明太パスタ&明太チーズオムレツ
いつも通りの時間。十一時四十五分。
「こんにちは、いらっしゃい」
今日も七人のお客さんがやってきます。
「今日も頼むねー」
知り合いが軽く手を上げて席に向かうので案内を。
すぐにお絞りとお水をもって、席に届けます。
「ランチを七つ。今日もよろしくねー」
「はい、畏まりました」
厨房に戻ったら、一気に作業開始です。
マスターは自家製のパスタを作ることもありましたが、そこまではまだ僕にはできないので、乾麺のパスタを普通に茹でます。
たっぷり塩を入れた大きめの鍋にパスタを入れて、くっつかないように混ぜます。
たっぷりのお湯で茹でているのもあって、対流も起きてくっつきにくくなります。
その間にお皿に先程作った明太バターを乗せてメインの準備。
同時進行で野菜たっぷりのポトフが温まったら、後は器によそうだけまで準備をして、そこから探し物。
「刻みのりは、ここかな?」
刻みのりは準備がありましたが、大葉の準備がまだ。
少し硬い茎だけ落としたら、刻みのりと同じぐらいに千切りに。
これで準備はすべて完了。
後は一気にすべてを同時に仕上げていきます。
パスタは茹であがったら、水気を切ってそのままお皿に。パスタの熱で明太バターがイイ感じに溶けるので、スプーンとフォークの両手でさっくりと混ぜれば明太パスタの出来上がり。
この作業を一気に四回。
一気に七回やりたかったのですが、流石にそれだと冷めてしまうので二回に分けることに。
とりあえず終わったら、刻みのりと大葉を掛けてサーブします。
「お待たせしました、本日は明太パスタです。すぐに三人分もお持ちしますね」
戻って、同じ作業をして三人にもサーブをしたら次はポトフをよそって持っていきます。
「スープは野菜たっぷりのポトフです。サラダが無い分はこれで補充できる程度には野菜もたくさん入っているのでどうぞごゆっくり」
「「「「いただきます」」」」
厨房に戻ると一息。
後は皆さんの口に合っていればいいのですが、この待つ時間はいつもなんとももどかしい時間。
「おーい」
少し経つと声がかかるので、客席の方へ。
「どうですかね?」
「今日も美味しいよ。パスタも見た目以上にはさっぱりしているし、なによりスープが美味しいし。いう事なしだね」
「それは良かったです」
皆さん結構いい食欲のようで、殆どお皿は空っぽ。
「でね、今日も美味しいから追加で何か頼めないかなって」
「えぇと、皆さんの分ですかね?」
確認をすると、一様に頷きます。
「七人分ですね。お腹の減り具合は?」
「あまり溜まるものだときついかな。でも普通に一人前ならって感じだと思う」
中々量の難しい話。
あまり溜まらず、七人分。
待たせすぎることなく、すぐに出せるモノ。
「明太子のチーズオムレツにバケットでも付けるのはどうですかね?」
ふと浮かんだのはオムレツ。
卵はストックが常にあるうえ、明太子はまだ余っています。
「是非それを」
頷いて厨房に戻ると、いつもはいない精霊が。
「今日もまたおいしそうなものを作るつもりですね?」
「追加の注文だから、精霊の分は後でね」
「後で作ってくれるのであれば問題ありません。忘れないでくださいね」
それだけ言うとパッと消えてしまいます。
と、今は精霊に構っている暇はありません。
忘れそうなので先にバケットを一人二枚分切りそろえてからオムレツの準備を。
まずは明太子の皮に包丁を入れて中身を取り出して皮と分けます。皮は後で使うので置いておいて、中身をボウルに入れて、マヨネーズとそのままでも食べられるとろけるチーズを混ぜ合わせてオムレツの具材を作ったら、卵の準備とフライパンの準備。
卵は一人二個か三個。割ったらカラザを取って、白身を切って牛乳と一振りの塩を入れてしっかりと混ぜ合わせます。
フライパンは白い煙がでるほどに一度しっかりと温めて、サラダ油を敷いて卵を入れる前にバターを少し溶かして、卵を入れて菜箸で空気を含ませるように混ぜたら火から下して具材を真ん中に。
ぱっと包んだら、後は成型。
卵が緩い場合は少しだけ火に近づけてフチを固めれば明太チーズオムレツの出来上がり。
今できる最速は二つまでなので二つできた所で一度もっていきます。
「順番に出すので少しお待ちください」
二人分を先に出して、急ぎ厨房に戻ってもう二人分。
お皿に盛って、先に切っておいたバケットを添えて出していきます。
卵料理というのもあって、テンポよくパッと作れるのは楽です。
二人分ずつだったので最後は一人分。
「大変お待たせしました」
最後に出したのを受け取るのは知り合い。
「全然待ってないよ」
ナイフとフォークをオムレツ用に出したので、それを使って二つに割って食べる人や端から切って食べる人。
切ってすぐにバケットに乗せてサクサクのパンと一緒に頬張る人。
食べ方も色々でどれが正解という事もありません。
「チーズがとろけて、プチプチの明太子にとろとろの卵。最高だね」
「お口に合ってよかったです」
追加の一品も大丈夫だったようです。
「いつも大満足だよ。昨日なんてあれからそこの二人がゴネて、大変だったぐらいだよ?」
「そりゃあ当たり前だろう?こんなおいしいお店をすぐに誘わなかったのだから」
「そうよ?別に大した事があったわけじゃないのに。寧ろ私たち二人が先でそこの四人は後で良かったんじゃないの?」
食べ終わったのもあってか、他の四人もみんな一気に賑わいます。
「こんな感じでね。まぁ、大満足には変わりないね?」
知り合いが見まわすと皆さん頷いてくれるところを見るとその辺りは忖度なしで大丈夫そうです。
とりあえず今日もなんとか切り抜けられたのかな?
少しだけ肩の力が抜けそうです。
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