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タコのおつまみ&とうめし

 一人厨房で片付けを始めたのですが、いつもと違って少し離れた客席からは声が聞こえているので人がいる感じが残ったままの作業。

 実家は常に家族以外の人も居るような家だったので一人きりと言うのは殆どなかったのですが、その中でも少し離れた所で人の気配はあるけれど一人と言う状態になる事は結構あって。

 その状態は心が落ち着いていて寂しさは無いのだけれど一人という絶妙な感じ。

 逆に小さい頃に迷子になったことがあるのですが、周りに人は一杯いるけれど一人ぼっちになってしまった時とちょうど正反対。


「ぱぱっとやるかな」


 精霊もお客さん達と一緒に飲んでいるので片付けは一人。

 お皿は水やお湯につけて、お椀も同じくつけてからなので今は下げてつける作業からという状態なのですが別に長い時間つける必要も無いわけで。

 洗い物を始めてみると結構サクサク。

 今日のランチは油モノとシメのリゾットだったのであまりこびりつくような汚れは無いのでそこまで大変な事は無く。

 洗い物が終ったら次は鍋やら調理器具。

 揚げ物をしたので油の処理も必要ですが大変な事も無く。

 お客さん達のにぎやかな声をBGMに洗い物が終ります。


「さてと、流石にこの状態で外に出るわけにもいかないよな……」


 一人木刀磨きと厨房の反対側の物置部屋でやることが出来ないわけでもありませんが、そういう気分でもなく。


「依頼のシメの為の物でも作るか」


 がーさんからの今日のシメの依頼があるのでそれの為のご飯の準備をするとしましょう。


 用意するものはお米。

 そして色付けにいるのはお茶。今日はほうじ茶を準備します。

 ご飯はいつも通りに水で洗ってから水を含ませておきたいので水に浸しておきます。

 ほうじ茶は出来るだけ濃い目に出したいので普通に飲むときより色が濃くなる様に煮出します。

 ほうじ茶を煮出したらキッチンペーパーを敷いたザルを通して茶葉が残らない様に濾します。そしてそのまま一度粗熱をとる為に冷まします。

 後はいつも通りの炊飯で炊くだけなのですが、ちょっと今日のシメは硬めのご飯がいいので水分量は若干少な目に。

 それと味付けではないのですが塩をひとつまみ入れるのも忘れずに。

 これでご飯を炊けば今日のシメにもってこいの茶飯が炊けるはず。


「今から炊くには早すぎるし、少し何か作るかな」


 結構お酒のつまみを作ることはお店では多かったので簡単で押しいいモノはあるもので。

 今回のおでんに入れていなかったタコが最初に思い浮かびます。

 タコであればさっぱりとしたものが出来そうなので丁度いいでしょう。


 タコは茹でたモノを用意。もし生であればお湯に少し塩を入れてしっかりと茹でればオッケー。

 タコはあまり小さすぎると食べごたえがなくなってしまうので一口大より少し小さいぐらいの大きさに切っておきます。

 ネギを細かいみじん切りにして、お酢に鶏ガラスープ、醤油とゴマ油を少々混ぜてそこにタコも一緒に投入。

 全体をさっくりと混ぜたら出来上がり。

 少しだけ味見をして問題ない事を確認。


「ん、いい味かな」


 出来たモノを小鉢の器に入れて一度下げているのでお箸も用意。

 全員分をトレイに乗せて客席へ行くと少しだけ皆さん赤ら顔で楽しそうに話をしている状態。


「おやおやおやぁ?それはもしかしてつまみかな?」


 最初にこっちに気が付いたのは火の精霊付きの人。


「ええ、つまみをと思ったのですが……」


 つまみを持って来たのですが、がーさんがいろいろとお酒のアテやお菓子等を用意してくれていたようでもしかしたらいらなかったかもしれないと思えるほど机の上は色々ある状態。


「嬉しいねぇ。有り難く貰うよ」


 火の精霊付きの人がトレイから自分の分を取るとそれに倣ってと皆さんが箸と小鉢を取っていきます。


「久しぶりにお菓子で飲むのも悪くは無かったけど、やっぱりしっかりしたつまみがあると違うね」


 がーさんも最後の一つを取って行くと、


「雅?私の分が無いのですが?」

「乗らなかっただけだから今持ってくるよ」

「忘れていたのでは?」

「そんな事ないって」


 そそくさと厨房に戻って精霊の分をもって戻ると皆さん色々な物を楽しんでいる様子。

 ワインの人や日本酒の人も居て、土の精霊付きの人は色が付いているので多分出汁割りにハマっているのかもしれません。 


 タイミングを逃してしまったのでお昼は今作ったタコの和え物ぐらいなのですが、やっぱり少しお腹も減るもので。

 そろそろご飯が炊けるとわかればシメを先に一人で食べるのも厨房の人の特権でしょう。

 今厨房に残っている鍋は豆腐しか入って居なおでんの鍋なのですがコレがメインのシメは美味しいもので。


「味見と言うかお昼と言うか、少し食べるかな」


 丁度ご飯が炊けたのでまずはご飯を蒸らす為にも一度かき混ぜます。

 茶飯はいい色に炊けて、香りもほうじ茶の香りが少しだけたっていい感じ。

 普通のお茶碗に少し少なめにご飯をよそいます。

 その上に乗せるのがおでんの具材の豆腐。

 ドンとコレだけ一個をしっかり乗せたら出来上がり。


 今日はおでんだったので煮込んだ豆腐を乗せていますが、普通に作るのであればちょっと濃い目に豆腐を三十分位煮るだけでもできます。

 その場合は豆腐を醤油、酒、砂糖、オイスターソースに出汁を入れて豆腐を浸して煮込んだ豆腐を同じようにご飯に乗せる形でも出来ます。


「出来立てを早速、いただきますっ」


 豆腐なので勿論箸で簡単に崩れるのですが、出汁が染みていい味。

 おでんの味に左右されるのですが、ちょっと薄目な今日のおでんの味はご飯にぴったり。

 スイスイとご飯も進みますが、ある程度食べ進めたら味を少し変えましょう。

 ピリッとしたのが好みであれば一味、あまり辛いのが得意でなければ七味をパラパラと。


 パクパクと箸が進んで気が付いたらお椀は空っぽ。


「ふぅ、美味しかったぁ」


 出来立ての豆腐飯はシメとしてもいいのですが、メインでも全然問題なく。

 食べ終ってみると結構お腹がいっぱいであの量でも十分だった模様。


「ぬあぁ!?雅っ!何か美味しそうなものを食べていたのですかっ!?」


 一人厨房でふぅと一息ついている所に入って来たのは精霊。

 凄い嗅覚でもあるのかタイミングはバッチリで。


「先に味見をね。飲み会が終るときに出す予定だよ」

「もう終わりでいいのではないでしょうか?私も食べたいのですが」

「……まだ終わりじゃないんじゃない?タイミングをみて出すから戻ったら?」

「美味しそうなものがあるのにお預けは嫌なので相談してきます」

「はいはい。いってらっしゃい」


 こんな会話をしながらも、手にはシッカリと出汁割り。

 結構長くなるような気がしますがちょっと昔を懐かしむようなイイ一日を今日は久しぶりに体験した感じ。


「一緒にお酒が飲めるようになったらもっと楽しいのかなぁ?」


 独り言が厨房に消えていきました。








今回も読んでいただきありがとうございます

目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです

誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません

改めてありがとうございます

毎日投稿頑張ります

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