★ダンジョン58
階段に入ってすぐなのに震えが止まらず。
一分少々体が小刻みに震えていたのですが、それも次第に落ち着いて。
「落ち着きましたか?」
「え、あ、うん。震えも止まったかな」
精霊の優しい声に応対できるぐらいには落ち着きも取り戻せた様子。
「スネークじゃないよねアレ?」
「ええ。多分あれもコドモドラゴンですね」
「あー、そうか……」
ドラゴンのイメージは西洋の翼があるタイプと東洋の翼のないタイプ。
最初に見たのは西洋タイプでさっきのもう一匹は東洋タイプだったのでしょう。
それにしても動けなくなるのは完全に想定外。
思い出すだけでも怖くなります。
「あの動けなくなったのって何だかわかる?」
「多分、威圧攻撃かと」
「威圧攻撃?」
「ええ。ドラゴン特有のオーラを全身から発する攻撃というか威嚇というかそういう行動がありまして」
「あー、じゃあその威圧にあてられて動けなかったわけか」
「その通りです。雅のレベルも上がっているとは思うのですが、あのコドモドラゴンの方が強かったという事ですね」
「その言い方だと、レベルが僕の方が上だったら効かなかったって事?」
「ええ、威圧ですからね。レベルが高ければ問題ないハズです」
「へー。そういうものなんだ」
安心しきったのかお腹がくーと小さく鳴ってしまいます。
「ぁはは。安心したらお腹がなっちゃった」
「私もお腹が減ってきていたので何か食べましょう?」
「じゃあ、グラノーラバーでいい?」
「勿論」
リュックからバーを取り出して口に入れるとちょっと甘くてサクサクのいい食感。
そのままの勢いで一本を食べ終ってしまったのですが余計お腹が減った感じ。
口の甘さを取りたいのもあってスポーツドリンクではなく水が欲しい感じなので自分でちょっと大きめのウォーターボールを作ってそれをコップで掬います。
「あ、私も飲みますー」
「はいはい。どうぞ」
水分補給をしたら次は干し肉。
ジャーキーだと少し辛すぎるので、口に入れてゆっくりと柔らかくするとじんわりと優しい味が口に広がります。
「んー、いいね」
「ですねぇ」
ゆっくりと食事をしたので気落ちしていた感じの気分も通常時と変わらない程度には戻ります。
「ふぅ、落ち着いてきたかも。後少しだよね?」
「ええ。あとは二十六階だけですね」
「階段を探して中に入るだけだね」
「ここも新しいモンスターが居ますよ」
「あー、見てからにしたいけど聞けるなら聞いてもイイ?」
多分問題はないハズですが、さっきの恐怖心を思い出してしまうと動けなくなってしまう可能性もゼロではないので生存率の為にも教えてもらう事に。
「次の二十六階層はビートル、スタッグビートル、ゴーストアップルとスライムが居るみたいです」
「あー、何となく想像はつくかも」
「そうなのです?」
「うん」
今言った三種類というかスライムを入れての四種類は何となく夏休みの思い出として思い出せる感じ。
カブトムシ、クワガタはそのまま結構手ごわそうなイメージで。その餌なのかな?ゴーストアップルは。そしてスライムは階層の掃除人というよりゴーストアップルと一緒で餌にされそうなイメージ。
「カブトムシやクワガタの餌ってリンゴとかゼリーだからその四種類って聞くと不思議な感じ」
「それでしたら、何となくモンスターの特徴も分かりますね?」
「うん。カブトムシは一本角の攻撃が怖そうで、クワガタはハサミ攻撃が危ない感じ?」
「その通りですね」
「ただ、ゴーストアップルに関しては全然わからないんだけど……強いの?」
「強さについてはあまり分かりませんが、それなりには強いと思いますよ?」
「そうなんだ」
「なまえもゴーストですから物理が効きづらいでしょうし」
「そうなると、今日みたいに魔力を多く使っている時にはきついかな」
「ですね。後は属性付き武器で攻撃するしかないですね」
「あー、それならさっきやったから出来るかも。まあ少し魔力は使うけど」
「ほほぅ?知らないうちにまた新しい事を」
そう言えば伝えていなかったかもしれないなと思います。
でも木刀に風を纏わせるだけで攻撃が通るのならば困らないかなとも思えます。
「スライムはいつも通りのスライムだよね?」
「のはずです」
それはちょっと怖いかなぁ。
それにしてもカブトムシとクワガタが居るのか。
ふと思い出すのはさっきの階層のキャタピラー。
「ねぇ、もしかしてさっきの階層のキャタピラーの進化先?」
「詳しくは知らないですね。ただ可能性としては低くないかと」
そう考えると種類の多かったキャタピラーも理由が分かります。
バタフライにモスそしてビートルにスタッグビートル。いい線いっているんじゃないかな?と思ったのですが、そうなると羽の色が全然違う個体が結構いた事も思い出します。
「いや、違うか」
「ん?どうかしましたか?」
「いや、なんでもない」
ちょっと色々と考えながらもモンスターの神秘を考えて居るうちに結構な時間が。
「よし、あと一階層食事も済んだしサクッと行こうか」
「ええ。抜かりなく行きましょう」
休憩もココまで。
リュックを背負って、木刀を触って確認をしてサイドポケットのビンも確認。
「よし、行こう」
階段を降りて、いざ二十六階。
気合を入れて頑張っていきましょう。
今回も読んでいただきありがとうございます
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改めてありがとうございます
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