もやし炒め&鰯の卵トロ丼
木刀が一本と薪のような状態にもみえる木が数本。来た時の縄でひとまとめにします。
「精霊、木屑とかこのままで大丈夫かな?」
「街から離れているので大丈夫だと思いますよ。どうしても気になるのであれば、少しだけ穴を掘ってそこに埋めるだけで十分ですね」
なるほど。
草原と林の境目の辺りで今日は作業をしていたので、穴を掘るとすれば林の方。
少し確認とばかりに林の方へ行って、踵を使って軽く削ってみると土は結構柔らかめ。
「これならすぐにできそう」
思っていたよりも柔らかいので、踵で数センチ程度の凹みを作ってそこに両手で何回か木屑を入れてあとは最初にずらした土をそのままかけてあげれば言われた通りの処理は十分でしょう。
「こんな感じでいいかな?」
「十分だと思いますよ」
精霊もそう言ってくれたので、ひとまとめにした木をもって街に戻りましょう。
まだ夕方より少し早い時間だったので、南の門の周りは賑やかになり立て。
朝程ではありませんが、昼間よりは賑わい始めているので街に帰ってきた感じと喧騒が心地よく感じます。
心地いい喧騒を聞きながら家に向かって、玄関に着きます。
「ただいまぁ」
「おかえりなさい」
精霊の返事が嬉しく思いながら、とりあえず玄関脇に今日作ったばかりの木刀一本とバラバラの木を分けて、木刀一本だけは別の場所に。
そして、これはどこでも一緒。
帰って最初に手を洗って、うがいをして。
怠さは残っていますが、それ以上に今感じているのはお腹の減りなので厨房へ。
「夕飯はー?」
「食べます」
精霊もしっかり返事をしてくるので、それなりのモノを作り食べたいところ。
ただ少し疲れもあるのでしっかり作るというのは厳しそう。
「麺かご飯、どっちがいい?」
自分ではどうにも決まらなさそうなので、精霊に決めてもらう事に。
「パンでもいいのですよ?」
「パンはごめん。お昼食べたからというか今あまり思い付いてない」
正直に言います。
「あのサンドウィッチおいしそうだったなー」
精霊は思っていたよりも食いしん坊なのか、根に持つタイプなのか、言ってくるので、
「今度通った時に売っていたら買うよ。それでいい?」
「分かりました。お昼の件は買ってもらった時に流すことにします。それで、この後のご飯ですが、麺よりはご飯がいいです」
一応許してもらったようで、そしてご飯という事も。
「ん。分かった」
ご飯の方だったら、まずはご飯を炊きますか。
二人なので二合もあれば十分。ご飯を洗って炊飯器にセットしてボタンを押せば三十分以内には炊けるはず。
ぐぅーとお腹が鳴るので、水を一杯飲んで少しだけお腹を誤魔化しているうちに材料を取りましょう。
「んー、ダメだ。とりあえずすぐに食べられるもの作ろう」
ご飯にのっけて作る丼を思いついているのですが、それよりも先にお腹が減ってしまって仕方ありません。
こんな時はすぐ出来て美味しい炒めものを。
使うのはもやしとひき肉だけ。
ひき肉は豚でも鳥でも。個人的にはこの二つだけの時は鶏の方がおすすめ。豚だと少し油っぽくなりやすいので、さっぱり食べられるのは鶏です。
油を敷いたフライパンにひき肉をそのまま入れて木べらで適当に潰しながらあまりボロボロにしないように塊のままひき肉に火を通します。
ひき肉の色がほとんど変わってきたら、もやしを入れて味付け。
鶏ガラの元、コショウの二つだけ。
もやしがシャキシャキのうちに食べたいので、ひき肉に火が通っているのであれば味付けした時点で完成です。
「っし、精霊。先にもやし炒めだけできたよー」
ご飯はまだ炊けていませんが、コレだけでも結構いけるいいものです。
二枚のお皿に分けて、箸でぱくりと一口。
シャキシャキのもやしの食感に鳥ひき肉の旨味。ピリッと来るコショウと全体の味付けがガラスープの素だけなので薄いのですが、これには訳が。
「少し味が薄めですね?」
気が付くと精霊も横で食べていたようで、言ってきます。
「そそ。だからここに少しだけコレ」
取り出すのはポン酢。
一人の時はそのままかけていましたが、今回は精霊も居るので一応つける用のお皿に。
「浸けるのですか?」
「そそ。もやし麺。具無しのポン酢タレ」
口に入れるとさっぱりで、偶にあたる鶏肉はゴロゴロの塊なので鍋を食べているような気にも少しだけなります。
一皿分をさらっと食べきって、少しだけ胃は落ち着きましたが、お腹はまだ減ったまま。
「もう少しでご飯も炊けるし、メインも作るよ」
「私はこれをゆっくり食べていますね」
精霊はもやし炒めをそのまま食べつつ、たまにポン酢で楽しむ形でゆっくり食べています。その間にメインを作ってしまいましょう。
使うのは鰯の味噌煮缶とタマネギ。あとは卵位ですかね。
タマネギを適当にスライス。包丁とまな板の使用はコレだけ。
味噌煮缶は開けて、卵はボウルに溶いて、準備完了。
小さめのフライパンにタマネギを入れて味噌煮缶の汁でタマネギを炒めます。それもしっかりではなくて適当に全体がくたっとする程度で十分。
缶詰の中身を入れた後に、全体が浸る程度に水を入れて味の確認。
缶詰によっては味が薄かったり、濃かったりするので少し味は濃い目の方が個人的には好みですが、この後卵でとじるのであまり薄すぎると味がぼやけるのでそれが無い程度に味を整えます。
今日の缶詰は少し薄目だったので、足すのはめんつゆ。
醤油だけよりは出汁も入っているので、使いやすくて助かります。
しっかりと沸騰させたら、卵の三分の二を入れてフチからある程度固まってきたら蓋の準備。
準備が完了したら火を切ってから残りの三分の一の卵を入れて蓋をします。
蓋をしたら三十秒も蒸らせば卵は半熟トロトロに。
ご飯もそろそろ炊けているので、器に盛ったらそのうえにそのままかければ簡単ドンブリの完成。
「精霊、できたよー」
鰯の味噌卵とじ丼の完成です。
コレの面白い所は缶詰の味によって毎回味がぶれる所。
自分の好きな缶詰があれば固定されるのでしょうけど、色々なところでの色々な缶詰めで作るから味が毎回変わるのもコレの楽しみの一つです。
「トロットロですね」
「もう食べ始めているけど、いただきます」
「いただきます」
疲れも吹き飛ぶいい夕飯になりました。
今回も読んでいただきありがとうございます
目に見える形の評価やブックマークかなり嬉しいです
改めてありがとうございます
毎日投稿頑張ります




