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★ダンジョン53

 新しい部屋もやっぱり狭く、通路で敵を倒したのもあってか部屋の中にモンスターはいない様子。


「お、アイテム」


 そこに落ちていたのは盾。結構小さめで使い勝手は良さそうに見えますが、自分で使う予定はないモノ。

 それを拾って、リュックに仕舞い次の通路を確認。

 どうやら道は一本しかないので次は迷う事無く進めそうです。


 そのまま通路を進んでいくと次の部屋に。

 そしてそこには念願の階段が。


「やっと階段だ」


 幸いな事にここも部屋にモンスターはおらず。

 さっさと階段に入りたいところですが、そうもいかず。


「精霊を待つか」


 少し確認に行くと言って消えてからそれほど時間は経っていないのですが、何時も横に居る精霊が居ないので結構長い時間一人でいたように感じます。

 部屋はやはり結構狭く、階段がポツンとあるだけなので壁を背中にすればゆっくりできるのですが、どうやって時間を潰そうかと少し考えていると、モンスターが近づいてくる音。


「この音は、バタフライかな?」


 自分の使った通路とは別の通路からこちらに向かって移動してくる音。

 方向も分かっているので魔法を叩き込めば安全でしょう。

 すぐに想像するのは火の槍。部屋に入られて鱗粉を撒かれる方が嫌なのでサッサと倒す事に。


「ファイヤーランス」


 三本の火の槍が通路に向かって進み、そして静かに。


「倒せたのかな?」


 いつもは煙になって倒したことを確認しているので音が無くなっただけでは確証が持てないので通路の方へ移動。

 すると部屋から少し進んだ辺りに魔石が一つ。

 その魔石を拾って、部屋にすぐに戻ります。


 探索が終ってしまって一人で精霊を待っています。

 今までは探索をしていたので全然感じなかったのですが、精霊を待ってみると結構一人と言うのは寂しく感じるモノで。

 こっちのダンジョンはいつもすんなり入れる理由が少しだけ分かる様な気もします。


「まぁ、人と一緒が嫌な人も居るからそう考えるとよく考えられているのかな?」


 どういうシステムでソロ用と団体用が出来たのかは知りませんがちょっとだけ団体用もいいかなーと思ってしまったりしたのですが、やっと待っていた精霊が。


「雅ぁぁぁぁぁぁ」


 声が聞こえた後に目の前のポンッと精霊が現れます。


「おかえり」

「大丈夫でしたか?」

「うん。問題なかったと思うよ」

「それは良かったです。色々と話をしたいので……階段のある部屋で待ってくれていたのですね?」


 部屋を見回したようで、すぐそこに階段がある事に気が付いたみたい。


「結構探索しちゃったよ。別に良かったんだよね?」

「ええ。全然かまいません。ささ、階段に入って話をしましょう?」


 グイグイと珍しく背中を精霊が押してそのまま階段へ。


 いつもの様に数段降りてリュックを降ろして休憩をしましょう。

 そこに居るだけで安心感がここまで違うとは思っていなかったので、口には出しませんが結構嬉しい感じ。


「水分補給しようか」

「ええ。お願いします」


 先に水筒から一杯分飲んで、すぐにカップを精霊に。

 受け取るや否や凄い勢いでスポーツ飲料を飲み欲します。それはさながらお風呂上がりの牛乳を一気飲みする感じ。


「ぷはぁ。美味しいですぅ」

「お疲れ様?」

「ええ。バッチリと確認が取れましたから」

「確認がとれたんだ」

「ええ。あ、雅は骨のモンスターに遭いませんでしたか?」

「遭ったよ。結構強かったけどしっかり倒せたよ」

「遭ったのですか。その情報もお伝えしないといけないのですね」


 その情報もという事は本当に色々と話が聞けそうです。


「あ、ジャーキーを」

「はいはい」


 リュックからジャーキーを取り出して、お互い口に含むと精霊は少し噛んですぐに飲み干したようで、喉を整えた様子。


「今クリアした二十四階ですが、色々と情報が間違っていました」

「あー、間違っていたんだ」

「ええ。蝶々型のモンスターはバタフライではなく、モスでした」


 バタフライではなく、モス。

 なるほど、蝶々ではなく蛾となれば鱗粉の種類が違う事も頷けます。


「蛾だったんだ」

「ええ。あと、バタフライにも眠りの鱗粉を撒くタイプもいるようだったので、幻覚が効かないからといって近づいて良いわけでもなさそうです」

「あー、それは大変だ……」


 蝶々や蛾となれば色々と羽の色が違ったことにも頷けます。

 色々と違ったという事は他にも何か違いがあったのかなと少し思って、すぐに思い当たるのはあの骨のモンスター。


「あの骨のモンスターも居るのにいない事になっていたのはそういう事?」

「ええ。あの骨のモンスターはローバリィオブボーンという強盗系のモンスターでして」

「強盗系モンスター?」

「はい。攻撃が当たると持っているモノが盗まれるのです」

「そういう事だったんだ。困るね?」

「ええ。ただ、一応レアエネミーの様で。絶対いるわけではないけれどたまに出て来るタイプのモンスターでして」

「なるほどね。ウォールゴーレムと仲が良くて部屋に盗んだものを蓄える訳か」

「あれ?なんで私のセリフを知っているのです?」


 その部屋のアイテムを頂いたのでというのをやはり精霊は見ていなかった様子。


「たまたまその部屋に入れたんだ。それでアイテムをごっそりいただいてね」


 リュックの中を見せる様に精霊の方に向けると嬉しそうな声で精霊が喜びます。


「なるほどぉ。がっぽりですね?」

「まぁ、ある意味がっぽりかな?」

「やりますねぇ」

「それほどでも?」


 二人で笑いあっていると、今までの疲れも何のその。

 もしかしてと予想していた新種や亜種ではなかったのは幸い。

 情報がある以上倒し方なども分かってくるはずなのでやっていけそう。


「あ、それと次の階なのですがちょっと大変そうです」

「大変そう?」


 精霊が大変というのはどういう感じなのでしょう?




今回も読んでいただきありがとうございます

目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです

誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません

改めてありがとうございます

毎日投稿頑張ります

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