表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
242/1825

チキンの赤ワイン煮込み

 お昼になればいつもの様に皆さんがやってきます。


「こんにちは、いらっしゃい」

「今日のお昼も楽しませてもらうよ」


 いつもの様に席へ案内をして水とおしぼりを出そうとしたのですが、がーさんが厨房へ来てわざわざ止めてきます。


「精霊、折角の肉体があるのだからお手伝いをしないとね?どうせそこでボーっとしているつもりなのだろう?」

「私なりにダンジョンの事を調べてみたり、美味しいものを探してみたり、色々とやっているのですよ?」

「言っちゃぁなんだが、それはテレビや動画を見ているのと一緒だろう?手伝いぐらいした方がいいと思うけど?」


 そう言うがーさんの顔は中々に悪そうな人のソレ。


「はっ、まさかお手伝いをしないとこの肉体に長く入れたままのつもりですか?」

「そこまでは言っていないけど、雅君の手伝いをもう少ししてもいいかなって思っていたからね」


 それはとてもありがたい事で。

 まあ、調理の手伝いはまだ難しそうですが、それでも手伝いをしてくれるのは何もしないよりは助かるもので。


「じゃあ、お願いしても?」

「華麗なサーブをお見せして見せましょう」


 流石精霊というか、自信満々な感じで胸を張ってシルバートレイを上手い事その手の上へ。大きさ的に仕方ないのは分かりますが、かなり不思議な感じに見えます。

 今精霊は両手をあげてその上にシルバートレイを乗せているのですが多分何も見えないし動けないようにしか見えないのですが、昨日の草原の時と一緒でふわりと浮かぶとそのまま客席の方へ。

 それを見てしまったら、逆に気になってしまってそのまま厨房から覗き見。

 精霊は両手の上に置いていたシルバートレイをふわりと浮かせてからそっとテーブルに降ろすと、水とおしぼりを一人ずつ順番に配ります。

 それがなんともまあ可愛らしく、そういう趣味の人が見たら喜ぶのではないだろうかと思える感じ。

 シルバートレイに乗っているのは四人分なので、もう一往復必要で。

 配り終えると戻ってきます。


「ふふん、問題なかったでしょう?」

「あ、うん。結構なお手前で?」

「分かればいいのです。お水とおしぼりは分かっているので私が出しますね」

「うん、お願いします」


 二度目はもう見なくても大丈夫だと思うので、調理を始めましょう。

 白ワインでアサリムシを作って、ニンニクと鷹の爪とエリンギを炒めて、パスタを茹でて完成させて。流れ作業を開始したのですが、どうやら精霊がトレイによるサーブを終えた様子。


「らっくしょーでした」

「うん、ありがとう」

「そこで、提案なのですが。料理も持って行きましょうか?」

「あー、頼めると助かるかも?」

「では、出来たモノをトレイにお願いしますね?」

「はいはい。とりあえず、サラダ渡すね」

「了解です!」


 水とおしぼりも助かることに変わりないのですが、それ以上に料理の提供は助かるもので。なにせ作り続けることが出来ます。

 そうなると逆に休みが無くなるのですが作るといっても数人前。

 二十分かそこらをやりきるだけなので何とでもなります。

 最後の人の分が出来あがって、それを精霊が持って行ってくれます。


「精霊に手伝ってもらうと、こんなにサクサクと行くのか……」


 思っていた以上に今日のお昼は快適で。

 食後のコーヒーの準備をしてから二人でコーヒーを持っていくことに。


「いかがでしたか?」

「うん、今日も良かったよ」

 がーさんや男性陣が頷きながらこちらと話をしている間に精霊と女性陣は、


「そうやって償ってください」

「べーだっ!」


 女性陣と言うよりは土の精霊付きの人とは可愛く険悪で。それを二人は微笑んで楽しみながら、精霊をおもちゃのように頭を撫でてみたり、ちょっとした魔法で悪戯してみたり。


「なんというか、楽しそうですね」

「いやぁ、ずっとねお手伝いが必要だろうなと思っていたから、やっとそれを叶えられてよかったところだよ」

「お気遣いありがとうございます」

「その分少しでも早く料理が出るからね。こっちの都合とも言えるのさ」

「遅くなってしまってすみません」

「いやいや、手間暇かけているから時間がかかるのは気にしないでいいよ」


 こっちはこっちで譲り合いのような状態に。

 少し雑談をすませたら、お客さんも帰ります。


「今日は昨日の続きですね?」

「うん。木刀の形作りと磨きだけど磨きは手伝ってほしいかな?」

「あー、今までと一緒ですけど、まっている間は森で色々とやっていていいです?」

「どうぞどうぞ。とりあえず、食器洗ってからだけどね」

「ですね」


 と、食後の片付けをいつも通り済ませてから南の扉を抜けて木刀作り。

 今日もいい風が迎えてくれて、木刀の形を作って身体強化を自分に掛けて土のやすりを精霊に出してもらって、木刀を磨きます。

 時間も結構早く来られたのもあって、昨日の遅れを取り戻す勢いで磨きが出来ます。


「雅、そろそろいい時間では?」

「あ、うん。集中していて気が付かなかった」


 少し暗くなってきたかな?とは思っていたのですが、思っていた以上に日が落ちるのは早いもので。

 南の扉を抜ける頃にはもうすっかり夜。


「お夕飯が楽しみです」

「あー、何か作らないとね」


 木刀作りに集中しすぎてすっかり忘れていましたが、一応帰り道で何となく作るものを考えています。

 家に帰って木刀をいつもの場所に置いて、手を洗ってうがいを済ませて厨房へ。


「さぁ、雅。お夕飯は何を作ってくれるのです?」

「んー、煮込みでも作ろうかなって」

「時間が少しかかります?」

「まぁ、多少は?」

「途中で味見は?」

「出来ると思うよ?」

「じゃあ、大丈夫だと思います」


 という事で、すぐに作るとしましょう。

 使う材料は結構色々ありまして、メインは鶏肉の手羽元と胸肉。

 野菜はニンジン、タマネギ、レンコン、シメジ。

 それ以外には味付けと旨味の為に干し肉やベーコン、ソーセージのお肉も少々。

 調理は出来るだけ簡単に。

 鶏肉には塩、コショウを振ってから小麦粉を振って余分な分は落としてからフライパンに油を敷いて焦げ目がつくように全体に焼き色をしっかりとつけます。

 焼き色が付いたら鍋へ入れて、同じフライパンでニンジン、タマネギ、レンコン、シメジは適当な大きさに切っておきます。干し肉はお湯で戻したもの、ベーコン、ソーセージは野菜と同じぐらいの大きさにそろえてカットしたモノを軽く全体に焼き色が付く程度火を通します。

 鶏肉の鍋に野菜とソーセージ等も入れたら、同じフライパンに赤ワインを入れて火にかけます。アルコールを飛ばしながらフライパンに残っている旨味をワインで取って、それも鍋へ。更にコンソメの素、ローリエの葉っぱ、水を足して後は煮込むだけ。

 煮込んでいくと肉がどんどん柔らかくなっていくので後はお好みの硬さで食べればオッケー。

 ワインで煮込んでいるので酸味が結構強く出ている場合があるのでその時は砂糖やはちみつを足して酸味をマイルドにすればオッケー。


「んー、いい香りですね」

「ご飯も合うし、パンをトーストしてもいいね」

「ですねー」


 中々いい感じに出来上がったチキンの赤ワイン煮込み。

 圧力鍋でやれば十五分位でいい感じに出来上がるのですが使わなかったので一時間ほどかかる事に。

 それでも今までよりも精霊の我慢が出来る分、何事も無く楽しい夕食になりました。





今回も読んでいただきありがとうございます

目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです

誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません

改めてありがとうございます

毎日投稿頑張ります

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 肉体のある精霊も、なんか楽しみ!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ