シメ麺&うどん
知り合いが丁度来て、精霊も早く欲しいと待っている状態。
とりあえず、席に案内を。
「今日のランチは御覧の通りで、各自でゆっくり楽しんでもらう予定です」
客席には準備が終っているコンロを目の前に、水とおしぼりを出して待ってもらいます。
厨房に戻って各自の鍋につくねを入れて、野菜をたっぷりと入れたら、一度茹でていたお肉や油揚げも上に乗せて、蓋をします。
「精霊の分はここで火を入れるから、もう少し待っていてね?」
「はいー」
精霊の分は厨房の所で火にかけて、他の鍋はお客さんの所へ。
重さもあるので一つずつですが、距離はそこまで離れていないので鍋はすぐに全員分渡ります。
「今日はちゃんこ鍋ですね。最初の分には入れていませんが、もやしの用意もありますし、お肉の用意もあります。追加があれば呼んでください」
僕が先に言うと、知り合いが聞いてきます。
「昨日のカレーも良かったけど、鍋もいいよね。でも、この人数だったら個別に分けなくてもよかったよ?」
気を使ってくれたのか言ってくれます。
「少しだけ迷ったのですが、念の為を思いまして」
「念の為?」
「ええ。何が悪いというつもりはありませんが、シメはどうしたいです?」
確認をするように聞いてみます。
「雑炊がいいかな」
知り合いがまず答えます。
「他の皆さんは何がイイですか?」
聞いてみると、
「すみません、鍋自体が初めてで。他に何があるのでしょう?」
それは想定していた事とはまた違う答え。
「他ですと、中華麺、うどんもあります。勿論雑炊もです」
これは想定よりも大変そうになりそうな空気を感じながら、答えてみたのですが、
「では、麺類の後に雑炊という事も出来ます?」
「出来ますよ。ただ、それだとうどんは少し難しいかもしれません。かなり麺が汁を吸ってしまうので、その辺りは上手い事やらないといけないですね」
中華麺であれば、先に茹でておいてつけ麺の感覚に近い状態で茹で温めればスープは減りますが、それでも全部なくなる事はありませんが、うどんではやはり厳しいでしょう。
「っと、話しているうちにそろそろいい感じに温まって来ると思いますので、お手数ですが、少しだけ灰汁を掬って、それからどうぞゆっくり楽しんでください」
お辞儀をして厨房に戻ろうとすると、
「多少は私の方から皆に説明をしながら食べるから、おかわりの準備を頼むよ?」
知り合いがそう言ってくれたので客席の方は任せることに。
厨房に戻ると精霊がそわそわしているのか、いつもよりは少し活発に動きながら声を掛けてきます。
「これはそろそろいいのではないでしょうか?」
蓋を開けて多少の灰汁を掬って。つくねや肉類がしっかりと火が通っていれば大丈夫。
「うん、大丈夫そうだね」
箸で他の具材もしっかり火が通っているのを確認して、
「よそう?」
聞いてみれば、
「お願いします」
一人前をよそってあげたら、追加の注文の準備。
もやしはすぐに食べられるように一度お湯をさっと通しておけば、足したそばから食べられます。味が薄くなってきた時こそ入れたくなるのはつくね。これはもう少し多分皆さん食べると思うので、最初と同じ量を作り直し。
まだ野菜も多少残りもあるので、大丈夫でしょう。
「雅、おかわりをお願いします。あと、今茹でたもやしもぜひ食べたいです」
「ん。そのまま今足すね」
茹でたもやしを鍋に入れて、さっと天地を返して汁ごとおわんによそえば、もやしはそのまま食べられて、また食感も損なわれていないので、食べやすいでしょう。
「もやし、最初からあっても良かった位に美味しいですね」
「まぁね。でも、もやしばっかりの鍋も悪くはないけど寂しいから、後乗せぐらいが丁度いいでしょ?」
「後乗せですね。昨日のカレーでも思いましたが、後乗せはいいです」
「精霊、ちょっとの間またお客さんの方やって来るから、鍋の管理は自分でお願いしていい?」
「勿論です。いってらっしゃい」
精霊の方は精霊に任せて、お客さんの方の確認を。
「どうでしょう?お口に合いましたか?」
「最高だね。今聞いたけど、本来は冬の季節に食べる物なんだって?」
「そうですね。寒い日に温かいものをって意味では冬の食べ物ではありますね」
「野菜嫌いでもこれならスイスイいけるかもね。それにしても、このまま食べられるって言うのはいいね」
あ、そうか。すっかり忘れていた気がしますが、別にポン酢やゴマダレを足すのも悪い事ではありません。
「すいませんちょっとバタバタしていてポン酢を出すのを忘れていました」
コレをかければ少しサッパリ。まあ、ちゃんこ鍋なのでそのままでもいい塩味、野菜の旨味につくねからさらに出汁も出るのでまだまだ楽しめるはずです。
「じゃあ、そろそろ追加をお願いしようかな」
知り合いの言葉に頷くのは他のお客さん全員。
野菜とつくねを持ってきて、また各自にお願いをして厨房に。
「私もポン酢が欲しいです」
「あー、はいはい」
忘れていたわけではないのですが、どうしてもこう一人でバタバタしていると手が回りません。
「もう少し私は野菜の追加を」
精霊の鍋には野菜の追加をして、次はシメの準備。
「精霊はどうする?」
「中華麺の後に雑炊ですかね。うどんも悪くないと思うのですが、少しご飯も欲しくなってきたので」
「分かった」
中華麺は先に今日は茹でて準備。
精霊の分を茹で終って、確認をして鍋に足して自分で食べてもらう事にして、お客さんの方も確認。
「シメ、どうしましょう?」
「みんなかなり悩んでいてね。お勧めはあるのかい?」
知り合いが聞いてくると同時に皆さんの視線も一気にこちらへ。
「中華麺を先に入れて、残っている具材ごと全て掬って残りの汁で雑炊ですかね」
「それは嬉しい提案だ。私はそれで」
知り合いが乗っかって、他の四人も乗っかってきます。
「それでもうどんが食べたいので、うどんでお願いします」
「私もかなりお腹が一杯なので、うどんがいいです」
後からの二人が今日は控えめに。
うどんが二人前に中華麺と雑炊のセットが五人分。
「少々お待ちください」
麺の準備で厨房に戻ると、精霊が一人不思議な動きを。
「麺がとれませんー」
「あぁ、はいはい」
箸でサッととってあげて、他の人達の麺の準備。うどんの二人前も別でやります。
目が回る様な忙しい時間はまだ終わりそうにありません。
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