★ダンジョン111
通路を進んで新しい部屋が見えてきたのですが、小さく頷くと精霊も同じように頷く動きをして僕の前へ。
部屋を軽く見まわしてくれて、
「ハイアントが居ますが大丈夫だと思います」
「分かった。じゃあ、入ろう」
スリーピングシープ対策を今更ですがしっかりと始めます。
部屋の中にはハイアントが三体程いるのですが、うち二匹が口に何かを銜えている状態。
「何処かに持って行くつもりでしょうか?」
「もしかして、クロウとかと一緒だとしたらがっぽりもあるかも?」
「どうします?」
「そう言われると追いかけたい気もするけど、今回はいいんじゃない?」
「ですかね」
という事でサクッと倒す事に。
ハイアントは三体いるのですが、二体はアイテムも持って近くの通路へ移動しているのでこちらへ向かってくるのは最後の一体だけ。
一応口がハサミのような形で先程切られた記憶があるぐらいには鋭い攻撃力はあるのですが、それよりも先に一撃をこちらが加えれば倒せる事も分かっているので多少の注意はしながらも木刀で対処できます。
腰から木刀を抜いて向かってくるハイアントを掬い上げる様に切り上げの一撃。
しっかりと頭部にヒットしてそのまま魔石を落とすのですが、その魔石に反応して残りの二匹の足が止まります。
「中々欲張りだね」
「もしかしてアイテムを持った状態で更に取りに来るのですかね?」
「流石にあの状態じゃ取れないと思うけど……」
軽口を叩いていると二匹とも進行方向を変えて今落ちたばかりの魔石に寄ってきます。
「どうするか見てからでも遅くないよね?」
「ですね」
そう言って数歩後ろに下がりながらも、木刀は手に持った状態で油断なく周りの確認を怠らずに待っていると先に一匹が魔石の元へ到着。
ワクワクとしながらハイアントを見ていると、一度アイテムを魔石の横に置いて二つを纏めて置くとそれを纏めてもう一度口ではさみます。
「思っていたよりも賢いかも」
「ですね」
それを見たもう一匹はまた通路に戻ろうとしたのですが、二個アイテムを持った状態のハイアントは自分の目の前。
そのまま倒す事に。
向かってこない敵を倒すというのはなんとも気持ちのいいモノではないのですが、仕方ないと思って木刀の一撃で倒します。
するともう一匹はまたアイテムが出たとこちらに寄ってくる形。
「賢いのか、賢くないのか何とも言えないね」
「どちらかと言えばあまり賢くないと言うべきでしょうかね?」
「かなぁ」
結局最後の一匹も落ちているモノを拾いに来たので、そのまま倒すと部屋のアイテムが一か所に集まった状態に。
魔石が三つに赤いビンと紫のビンをサイドポケットへ。
すべてリュックに仕舞って部屋をもう一度見まわしますが何もなし。
「そろそろ階段だといいんですけどね」
「ん?なんで?」
「それは階段に入ってからお話ししますので」
「次の階に何かあるって事?」
「階段に入ってから話しますから」
そう言われてしまうと余計気になってしまうモノで。
何が次の階にあるのか凄く楽しみですが、とりあえずはこの階をクリアしない事には先に行けないわけで。
部屋には通路がここもまた結構な数がある形。
「精霊、どれに行く?」
「えーっと、そうですね……」
部屋の中をクルクルと精霊が回って、最終的に止まったのは来た道に戻るような位置にある通路。
「こっちに」
「おっけー」
通路に入るとすぐに九十度カクンと曲がって明らかに来た道とは違う所へ付きそうな気がします。
そのまま進むともうすぐ部屋と言う状態になったのでさっきと一緒で精霊が先に進んで確認をしてくれます。
「大丈夫です。それと当たりです」
「おっ、いいね」
そのまま進むと部屋には敵もアイテムも無く、階段がポツンとあります。
まさに当りと言う感じなのでそのまま進もうとしたのですが、よく見ると階段の周りは罠だらけ。
「どうかしましたか?」
「階段の周り、罠が多くてね」
「なるほど。私には見えていないのですが、大丈夫です?」
「うん。少し遠回りすれば」
すぐそこに見えるのですが罠が珍しく列になっているのでそれを避けて階段へ。
階段に入ってしまえばゆっくりできるので一安心。
「で、三十九階は何が居るの?」
「聞いちゃいますかソレを」
「アレだけ何かを隠していたら気になるからね」
「今までとは少し違う強い敵が居ます」
「少し強い敵?」
「ええ、ギルドで言う所の低層階の壁ですね」
「低層階の壁」
何ともワクワクする様な事を精霊が言うのですが今はまだ立ったまま。
三段ほど降りてリュックを降ろしてゆっくり話を聞こうと思います。
「結局で言うと何が居るの?」
「聞いてしまっていいのです?」
「初見で楽しみたい気持ちも無いわけじゃないんだけど、前回も油断して大変な事になってしまったし、今回だってさっきもそこまで油断していたつもりは無いんだけど、あんな感じになっていたし……安全優先かなって」
「なるほど」
話も長くなりそうだったのでリュックの中からパスタオムレツを取り出してパクリと一口。疲れも多少あったのかかなり美味しく感じます。
「あ、私も……グラノーラバーを」
一瞬自分も同じものを食べたいと言おうとした精霊がグッと言葉を飲み込んでいるのが分かる感じで言ってきたので、
「はい、スポーツドリンクもどうぞ」
「そこは一口くれる所ではないのですか?」
「あげないって言ったでしょ?」
「うぅー」
うーうー言いながらグラノーラバーを口に入れてこちらを見る精霊を苦笑いで見ながら、
しっかりとパスタオムレツを食べてみるとかなりの満腹感。
しっかりと水分補給をしながら次の階の事を聞きます。
「で、何が出るの?」
「えーっとですねぇ、三十九階は狐が出ます」
今回も読んでいただきありがとうございます
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誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません
改めてありがとうございます
毎日投稿頑張ります




