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★ダンジョン33

 十七階に入ってすぐ、キョロキョロと当たりを見回してそう言えばと精霊に確認をしてみることに。


「ねえ、精霊?もしかしてダンジョンのマップって毎回違うよね?」


 そう、何となく気が付いていた様な気はするのですが聞くのを忘れていたので確認してみます。と言うのも十六階の階段に降りてから歩いているルートが記憶とはかなり違った気がしたから。


「ええ。詳しくは知りませんが所謂ランダムダンジョンだと聞いています」

「ランダムダンジョンかぁ」

「なのでマップをとっても役立つことは少ないですね」

「だよねぇ」


 前回と同じマップをただ歩くだけだと思うと何となくの記憶を頼りに動きたいところですが、こうなってくると話は別。

 今回の十七階のダンジョン探索も前回と全く違うという事が分かります。


「ただ、出る敵は一緒ですからそこはありがたいですね」

「そういう事ね。っと、コレは敵の音かな?」


 前の階と一緒でクロウの羽の音が聞こえてくるので、どうするかを精霊とすぐに決めることに。


「とりあえず、さっき決めた通り十九階まではどんどん階段を探して降りるでいい?」

「ええ。さっきの様に落ちているアイテムも拾えたら拾う方向でいいのでは?」

「だね。前の方からクロウの羽の音が聞こえているから、反対方向に行こうか」


 出会わなければ倒す必要も無いので通路を抜けて次の部屋に。

 パッと見る感じにアイテムはなさそうで、敵は部屋に一体程。こちらを見つけたようですが、この階に居るのはウォーキングパーム。距離が離れていれば素早くは此方に寄ってくる事も無いので素通りも楽。

 そのまま敵の攻撃が届かない位置を抜けて次の部屋への通路を見つけたのでさっさと次へ。


「通路にこいつがいるのは本当に邪魔だなぁ」

「仕方ないです」


 どうにも運が悪いだけなのか、部屋で敵を倒さないときに限って通路に敵が。それは先程無視したばかりの別個体。通路の真ん中に居たのはウォーキングパーム。

 両手の位置の蔦を鞭のようにしならせてやる気はかなりある様子。

 ただこちらとしては通りたいだけなのです。


「ぱぱっといけるかな」


 前回は魔力温存の必要もあったので、接近戦で戦いましたが今回は体力も魔力もたんまり。わざわざ危険を冒す必要も無いので、近づかずに遠距離で。

 腰から木刀を抜いて、頭の中でいつもの様に風刃を想像して木刀にそれを纏わせて、後は綺麗に放つだけ。


「風っ」


 横薙ぎに一閃。木刀から風の刃が敵に向かって一直線。

 ウォーキングパームは動きが鈍いのでそれを避けることなく横に真っ二つ。そして煙を出して魔石を落とします。

 それをパッと拾って次の部屋へ。


「階段見っけ」

「サックサクですね」

「だね」


 部屋には二匹のタートルが居たのですが、首を引っ込めて防御姿勢だったので階段へ。

 サクサクすぎたので休憩が必要かと言われると微妙なのですが、一応二回目の階段なので少しだけ休むとしましょう。


「飲み物飲むけど、いる?」

「下さい。後今は干し肉な気分です」

「干し肉の気分ね。わかったよ」


 自分としては甘い物かな?と思っていたのですが、精霊に合わせることに。


「んー、本当にこのスポーツドリンク美味しいですね」

「だねぇ。思っていたよりもサクサクだね?」

「ですねぇ。そういえば今日はおにぎりを用意していましたが、アレはいつごろの予定です?」

「もう少し疲れてからの方がいいんじゃない?」

「ですかね。はむはむ、干し肉も悪くないです」

「ちょっと塩辛くない?」

「じんわりとしたこの味がなんというかダンジョン味?みたいな感じでここでしか食べられない感じがちょっと特別な感じで好きなんですよ」


 そこでしか味わえない味というのは何処であってもいいモノで。なるほど、ダンジョンでしか食べないから干し肉もダンジョン味という表現は中々上手い表現なきがします。


「干し肉で満足しているようだからジャーキーは作らなくて良さそうだね」


 ぽろっとそうこぼすと、


「それはそれ、コレはこれです。今度はジャーキーが欲しいです」

「ダンジョン味じゃないけど?」

「じゃなくても食べたいです」

「わかったよ。今度作ろうか」

「楽しみです」


 そんな感じで休憩も終わり。そして、今までと違ったのはここからで今までだともう一度結びなおしてや用意に少し時間がかかりましたが、リュックなのでそういう事も無く。

 ぱぱっと片づけて背負いなおせば終わり。


「リュック買ってよかった」

「それは良かったですね」

「さて、次の階はえーっと……」

「エコーバットが居るのでちょっと気をつけないとですね」

「あー、あの階か」


 前回はこの階層でタートルにトラップを使って倒せたのを思い出します。

 ここまでと一緒で一応次の階もさっさと通り過ぎたいのですが、エコーバットは多分倒さないと危ない予感。


「安全第一で行こう」

「それがいいと思います」


 階段を下り切って十八階へ。

 ピチャンピチャンとコレはスライムの音でしょうか。

 視線を向けると、壁を這っているスライム。どうやらダンジョンの修理でしょうか?ちょっとそれを微笑ましく見ながら通路をどれにするか選んだ一本の道へ。

 今回は運よく?なのか通路で敵に遭う事は無く次の部屋が見つかったのですが、そこは逆に運悪くモンスターハウスの様相。

 タートルとスクワラルが数匹とエコーバットが居て、この部屋はスルーしたい気分なのですが視線の最後にちらりと見えたのは階段のように見える地面。


「こんなことある?」

「どうでしょう?無いとは言い切れませんが」

「だよねぇ。多分階段だと思うけど違ったらただ倒しただけか……」


 範囲魔法でサクッとやれる気もしますし、タートルに魔法が何処まで効くかも知りたい所。心を決めて、とりあえずやってみましょうか。


「階段だったら遠回りするのが面倒だからとりあえずやろう」

「では、後ろをしっかり確認しておきますね」

「頼むね。とりあえずは範囲魔法かなぁ」


 頭で想像するのは一番厄介なエコーバットを先にどうにかしたいのでそうなると必然的に思いつくのは「つむじ風」で、魔法を一つ放り込んで見ることに。

 どこまで引き込めるかは分かりませんが、出来るだけ強力な方がいいので威力は強めで、想像をしっかりと。


「つむじ風っ!!」


 モンスターハウスに魔法を放り込んで、今回のダンジョンでのしっかりとした戦闘が始まりました。





今回も読んでいただきありがとうございます

目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです

誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません

改めてありがとうございます

毎日投稿頑張ります

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― 新着の感想 ―
[一言] ダンジョン味、良いですね! そういう空気、楽しいです!
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