腹が一杯なのかお腹をさすっているだけ。
「まあ、すぐにこれが出来るとはならないだろうけど、この後の片付けとかでもやってみると思っていたよりも消費は増えるだろうから。ソレでトントンになるんじゃないかな?」
頭で想像して、まだ魔法は言葉を発しないと出ないので目を開けながら、
「土の玉」
小さな礫がパラパラと集まって、石の大きさに。
土のボールが出来ますが、その速度はお世辞にも早いとは言えない速度。
ただ、しっかりと体の周りをクルクルと回ってはいます。
「聞いたかもしれないけど、操作も魔力を使うからね。並列思考はあって困らないと思うから。いつも美味しいご飯の御礼だよ」
知り合いが言います。
その言葉に皆さんも頷きます。
「そろそろ中の精霊がお腹を空かせる頃だろう?今日はこの辺りでお暇させてもらうよ」
「ご馳走様でした」
言うだけ言って、知り合いが動き出すとそれに周りの人達もついて行くように移動していくので、急いでお見送り。
「ありがとうございました」
頭を下げて厨房に戻ると、
「そろそろ私のおじやをお願いします。サラサラがいいので、ご飯は洗ってください」
全くぶれない精霊がご飯の催促。
「はいはい」
お昼がやっと終わったかと思ったのですが、そうでもなかったようです。
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