★ダンジョン96
二日目の二話投稿
今日も楽しんでいただけると幸いです
何故か少し狭く感じる通路を進んで、次の部屋へ。
新しい部屋には多分ウィードが数匹とスリーピングシープが居るのが見えます。多分ウィードと言っているのはスリーピングシープが食べている以外にも数か所草が見えているから。
「草は多分ウィードだよね?」
「ええ。ダンジョンに草は生えませんからね」
「だよねぇ」
ロップイヤーラビットは見た目と違って強かったので、多分スリーピングシープも結構な強さのはず。
そうなると無理をして戦う必要はなく。
「アイテムもないし先に進もうか」
「ええ」
見えている通路は二本あるのですが、大きな部屋の方向へ一本は通じていそうなので選べるのは一本。
足元に気をつけながら進むのですが、一歩進むと草が一歩分こちらに近づいていきます。
通路まであと数歩なのですが、部屋の中でウィードに絡まれそうな位置。
仕方なく木刀を引き抜いたら、すぐに頭に魔法を想像。
「風っ」
風の刃を飛ばして足元へ向かってきていたウィードを倒すと他にもこちらに向かってきていた草達はピタリと動きを止めた様子。
すぐに魔石を拾って次の部屋への通路に移動します。
「ウィードも微妙に厄介だよね」
「ええ。足元に居るタイプですからね。下を見ないといけないですし動きも微妙で気が付いたら足元に居ると注意をしないといけないモンスターですからね」
そんな話をしながら次の通路を進んでいると通路の先にはスライムが。
ただ壁を直しているのかこちらに見向きをせず。精霊の言葉通りであればさっきの恨みと言いたい所ではありますが、攻撃する気にはならず。
そのままスライムを横目に見ながら通路を進むと新しい部屋なのですが、新しい部屋は少し様子がおかしい感じ。
「変だよね?」
「変ですね」
精霊に確認をするとすぐに返事が返ってきます。
部屋はさっき通った狭い部屋と同じぐらいの大きさなのですが、モンスターも居なければアイテムも無い状態なのですが、異様な空気を発している部屋。
よーく見てみるとかなりの罠が足元にある事に気が付きます。
「罠ばかりだね」
「なるほど。当たらずにイケますか?」
「多分無理だね。木刀で罠を発動させながら行くしかないかな?」
「ですか」
部屋から見えている通路は三本で行きたくない方向を抜くと二本。ただどこの通路を選んでも罠は大量にある状態。仕方なく木刀を腰から引き抜いて、地面を軽くたたきながら進むことに。
「じゃ、入ろうか」
通路から入る所には罠が無いのでありがたい限り。
一歩目を進むとやはりこの部屋の異様さが際立ちます。モンスターが居ないのにどこかから見られている視線を感じるのでそれが原因なのでしょうか?
「見られている?」
「モンスターはいませんよ?」
「うん。でも視線を感じるんだよね……」
ねっとりと粘つくような視線をどこかから感じる凄く不気味な部屋に入ったのですが、とりあえず一歩目を進まない事には始まらないわけで。
木刀で地面をコツンと叩くと罠が発動。
「え?」
発動した罠は今まで通りの状態異常の煙や矢が飛んでくるのを想像していたのですが、それとは違った少し前に見た罠。
「竹槍の罠?」
精霊がそんな馬鹿なと言うような声で言います。
「バンブープリンセスは居ないはずだよね?」
「ええ。三十三階限定のモンスターのはずです」
「じゃあ、なんで?」
話しながらも竹槍の罠は一定の高さまで行くと成長を止めた様子。不思議だなと思いながらも近くの罠を同じように木刀で発動させます。
入り口からすぐの五か所の罠は全て同じ罠で五本の竹が入り口に伸びている状態。
同じようにもう一か所の罠を発動させると今までとはけた違いの速さで竹槍の罠が初うどうしたのですが、その穂先は金色に。
「あれって……」
「ええ」
聞いていたバンブープリンセスは金色の節を攻撃すればいいはず。
持っている木刀で節を叩くと光が外にかなり眩しく光ります。
「眩しっ」
あまりの眩しさで目を薄めに開くぐらいしか抵抗は出来ず。
光が収まるとそこには雛人形のようなそこまで大きくない女性の形をしている日本人形。
『起コシタノハ貴様カ?』
その声は多分日本人形からですが、思わず精霊をまずは見てしまいます。
すると精霊が丸い形にもかかわらず首をブンブンと左右に振っているようなのが分かる様な動きをします。
『聞コエテイルナ?』
目の前の人形が喋っているのが不思議で仕方ないのですが、喋れないわけではありません。でも、自分の口から出たのは疑問形で、
「バンブープリンセス?」
『ソウダ。ワタシヲ倒シタケレバアイテムヲヨコセ』
まさかモンスターと会話が出来る日が来るとは思っていなかったので、かなり驚いているのですが、後ろの精霊も同じ気持ちの様子。
『ン?オマエタチハアマリ強クナイナ?シカタナイ、強クナイオマエタチデモ手ニ入ル物ニシテヤロウ』
何が何だかわからずにいると日本人形は左手を前に出してクルリとひっくり返します。
『アル枝ノ一振リヲ持ッテ来タラ、倒サレヨウ』
日本人形がそういうと、ホログラムのように『ある枝の一振り』というアイテムが映し出されます。それはとても綺麗な枝で。根が銀色で茎は金色、そして付いている実が真珠とかなり綺麗な枝。
「あの、倒されようってどういう事です?」
『ン?私ヲ倒ス為ニ呼ンダノダロウ?』
「え?倒し方って金色の節を叩くだけでは?」
『フン、ソレハ別ノ階ノ事ダロウ?アレダケノ行キ来ヲシテ成長シタ私ニハ関係ノ無イ事ダ』
あれだけの行き来をした?
確かに三十三階で攻略法を見つけた気がしていましたが、もしかしてアレが良くなかった?
『倒ス気ガ無イノデアレバマアヨイ。デワナ』
それだけ言うと日本人形が腕を振るいます。
するとどこにもなかったはずなのに竹の葉がぶわーっと目の前に。思わず目をつぶってしまったのですが、目を開けるとそこは変わらずダンジョンの小さな部屋の中。
ですが、今まで見えていた罠は殆どない状態で、見えていた笹の葉も一切なく。更にねっとりと浴びていた視線も無くなっている状態。
「何だったんだ?」
「分かりませんが、とりあえず無事みたいですね?」
「だね?」
緊張感から解放されたせいなのか、気が付けば背中には汗がびっしょり。
ゆっくりと話をしたい状況なので早く階段を見つけたい気持ちに拍車がかかりました。
いつも通りの時間にもう一話あがります




