★ダンジョン44
通路の脇に居るダストボックス。
このまま通れば、問題はなさそうですが後ろを見せると攻撃をしてくる可能性は高いので、ちょっと悩ましい所。
「とりあえず、戦ってみようか」
「それでしたら、弱点は内側です」
「だろうねぇ。中身を出す方法とかある?」
「衝撃などが与えられれば出て来るでしょうね。あとは攻撃をする時ですかね」
「となると、カウンターかぁ」
戦う予定を立てたのでまずは木刀を構えて正面に立ってみます。
自分では気が付きませんが、中々それは面白い構図で。というのも、木刀を持った人間がゴミ箱に正対していて、人間は結構構えている感じ。
現実世界でこんな状況はあまり見ませんが、海外だと小熊やワニがゴミ箱に入った時にこんな感じになる様な気がしますが、まあ珍しいに越したことはなく。
「さて、どうするか……」
木刀を持ったままにじり寄りますが、反応は無く。
軽く木刀で小突いてみますが、反応はありません。
「防御力結構高いの?」
「そうですね。物理的には凄く強いと思いますよ」
「あー、もしかして?」
タートルと似ているという事は、何となく思い浮かぶものが。
一歩下がって、いつもの様に風を想像。
木刀に風を纏わせて、横薙ぎの一閃
「風っ」
風の刃が木刀の先から出て行きダストボックスにしっかりと当たります。
しかし、しっかりと当たるだけ。魔法が弾けてなくなります。
「魔法にも強いか……」
「みたいですね。魔法にそれほど強いとはなっていないはずなのですが……」
「え?そうなの?」
「ええ。物理に強い敵は魔法に弱い事が多いので、今回もそういうモンスターかと思ったのですが、違うようですね」
ソレは自分も思ったところ。
タートルも魔法には弱かったので、今回もイケると思っていたのですが当たりが外れてしまった感じ。
「このモンスターはかなり素早いの?」
「ええ。トラップチェストと変わらないぐらいには強いハズです」
「だと、危ないかもしれないけど……一応もう一つ手が無い事は無いかなぁ」
「何か思いつきましたか」
一つ思い付いた攻略法が。
それを精霊に説明すると、イケそうとの事。
早速やってみるとしましょう。
「身体強化っ!」
全身に魔力を巡らせて、身体強化を発動します。
そして正対している状態からスッと後ろを向くと、一瞬ガタッとダストボックスが反応します。
すぐに後ろを向いたのですが、しっかりと閉じた状態。
もう一度背中を向けて、距離を二歩、三歩と離れると蓋が上にポーンと飛び中から黒い影のようなモンスターが両手を広げて噛みつくような形で襲ってきます。
「来ましたっ!!」
精霊の言葉にすぐに反応してクルリと反転。
ダストボックスの中身は噛みつこうとしたままこちらへ襲ってくるのですが振り返って来たことにビックリしている目。ですが、目だけで攻撃を止めてくれる事は無く。
こちらも振り返りながらその勢いを利用して、木刀の回転切り。というか横薙ぎでしょうか。
右手で持った木刀をそのまま回転の勢いで振りぬくと良い位置にダストボックスの黒い影。
しっかりと一撃がヒットしたようで、その痛みに耐えきれなかったのかすぐに上に飛ばしていた蓋を掴むと引きこもる様にバタンと蓋を閉じてしまいます。
「おお、しっかり当てられたね」
「中々素早いのにしっかりと対応できていましたね」
「うんうん。こいつ結構体力あるの?」
「ええ。何回もやらないと倒せないでしょうね」
「それは中々厳しそうだね」
同じことを何度も繰り返せば学習されそうな気もしますが、そこはやはりモンスターなのか学習能力は低い様子。
精霊に手伝ってもらって、同じことを五回ほど繰り返すと倒せたようで、ダストボックスは煙になって魔石を落とします。
そしてついでとばかりに緑のビンも落としました。
「アイテムも落とした?それともあった?」
「いえ、アイテムを落としたみたいですね。通路にアイテムが落ちていることはありませんから、それは確実です」
「あー、なるほど。そう言えばここ通路だったね」
「そうですよ」
拾った緑のビンと魔石はいつもより少し大きめなので小の魔石でしょうか。
両方をリュックに仕舞って、木刀を戻すと一段落。
「結構強いね?今のモンスター」
「通常であればもう少し武器を強いモノにしているのでそこまでダメージが低いという事は無いと思いますけどね」
「あー、そう言えば武器が木刀のままか」
手になじみがいいので、変える予定もつもりも無かったのですが、言われてみれば命のやり取りをしているのにいつまでも初期の武器のままというのも危ない可能性があるわけで。
「刀が落ちていたりするといいんですけどね」
「そうだねぇ。まあ武器の話はおいおいという事で先に進もう」
「ですね。すぐそこが次の部屋です」
「うん」
通路のダストボックスを倒して次の部屋へ入ったのですが、今度はまたよくわからないモンスターが沢山いる感じ。
コレは、モンスターハウスでしょうか?
「あれ、モンスター?」
「ですよ。看板型モンスターなので安全ですけど」
「安全なの?」
「攻撃しなければ攻撃してきませんから」
「あー、それは安全?」
そこも今までと同じく狭い部屋なのですが、所謂お店の看板(床置き)がかなり羅列されています。
「看板にしか見えないけど……」
「そう言うモンスターです」
「因みにあそこの二股の尻尾の猫は?」
「あれもモンスターです。結構強いですけどあのモンスターも攻撃しなければ攻撃してきません」
「じゃあ、ここはモンスターハウスだけど、モンスターハウスじゃないって事?」
「ですね。ただ、よーく見るとわかると思いますが、ダストボックスも居るので背中を見せるとガブリといかれます」
「結構こわいね」
安全なモンスターハウスに入ってしまった模様。
さて、どうしましょうかね……。
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