★ダンジョン46
いつもであれば階段で少し休憩と言いたいところですが、大した戦闘もなく猫を撫でてゆっくりできたので、階段での休憩は無しでそのまま階段を降りきって、いざ新しい二十三階へ。
「あー、降りてから聞くのはミスったかもしれないけど何か新しいモンスター出るよね?」
「出ますね。スネークにバタフライそしてかなり厄介なウォールゴーレムとスライムですね」
「名前で何となく分かるのはありがたいけど、スネークって蛇だよね?」
「ええ。毒持ちで結構強いですね」
「毒持ちかぁ」
そんな話をしていると、なんというか少し後ろの方が明るい感じ。
不思議に思って振り返ってみるとサイドポケットが少し光っています。
「え?コレ、なに?」
「何でしょう?私も知りませんと言うか、光っていますね?」
精霊も知らない事が起こるのか。という少しビックリなところもありますが、光っているサイドポケットは緑の回復薬などが入っている所。
開けてみると、光が弱まったので多分何か起こったと思ってそのまま緑の回復薬を出してみます。
「こんなことあるの?」
「初めてです。でも、ちょっと助かった感じがしますね」
「まぁ、ねぇ」
サイドポケットに入っていた緑の回復薬らしきものだったところには二つほどラベルが付いています。そこに書かれているのは『解毒薬』の文字。
「拾っていたモノが解毒薬だったって事?」
「ですかね?親切にラベルが貼ってありますからね」
持って来た回復薬以外の緑のビンは三本あったのですが、二本に解毒薬の文字。
となると、残り一本は水か回復薬でしょうか?解毒薬が出たからと言って安心というわけではないのですが、嬉しい事には違いありません。
「あー、なるほど?」
いきなり精霊が声を出すので振り返ってみると、
「どうやら初回特典の様です。毒持ちの敵が居る階層に初めて入った時に該当のアイテムを持っていた場合に今回の様な事が起こるそうです」
「なんというか親切だね?」
「ですねぇ。でもこれで少しスネークが戦いやすくなりましたね」
「だねぇ」
階段を降りてまだ一歩も動いていないので安全なはずですが、蛇が居ると言われると結構怖く感じるモノで。一歩目がなかなか出にくい状況なのでついでとばかりにもう一つの質問を。
「バタフライは蝶々だよね?」
「ええ。幻覚の鱗粉をまき散らし、回避能力が高いので厄介です」
「ウォールゴーレムも厄介って言ってなかった?」
「ウォールゴーレムは道を塞いでくるので厄介なのです。それに物理攻撃が効きません」
「うわぁ……それは厄介だ」
何というか一気に難易度が上がった感じがしますが、その分楽しそうな感じも。
楽しそうと思えて来るとさっきまでの様に一歩目が出にくいとも言っていられなくなって、ヨシと一歩を踏み出すことに。
「二十三階もやっていくぞー」
「おー」
降り立った部屋は二十二階に比べると広いですが、今までよりは狭い部屋。
天井は高くなりましたが、端が見える程度には狭い部屋でなにも落ちておらず、敵もおらず。
どっちに進むか少しだけ悩んで、何となく右の通路へ。
進んでいくと通路の真ん中より少し端の所へ結構な大きさのスネークを発見。
「アレがスネークだよね?」
「です。情報はいります?」
「いや、とりあえず解毒薬もあるし戦ってみるかな」
幸いなことに今スネークの後ろを取っているので、多分アチラからは此方が見えていないはず。
木刀を腰から引き抜いて、正面に構えたのですが一撃で倒せるイメージは湧かず。
倒せる可能性を少し考慮してみると、突きの方が良さそうなので下段の突きをイメージして構えてみます。
「イケるか……微妙か……」
呼吸を整えている間にもスネークも先へ動きます。すり足で逃げられない様に追いつきながら、イケると思ったところで一気交戦に入ります。
狙いは頭で突きの一撃で倒したかったのですが、そう簡単にやはり行かず。
しっかりと一撃は当てられましたが、少し怯むばかりで倒せるには至らず。攻撃に反応してこちらを認識したようで牙をむき出しに、シャーと威嚇してきます。
次第にスネークはとぐろを巻いていつとびかかってきてもおかしくない感じ。
この状態で突きは避けられそうなので、構えは普通の中段に。
縦に木刀を振り下ろして何とか頭を狙ってみますが、相手もそれを嫌がって避けてきます。それでも何度か攻撃は当っているのですが、簡単に倒せません。
「来ますっ!」
精霊が言うと口を大きく開けた状態でとぐろを発射台の様に使ってバネの要領で一気にスネークが迫ってきます。
いつか来るだろうと構えていたつもりでしたがそれ以上の速さで迫って来たのでつい、左腕を盾のようにさしだしてしまいます。
ガブリ
しっかりと噛みつかれた感じが分かります。
「つぅぅ……」
ただ、やられっぱなしのつもりもないのでそのまま噛みついた頭を自分の手を叩くような形で木刀の柄で三発叩くとスネークの噛みつきの威力も無くなって煙になって魔石を落とします。
「雅っ、すぐに解毒薬を」
「うん」
毒になっているかどうかなど分からないといいたいところですが、自分が思っていた毒とは結構違い過ぎて不思議な感じ。
噛みつかれた所が熱を持ったり、心臓が早鐘を打ったり、なんというかそういう怖いものを想像していたのですが、そういったことは一切なく。
頭の上に吹き出しが付いて毒になったとわかるようなマークがつきました。
「コレが毒?」
「ですね」
「もしかして、罠の毒も同じかな?」
「毒の効果は一緒ですね。因みにですけど、体力がどんどん減って最終的には死んでしまいます」
「おおぅ、早く解毒剤を飲もう」
焦ってもあまり変わりありませんが、急いで解毒剤を飲みます。
解毒剤はブドウジュースで結構濃い感じ。
解毒剤ではなくジュースとして飲んでも美味しいものでした。
今回も読んでいただきありがとうございます
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誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません
改めてありがとうございます
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