★土のやすり
前回同様、ご飯が無いので……
自分も食べ終わったらまずは片付け。
カレーなので洗う前にしっかりと水やお湯で流し落とせる部分は落としておきます。
「どうだった?」
食べ終わったばかりなのであまり手の動きは早くありませんが、話す余裕ぐらいはあります。
「美味しかったです。おかわりするつもりが無かったのに二回もしてしまうとは……」
かなり気に入ってくれたようです。
洗い物を済ませたら、今日のお仕事は終わり。
「そうだ、精霊。やすりって手に入る?」
昨日出来たばかりの不格好な木刀をシッカリと磨いてある程度形を整えたいところ。
「昨日同様に材木屋に行く事を勧めます」
お腹が一杯なのか冷たい反応ですが、なるほどと頷いて昨日の材木屋に行く方向に。
「ありがとう」
「あ、昨日出来たモノも持っていくといいかもしれないですね」
かなりまだゴツゴツしているけど、これを?
何を作るかも伝えてもいたし、磨きたいものが目の前にある方がいい事も理解できたので謂われるままに木刀をもって散歩に行くことに。
左手に木刀を持って下げて、杖の感じ。
中央の噴水広場は今日も賑やかで、南の方は少し静か。その先の材木屋に昨日と一緒で入ります。
「すいませーん」
今日も人はいないので声を掛けます。
「ん、ああ。昨日の奴か。どうした?」
出てきたのは昨日の店主っぽい人。今日も眠そうな顔をしています。
「こんな感じで一応形にはなったのですが、かなりゴツゴツで。やすりみたいなものが無いかなと思いまして」
「やすり?っていうのはなんだ?」
「え、ほら、えーっと例えばそれ!その机とか凄くツルツルしているじゃないですか」
すぐそこのテーブルとも机ともみえるソレは表面がしっかりとつるつるしています。
「ん?これか?」
「そうです。それ。ただ切っただけだとざらつくじゃないですか?」
昨日魔法でスパッと切った時にも、切断面はザラザラで風魔法を二回でやっと丸太が切れたばかり。
「ざらつくか?」
そんな事があるのかという目で見てきます。
「ちょっと貸してみろ」
木刀を渡せと片手を出して着たので、持ち手の方を相手向きに木刀を渡します。
ぎゅっと握ってクルクルと回しながら、ゴツゴツの木刀を眺めています。
「コレ、どうやって作った?昨日は丸太だっただろう?」
「え、あー。とりあえずあれを風の属性で何等分かにして、それを土属性で作ったナイフで削りました」
昨日作った方法をそのまま伝えてみます。
「そりゃあざらつくだろう」
即答の返事が返ってきます。
「あー、これでいいか」
そこら辺に落ちている小さな木片を片手でとると昨日の丸太と同じ魔法を多分使ったのでしょう。スパッと木片が二つに割れます。
「ほら、見てみろ」
割れた場所を見てすぐにわかる、触らなくても分かるほどにツルツル。それでも一応確認で触ってみますがやっぱりツルツルです。
「俺らが切っているときは風と土だ。詳しくは知らないが、その方がいいって俺らも習っただけだからよく知らないが、個別だとこうなるんだろ」
なるほどと納得したいところではあるのですが、こうなるとやすりは手に入りそうにありません。
「習ったって言いました?」
「そりゃあ、師匠からだな。どこもそうだろ?」
当たり前だろうと言われてしまうとこれ以上は何も言えません。
「ですかー」
苦笑いをするしかありません。
「それにしても中々じゃないか。この木剣」
「そう言ってもらえるとうれしいですね。わかりました、自分で何とかしてみます」
ここに居ても情報が入らない事は分かったので、挨拶をして出ることに。
「そうか。力になれなかったようだな。まあまた必要だったら訪ねてくれ」
木刀を持ったままお店を出て、いつもの門番さんに挨拶をして南の扉を抜けると昨日ゆっくりと木刀を作っていた場所へ。
ゆっくり木刀を持って歩きながらしっかりと考えてみれば、すぐにわかる事に気が付きます。
今回のやすり、無い事はないのです。
ただ、一応の答え合わせが欲しいので呼んでみることに。
「精霊?」
「はい。ここに」
周りに人は居ないので、答え合わせを。
「やすりは作れるって事だね?」
「そうですね」
「あんまりヒントが無かった気がしたんだけど?」
「そうですか?材木屋さんの魔法は風と土と先に伝えたのでわかっていただけたかと思っていましたが」
そう、精霊は昨日ちゃんと教えてくれていました。まあ、今の魔力では自分でできなかっそた可能性も高いので仕方ない所ではありますが、確かに言っていました。
「今日は磨くだけだからこの後はゆっくりかな」
精霊に伝えると、
「まだお腹が一杯なので。助かります。あ、お夕飯は何でしょう?」
精霊の言っていることが支離滅裂なきがしますが、夕飯も考えておかないといけませんね。
「まだ決まってないよ。とりあえず土で魔法を想像してみる」
夕飯は後にして、まずはやすりを作ります。
紙の様な材質で、表面はザラザラ。
紙の材質は前に火の紙を想像したのですぐに浮かびます。その表面を想像できる硬さのなかでも出来るだけ硬いものを小さくちりばめたモノ。
想像が固まって来たので、後は言葉で確定させるだけ。
「土のやすり」
名称が分かっているから、逆にこれ以外の名前が出てきませんでした。
出来た魔法はそのままやすり。というよりはサンドペーパーでしょうか?
まぁ、どっちも一緒の様なものなのでそこに問題はありません。
ゆっくりとした風に吹かれながら、一時間半ほど木刀を磨きます。
まずは握り手の部分から、そして剣先に向けて。
やすりをかけていて思ったことは一つ。すっごく楽しい。そしてストレスが少ない事です。
本来はやすりを掛けていると凸凹が減って別の場所、とペーパーの位置を変えないといけないのですがそれが無い。ずっと同じ部分を使っていても問題が無いのです。
折角だったので、最初は少し粗目から目を少しずつ細かくして、三種ほどのやすりをかけ終えると出来上がりはかなりいい感じ。
今日も魔法を楽しく使えていいのですが思っていたよりも今日は魔力消費が少な目。
「まぁ、家でお湯をたっぷり作ったりすればいいか」
形の魔法に属性の魔法。合わせているのですが思っていたよりも消費が少なく感じるので、後で精霊に聞いてみるとしましょう。
「さ、精霊帰って夕飯だ」
「何にするか決まりましたか?」
精霊はご飯の事で頭が一杯なのか、相変らずの食いしん坊。
家に帰るまでに夕飯をしっかり考えましょうかね。
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