★ダンジョン99
三百話記念の二話投稿いかがでしたでしょうか?
少し作者は疲れました(笑)
癒されにサクラでも見に散歩へ出かけるとします
転移トラップに引っかかってしまった先は今までと違う所が色々と。
パッと見ですぐにわかるのは壁の色がまず鈍く赤い事。
そして全身に襲ってくる熱さ。
「敵も居るのであまりよけいな事は言いたくないのですが、熱いですね?」
「だね。何か情報はあるの?」
「一応もしかしたらというのは」
「なに?」
「特定階層は属性階と聞いているので、もしかしたらその階層に入っているのかもしれません」
精霊の言葉になるほどと思いながら頷こうとしたのですが、
「来ましたっ」
焦る様な精霊の声で意識を前に戻すと、攻撃を仕掛けてきたのは見覚えのあるラット。
少しだけ気が抜けてしまいそうでしたが、油断は禁物。
見た目通りの強さとは限りません。
聞きなれない鳴き声をラットはあげると一直線に突っ込んできます。
幸いな事に右手には木刀が握られたままなので、下がって欲しいという思いも込めて横薙ぎをします。
ラットもやられるつもりは無いのか急停止してから鳴き声をもう一度あげると、後ろから二匹のラットがこちらを囲むように横に陣取ってきます。
「どんどん賢くなって来るのは本当に嫌になるね」
「ですね。っと、仕掛けてきますよっ」
もう一度鳴き声をあげるとタイミングを合わせて三体同時にこちらに襲い掛かってきました。
通常であれば通路に逃げ込むのですが、転移トラップなので通路などは無くしっかりと囲まれてしまっている状態。後ろは多少ありますがあまり下がり続けるわけにもいかず。
とりあえず距離を取りたかったので、もう一度木刀を横薙ぎ。
当たるのを嫌がって自分から見て正面と左側の二匹は動きを止めたのですが、最後の一匹は避ける動作をすることなくそのままこちらに突っ込んできます。
けん制の意味合いとはいえそれなりの力で木刀を振るっていたのでラットの顔面にヒット。
倒せたかと思ったのですが、煙になる様子は無く。
今迄とは違う甲高い鳴き声をあげると同時に残りの二匹が間髪を入れずに突っ込んできます。
すぐに木刀を戻して二匹に対応をしようとしたのですが、木刀は何故かかなり重たく。
「え?」
視線を向けると顔面に当ったハズのラットはその前歯で木刀をしっかりと齧っている状態。木刀をこちらが振り回してもしっかりと噛みついた状態になっています。
どうしようかと迷って一瞬動きを止めたところに二匹のテイルアタック。
感じとしては往復ビンタを食らったような感じで結構なダメージを貰います。
「つぅ、ラットの威力じゃない」
「大丈夫ですか!?」
防御できていたり、避けることが出来ていたりしていた今までのラットの攻撃とは全然違う威力とスピードで焦ります。
そして木刀を齧るのを止めないラットの方を見ると、いきなり火が上がります。
ボウッ
その火は木刀を伝ってこちらの手元まで来そうな勢い。
仕方なく武器である木刀から手を離すと一気に木刀は燃え上がってしまいます。
「愛用していたのに……」
ストックはまだ二本あるのですが、同じ事をやられるとどんどんなくなっていく可能性もあるわけで。
すぐに木刀を腰から引き抜いて構えるとラットたちはこちらを舐めた様な目で見てきます。
「雅っ、避けて下さいっ」
精霊の声に反応して左に動くと後ろから火弾が結構なスピードでこちらの頭の横を通り過ぎます。
「遠距離攻撃持ちも奥に居るのか」
「ラットたちも来ますっ」
奥からの攻撃に気をそらしているのを隙と見られたようでラット達が前歯をこちらに向けて鳴くのですが、よく見ると前歯は壁と似ている少し鈍い赤い色。
もしかしたあの前歯が火属性の可能性に今更ながらに気が付きます。
攻撃を止めるつもりは勿論ラット達にもないので、迫ってくるのですがこちらもやられるつもりは毛頭なく。
相手が火ならこちらは水。
木刀を何本も燃やされるつもりは無いので、想像するのは水纏い。
「水っ」
声による確定と同時に木刀に水を纏うのですが、ただ纏わせるだけでは多分倒せないと思っているので、少しでも水は鋭く相手の攻撃に負けない状態になる様に想像をします。
そんな事お構いなしに、ラットはそのままこちらに前歯を向けて攻撃をしてきます。
こちらに当る寸前になると前歯はやはり火を噴きかなりの熱を持っているのが分かるのですが、こちらの木刀も水纏い。
三匹が順番になりながら噛みつこうとしてきたので、さっきまでと変わらない横薙ぎ一閃をしながら自分はバックステップで距離を一度離すことに。
ただ、今回は水纏いをしているので今までとは違います。
「伸びろっ」
バックステップと横薙ぎなので相手の攻撃は勿論当たらない位置に下がれていますが、こちらの木刀は魔法纏い。言葉によってリーチが変わります。
木刀の倍の長さになりながらもそのまま重さを感じることなくスッと横薙ぎが通ると、三匹のラットはすぐに煙になって魔石を落とします。
「おぉぉ。格好いい魔法剣ですね?」
「剣と言うよりは刀のつもりだけどね」
少しだけ余裕が出たので喋れたのですが、まだ奥にモンスターはいるわけで。
とりあえずの危機を脱して背中をそのまま壁に付けると、ジュゥと焼ける音。
「離れてっ」
言われるまでも無く、凄い熱さだったのですぐに離れるとローブから焼けた匂いが。
「部屋が熱いのって壁のせいなのね。休めないね」
「ええ。回収も後にさっさと倒した方がよさそうですね」
精霊の言葉に頷いて、残りのモンスターを倒しに前に動きます。
今回も読んでいただきありがとうございます
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誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません
改めてありがとうございます
毎日投稿頑張ります




