ワンタンメン
約半年間、無事続けられました。
いつも読んでいただきありがとうございますm(__)m
年始はすぐにダンジョンに突入するので料理回は少し離れますがストックはまだあるみたいなので安心(?)して続きを楽しんでいただければと思います。
お客さんも満足して帰って、自分のお昼を済ませたら今日は予告通りギルドに足を運ぶとしましょう。
聞きたい事はダンジョンの事。
考えてみればこっちの世界に来てまだ二ヵ月。
慣れた気になってはいても、やはり異世界で。
でもなにも選ばなかった結果がここだとするなら、選ばないという選択を選んだ自分を今は少し褒めてあげたい気分。
と、何故か少し変な気分ですが多分それはお腹いっぱい食べたい物を食べたから。
「雅はコレからギルドですか?」
「うん。行ってくるよ」
「私は私で色々と好きに動きますね。えーっと、早めに夕飯はお願いしたいです」
「今はまだお昼終ったばかりだからね?」
「でも、食べたいです」
変な気分もどこへやら。
精霊の食欲に助けられているような、そうでもないような。
今日は別行動なので一人北のギルドへ行くとしましょう。
北のギルド周りは今日も賑やかで。ダンジョンにコレからはいる人や帰ってきた人もパラパラいる感じ。
少しキョロキョロとしていると、声を掛けてくれたのはギルドマスター。
「おう、どうした?」
「あっ、丁度探していたのです」
「そうなのか?」
お目当ての人が声を掛けてくれた感じで助かるばかり。
「ダンジョンについての色々を聞きたいと思っていまして、相談をしたかったのです」
「ダンジョンの色々?」
「ええ。例えば何階にはどんなモンスターが居るとか、こういうモンスターは危ないとか」
「なるほどな。それだとこっちだな」
そういって連れていかれたのは一階のあまり人がいない場所。
メインのカウンターの隣なのですが、椅子があって本がそこそこ置いてある場所です。
「ここに資料が置いてある。好きに使って大丈夫だ」
「わかりました」
返事をしてみたモノの、中々困った感じ。
ソロ用の棚は一つで残りの棚が大人数用で、とりあえず一冊手に取ってみたのですが階層分けされているような記述は無く、簡単なモンスター情報がかかれているだけ。
流石にこれではちょっと困りそうだったので、もう一度声を掛けて確認をしてみます。
「資料としてはちょっと内容が薄いのですが、詳しいものってないんです?」
「それはこっちとしても思っている事なのだが、ソロ用は趣味人が多くてな。情報提供が少ないんだよ。一応何が出るだとか、簡単な対処法は記述しているがその為だけで職員に潜らせるわけにもいかないからな」
「あー、なるほど。ちらっと一冊見せてもらったのですが、十一階より下は殆ど情報なしと変わりないですよね?」
「まぁな。十一階まで行けたという実績で大体大人数のダンジョン攻略チームに皆はいるからな」
あー、そういえばそんな話を聞いたことがあるような無いような。
僕には精霊が居るのでソロダンジョンも一人であって一人じゃなく楽しめていますが、一人でひたすらモンスターと戦い続けるのは大変なのも分からないわけでもなく。
「じゃあ、情報はあまりないって事ですね」
「すまないがな。あとは大人数用で情報を仕入れる方法もあるが、湧き方や対処の仕方が全然違うからあまり参考にはならんかもしれん」
それはその通りでしょう。
前衛がしっかり守って後衛が遠距離から倒せと書いてあっても一人でそれは出来ません。
そうなるとそこまで情報が手に入らないでしょう。
「因みに情報提供はした方がいいのですか?」
「情報提供は本音を言えば嬉しい所だが、確認作業をして確認が取れてからそういう形になっていくから、今は確認作業を出来る人間が少ないから難しい所だな」
「そうですか」
「いや、折角色々と気にして貰っているのにすまないな」
「いえいえ。自分の為にも言っているだけですから」
「皆がそういう風になってくれればいいんだがなぁ」
苦笑いを浮かべながらギルドマスターは別の人に呼ばれたようで片手をあげて去っていきます。
会釈をしてもう一度本を開いてみるのですが、あまりに情報は少なく。
コレを見て思ったのが精霊はどういう方法で情報収集をしてくれているのかという事。
ここで情報収集はできないはずで、そうなると本当に独自の技術なのでしょうか?
「精霊は精霊でやっぱり凄いんだな……」
精霊には聞かせられませんが、精霊の凄さの片鱗を見た気がします。
そんな感じで精霊を思い浮かべてしまうと、ついでにとばかりに思い浮かぶのは精霊の口癖の様なさっきも言っていた一言。
『お夕飯は何でしょう?』
それが浮かんでしまって、フッと口元には笑みが。
ギルドでの情報収集はなかなか難しいようなのでこれからも精霊頼りになりそう。
その精霊のご機嫌を伺わないといけない気もします。
手に取っていた本を棚に戻して、ギルドを後に家路へ。
何を作ろうかまだ全然決まっていないのですが家に向かう足は軽く。
何にも浮かばないなりに、なにかいいモノは無いかなと考えてみると一つ良さそうなものが。
家に着いて、手を洗って。
まだ夕方より少し過ぎたぐらいなのですが、季節柄か外は結構暗くなってきています。
少し経つと、いつもとは逆で精霊の声。
「ただいまです」
「おかえり、精霊」
いつもは逆で精霊が声を掛けてくれるのですが、珍しくそう言えば自分が家に帰ってきた時に「ただいま」を言わなかったことを思い出します。
「先に帰っていたのですね。お夕飯は?」
「そろそろゆっくりと作ろうかと思っていたところ」
「今日は結構頑張ったので、お願いしますよ」
「何をしていたのか気になるところだけど、まあお疲れ様?」
「ふふん、ギルドに行ったのでしたら私が頑張っている事が分かったでしょう?」
「あー、うん。どういう方法か知りたいぐらいだけど、情報収集いつもありがとう」
「分かってもらえればいいのです。それよりも夕飯を」
精霊はやっぱりいつも通り精霊で。
作ろうと思った夕飯をサクッと作るとしましょうか。
お客さんに出すわけではないのでかなり手抜きだけど、ちょっと手間をかけた一品を作ることに。
必要なのはワンタン皮と鶏のひき肉。
ワンタンの皮を敷いて、真ん中にスプーン一杯分の鶏のひき肉を置くだけであとはお水を付けて半分に畳むだけ。
二人分だけど量は沢山つくって、コレを後で茹でるだけ。
そしてスープを作るのは面倒なので使うのは生ラーメン。
袋麺のタイプではなく、生麺とスープの素が三人分ワンパックで売っているようなタイプの味は醤油味のベーシックなモノ。
お湯を二つ沸かしている間にラーメンどんぶりにスープの素を入れて後はお湯を入れるだけの状態にして、先に作るのはワンタン。
お湯にワンタンをいれて温めるだけの簡単作業。しっかりと中の鶏肉に火が通ったら出来上がりと簡易ワンタンですがコレが今日の決め手でメイン。
ワンタンが茹で上がったら、ラーメンを作るだけ。袋に書いてある通りの時間でしっかり麺を茹でたら、スープの素にお湯を入れて出来立ての麺を入れて最後にワンタンをたっぷり乗っけたら今日の夕飯の出来上がり。
「精霊、できたよー」
「おぉぉ、今夜はラーメンですね」
「のんのん、コレはワンタンメン!」
「ワンタンメン?」
「まぁ、麺が伸びないうちに喋るのを止めて食べよう」
「はい、いただきます」
「いただきます」
麺料理なので喋るのは後。
出来立てをすぐに食べましょう。
自分で作るラーメンスープも美味しいですが、市販のモノも今はかなり美味しいのでやはりラーメンはスープから。
小さく一つ頷いて、箸でワンタンを一つ掴んでそのままつるり。
つるっと入るワンタンは醤油スープが絡んでいい味で。なによりたくさん乗っているので、少し減ってもまだまだ大丈夫な感じが嬉しい限り。
勿論麺も中々で、いい感じ。
ある程度食べて減ってきたら、ちょっと味の変化を楽しみたい気分。
「バター入れるけど、いる?」
「バターですか?」
「そそ。醤油バターもなかなかいいんだよ」
「では下さい」
コショウを入れるのもいいのですが、味噌ではない醤油もバターが実は合うモノで。
ちょっとバターの甘さと塩気が醤油に良い感じに合います。
「ワンタンメンおいしいですねぇ」
「味変化も楽しめた?」
「ええ。最高ですね」
「それは良かった」
市販のラーメンだけど、ちょっとした手間をかけてワンタンメンにしたのですが、中々いい夕飯に。
少しだけ僕の感謝がラーメンに込められたのが伝わったらいいなぁという夕飯でした。
今回も読んでいただきありがとうございます
目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです
誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません
改めてありがとうございます
毎日投稿頑張ります
どうぞ、良いお年をお迎えくださいm<__>m
来年もよろしくお願いします




