★ダンジョン90
気になることはありましたがそのまま先程の部屋を後にして次の部屋に進みます。
通路は曲がりくねっていて長さもあり、少しだけ方向性が見失いそうに。
「えーっと、こっちの方から来て通路が少し曲がって……こう動いて、こっちに来た感じかな?」
空中に指で来た通路の書いてみると、
「そうですね。合っていると思います」
精霊の返事。
間違いなく進めたことに喜びたい所なのですが、新しい部屋は今までと少し様子が違います。
「普通のダンジョンに戻った?」
「みたいに見えますね?」
言葉通りで、今までは竹がかなり生い茂っていたのですがそれが一切ない部屋に。
しっかりと見通しも良く部屋の中にアイテムが落ちているのが見えます。
「アレはビンだね」
見えたのは紫色のビン。そして隣には真っ赤な罠があるのでわなにかからないようのそーっとアイテムを拾います。
それ以外にも強い赤い色を放つ罠がここには結構多くあります。
「この部屋罠だらけだ」
「そうなのですか?」
「うん。アッチもこっちも罠ばっかり」
幸いなことに罠が見えているので安全に部屋を歩けます。
そんな折、地面が少し盛り上がっているのを見つけます。それは地面が結構盛り上がっている不思議な状態。
「あれ、なんだろう?」
「どこです?」
精霊に指をさして教えると、精霊もそれを確認。
「もしかしたら、タケノコでは?」
「あー、竹のフロアだしあるかもしれないね?」
「とってみませんか?」
取りたくないわけではないのですが、道具は何一つないわけで。流石にダンジョンの地面を木刀で掘れるとも思えません。
「木刀しかないからねぇ」
「いえ、魔法で」
「あ、魔法?」
普通に収穫をする事を考えてしまったので道具が無いと思ってはいましたが、言われてみれば魔法があるわけで。ただ、地面に魔法が通るかもわかりません。
「一応やってはみるけど、魔法が通らなかったら中止だね」
「わかりました」
近くにある罠を避けながら丁度いい位置に盛り上がった場所があったのでその横へ。
木刀は念の為にすぐに持てる様に地面に置いて、魔法を想像します。
想像するのは鍬。形は何度か使ったことがあるのでしっかりと想像できます。持ち手の部分と通常は部品が分かれますが魔法なので一括り。後は言葉で形にします。
「土の鍬」
魔法で出来た土の鍬はかなりしっかりとした硬さで重さも結構しっかりと。
出来た魔法をそのまま振るって地面を掘る様にやってみます。
ガンッ
まるでコンクリートを叩いたような音が返ってきて自分の両手にも痺れが返ってきます。
念の為と思って数回鍬で地面を叩いてみたのですがどうにもなりそうにありません。
「んー、コレはダメそうだね?」
「ですかー。タケノコっぽく見えたのですがねぇ」
「因みにだけど食べるつもりだったの?」
「当たり前じゃないですか。リンゴも美味しかったですし、そういえばさっき倒したピーチボーイも見た目は桃で美味しそうでしたね?」
「流石にアレを齧るのはやめたら?」
「まあ手足が無ければ……とは思いましたが。そう言われては食べられないですね」
言われなければ食べたの?と口からでかかりましたが、グッと堪えます。
地面を掘る事も出来そうになかったので土の鍬に流れていた魔力を切ると鍬はそのまま土塊に戻ります。
たまたまその土塊が薄い赤色の罠の上に落ちたのですが、それがきっかけで罠が発動。
地面から垂直に細く長い竹が自分の放つアースランス様にこちらの顔目掛けて襲ってきます。
「危ないっ」
精霊の声にビックリしながら、何とかギリギリで顔をそらすことに成功します。
そこに罠は先程までは無かったはずですが、実際罠が発動しているわけで怖い思いをしたのですが、
「コレ、食べられませんか?」
「え?」
危ない思いをしたにもかかわらず精霊から出て来た言葉は食べられる?という言葉。
少しあきれながらも地面から出て来た罠をよーく見てみるとかなり細いながらもタケノコにもみえます。
「えーっと、メンマとかこういうのから作ると何かで見たのですが」
「まあ、似ているけど……本気?」
「食べられるのでしたら」
細長さ的にも多分これは孟宗竹ではなく淡竹に近く見えるので一応食べられない事は無さそうですが、自分の知っているのは精々二、三十センチまで伸びたモノ。
今目の前にあるのは罠で一気にこちらの伸長を越した竹。
淡竹はポキッと折って皮を剥いて柔らかい部分だけを食べるのですが……、精霊は早く食べたい様でこちらを見ている状態。
思わずため息をつきながらも根元の方に手を伸ばして折ってみます。
パキッ
いい音がして、先程の罠が折れます。
「リンゴと一緒で持ち帰ることは多分出来ないから、食べるならその場でだよね?」
「ですね」
結構な長さがあるのでどうなるかと思ったのですが、見た目以上に重さは無くてとりあえず半分に折って、穂先の方から何枚か皮を剥いてみます。
四枚位剥くと中はいい色。
「食べるの?」
「私が先に」
そう言って皮を剥いた淡竹もどきを精霊は口に運びます。
すると少し静かな時間があってから、キラキラと何度か見た事のあるエフェクトが精霊に起こります。
「エフェクトが出ていたけど、どうだった?」
「食べられるのですが、なんというか美味しいわけでもなく、不味いわけでもなく。少し青臭いタケノコと言えばいいでしょうか?」
「あー、食感は悪くないって感じ?」
「ですです。でもわざわざ食べるほどのモノではなさそうですね」
「そっか。じゃあ、置いていこうか」
「ええ」
剥いた皮と一緒に精霊が少し食べたモノも地面に置きます。
回避行動をして少し罠からずれていたこともあって、すぐそこに通路があったので次の部屋に向かう事に。
タケノコ掘りともいかず、一応とれた?淡竹も美味しさという意味ではハズレ。中々三十三階の探索が進みません。
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