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★ダンジョン112

「狐?」

「ええ、狐です」

「……それって、強いの?」

「ええ、多分かなり強いと思います」


 狐で強いと言われてもいまいちピンときません。


「一応倒せるんだよね?」

「勿論です。ですがかなり厳しい戦いになるとは思います」

「まじかー」


 食事をしながらも話を進めると結構厳しい感じがヒシヒシと伝わってきます。


「まあ悩んでいても始まらないし、進もうか」

「ですです。一応応援は出来ますからね」

「応援?」

「ええ、私の応援じゃ不満ですか?」

「不満は無いけど、なんか不思議な感じ?」


 最後に水分補給を済ませたらいつものチェックをして忘れ物が無い事を確認。

 何も忘れ物が無い事を確認したら進むとしましょう。


 階段を降りるとそこは少し広めの部屋で、感じで言うなら学校の体育館ぐらいでしょうか?野球は出来ないけれどバスケやバレーが出来る程度の広さのある部屋。

 そこの真ん中辺りにポツンと一匹モンスターが居ます。


「なるほど、狐だね」

「ええ、名前はスリーテイルズフォックス。名前の通りの三尾の狐です」


 スゥっと目を細めながら三尾の狐がこちらを見ている状態でかなりやる気を見せてきている気がします。

 ただ、見た目だけの話で言うとかなり可愛い感じ。


「かなり可愛いけど……」

「倒す敵ですからね?」

「分かっているけど、まあ目を細めて睨んできているし、やる気満々でこっちを威嚇して来ているのも分かるけどね」

「分かっているのであればいいですけど」


 分かっていても可愛いものは可愛い。

 少しぐらい撫でても良くない?と思ってしまうのですが、どうやらダメな様子。


「はい、まじめにやります」


 そう言いながらもう一歩とかなり距離を近づけていくと、


 コーン!


 狐がひと鳴きします。

 いきなりの事でビックリしたのですが、驚き以上の事がその後に続きます。


「あれって……」

「ええ、強敵という意味が分かるでしょう?」

「うん。気合入れないと倒せないかも」

「頑張ってくださいね?」


 小さく頷いてすぐに腰から木刀を引き抜いて前に構えようとしたのですが、


『荷物ガ邪魔ダロウ?置イテカラ存分ニヤロウデハナイカ?』


 目の前のソレがそう言ってくれるので、こちらとしても動きやすくなるという意味では好都合。


「精霊、お願いできる?」

「ええ、しっかりと見ておきます」

「頼むね」


 目の前の敵を無視するような形で端に移動して、色々なアイテムのあるリュックを置くのですがついでに腰の所にある木刀も纏めて置きます。


『一本デイイノカ?』

「十分だよ」


 そんな会話をしながら戻ると、相手は右手を差し出してきます。


『礼ニ始マルノダロウ?』

「ああ」


 その右手を取りに移動してしっかりと握手をします。

 握手を終えたらお互いにある程度の距離を取って木刀を前に構えます。

 そう、さっきのひと鳴きの後にスリーテイルズフォックスは『化けた』のです。

 その姿はよく知る自分そのもの。


『勝負ッ!!』


 相手の一言で火蓋が切られた状態になるのですが、まずはお互いに様子を見る形でにじり寄る形。

 相手も自分と同じ得物なので木刀同士。

 横振りを縦に構えて攻撃を止め、縦振りは横に構えてガードをしながら体を滑り込ませてカウンターの要領で横薙ぎを狙います。


『流石ニヤルモノダナ』

「そっちこそ」


 鏡移しのような状態なので、自分が自分と戦う事になっているので不思議な感じ。

 今の所でいうなら言う程強敵かな?と思う所。

 勿論弱いわけではないのですが、自分の事なので多少癖も分かっているのもあってそこを突けないわけでもなさそう。

 そんな事を思っていると、相手も同じことを思っているのか一度距離をあけたいのか木刀を大振りで振ってきます。

 流石にそれを受けると手が痺れそうだったのもあって、大きくステップで後ろに避けると、相手の自分は両手で持っていた木刀を右手だけに持ち直します。

 何をするのか様子を見たい気持ちと仕掛けてきそうな気配もあるので迂闊に近づけない状態と二つの感情でこちらが動けない状態でいると、そのまま相手は突っ込んできます。


『コレデドウダ!』


 一気に駆けて来たかと思うとこちらとの距離が微妙なところで横に飛び右手の木刀をこちらに向かって投げてきます。

 武器を投げてくるとは思ってもいなかったので一瞬焦りましたが、コレを弾いてしまえば相手は無手。一気にこっちに勝利が傾いてくるはず。

 焦りを隠すことなくその木刀をこちらの木刀で打ち上げる様に弾きます。


 コンッ


 鈍い木と木が当たる音がして、相手を見ると何故かニヤリと笑い顔。

 武器が無いのに笑う事なんてあり得ないので何かあると察知はしたのですが、木刀を切り上げた状態で今出来ることは殆ど無く。


 スゥっと相手の目が細くなると、手には何もないのにそれは抜刀のような構えで。


 腰溜めのような構えに見えたので慌てて態勢を崩しながらもバックステップをします。


 スパンッ


 バックステップが一瞬遅れていたら多分胴体が真っ二つになっていた様に思えるほど鋭い一撃が。

 ギリギリ後ろに下がっていたのでローブのお腹の辺りが綺麗に切られている状態。


『外シタカ』

「なんだよ今の」

『オ前モ出来ルダロウ?』

「知らないよっ!」

『ホゥ?トボケルカ』


 なにやら自分の知らない事をして来る自分の形をしたナニカ。

 木刀でのやり合いと違って本当の命のやり取りだと改めて思い知らされます。


「思っていた以上にヤバいな……」


 スパッと切れたローブを少しだけ触ってみると綺麗な切れ方。

 ただ何を使ったのかは理解できます。


「さて、どうしたモノかな」


 この強敵をどうにかしないといけないわけで。

 右手で木刀を持って相手に向かって突きだして負けないという意思表示。

 相手の自分もニヤリと笑ってまだまだやる気の様子。

 思っている以上の強敵と戦う事に。

 どうやったら勝てるか考えないといけない様です。




今回も読んでいただきありがとうございます

目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです

誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません

改めてありがとうございます

毎日投稿頑張ります

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