★ダンジョン60
スタッグビートルを倒して、安全確保が出来たので部屋を軽く見まわしたのですがなにも落ちておらず。
逆によく見てみると罠が結構あったので危なかったことがよくわかります。
「罠結構多いね?」
「そうなのですか?私には見えないので何ともですが」
「あー、見えないんだったね。転移や落とし穴はないんだけど、状態異常や攻撃の罠はちらほらだね」
「今さっきのスタッグビートルの攻撃を見る限り、敵に集中して攻撃を避けると引っかかるようになっているのかもしれませんね」
「そうなると、余計厄介だね」
ダンジョンが侵入者を倒そうとしているのがよくわかる仕掛けにも感じます。
この部屋からの通路は四本程。
一番離れている通路を選んで進むことに。
「中々格好いい魔法剣ですね?」
「さっきのじゃ分かり辛かったかもしれないけど、鋭さが上がってスパッと切れるんだよ」
「ほほぅ、でしたら他の属性も?」
「うん。多分出来るとは思うんだけど……」
「ど?」
「火だけはどうしても木刀が焦げるイメージしかわかないんだ」
「あー、纏うというより焼いちゃうんですね?」
「そそ」
話をしながら進むと、また次の部屋を発見したのですがどうやら中でやり合っている様子。
部屋の中から戦闘音がします。
喋るのを止めて静かに音を立てない様にそっと通路から部屋を覗いてみると、部屋の中で戦っていたのはビートルとナニカ。
ビートルはスタッグビートルと似た動きで羽を出して高速移動で何かを攻撃してみたり、一本角で切る様な動作やかち上げる動作などをしてみたり。
ですがそのことごとくがどうやら当たっていない様子。
静かに見ているとそのナニカがぼやけながらも実体化。
それはリンゴで、大きさも普通のそれと変わらず。
ですが色は薄く半透明。
そして二つの目と大きな口。
リンゴはでたらめに攻撃するビートルをものともせずに近づくとその角をまるでお菓子の様にパクリと一口、二口と食べ進めます。
角の根元の辺りを食べられると暴れ方も最高潮。
ジタバタとビートルが動くのですが、おかまいなしにパクパクと食べ進めて、何口目だったのかは分かりませんが、コドモドラゴンの時と一緒でビートルが煙になって魔石を落とします。
魔石には興味が無いようで、半透明なリンゴはふわふわと浮きながら近くのリンゴの木に向かうと他の実の近くへ寄っていきます。
目を離したつもりはなかったのですが、気が付くと木には数個の実が生っている状態に。
部屋は静かになりました。
「あれが、ゴーストアップル?」
「ですかね。ビートル食べちゃっていましたね?」
「うん。普通カブトムシの餌がリンゴだと思うけど、逆なんだねこのダンジョンでは」
「かもしれないですね」
静かになった部屋に入りたいような、入りたくない様な。
判断に少し困るところですが、いつまでもジーットしているわけにもいきません。
部屋に入って、先程のビートルの魔石を拾ってみます。
何か起こる可能性も考えて居たので一応木刀を右手に構えてみたのですが何も起こらず。
「リンゴに手を出さなければ、安全なのかな?」
「可能性は高いですね」
ここでも美味しそうなリンゴが生っているのですが触ることなく先に進むことに。
この部屋からは道は来た道以外に一本しかないので自動的に行く方向も決まります。
「あっちか」
「ええ」
通路に入ってすぐ、明らかに不自然と分る形でリンゴが生っていますが分かっている罠に誘われる程弱いわけでもなく。
リンゴを無視して通路を進むとすぐに部屋が。
その部屋にも階段は無く。
「おっ、アイテムがある」
落ちていたのはローブ。
それを拾ってリュックへ入れます。
そして、部屋の半分に落ちてあったのは無数のリンゴ。
今までと違うのは木に生っておらず、地面にリンゴが無数に置いてあります。
「リンゴも落ちているね」
「罠ですかね?」
「いや、普通に落ちて……あっ」
精霊の言葉の通りで無数に落ちているリンゴの中一つだけ赤く罠と同じ色をしているモノが見えます。
「その三個先のリンゴは罠かも。罠と一緒の赤が見える」
「ほほぅ。どうします?」
「やってみる?」
「逃げてばかりも嫌ですものね」
「うん」
木刀を腰から引き抜いて、罠の色が付いているリンゴに向かってスイカ割りの要領で上段からの振り下しの一撃。
もし当たらなかったらすぐに魔法を纏ってと思っていたのですがしっかり当たり、その一撃でどうやら倒せた様子。
煙になって魔石を落とし、ついでに緑のビンも落とします。
「おお?倒せたみたいだね?っていうか罠だね」
無数に落ちていたリンゴは全て煙になって消えてしまいます。
落ちている魔石とビンを拾って、ビンは緑色だったのでサイドポケットへ。
「そろそろ階段が恋しいです」
精霊が少しだけ疲れているのか弱音の様なモノを吐きます。
「部屋も回っているし次辺りはあるんじゃない?」
「だといいのですが……」
「で、本音は?」
「そろそろおいしいご飯が食べたいです」
「……まぁ、そうだね」
この部屋からは三本ほど道が伸びているので少し迷う所。
折角なのでこういう時はうちの天然レーダーにお願いをしてみましょう。
「階段への道分からないから選んでくれる?」
「ええ」
犬であれば鼻をスンスンとさせる感じでしょうか?精霊はふわりと浮いたまま三本の道の前へ行くと一本の道を選んだ様子。
「雅、この道がイイかと」
「オッケー。行こうか」
二十六階の探索も結構進んできました。
今回も読んでいただきありがとうございます
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改めてありがとうございます
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