ぼっかけ
追加料理一つでとりあえず皆さんも落ち着いてくれて、あの後はゆっくりと出来る事に。
まあ、うちの二人が食べていないモノが出たからと自分達の分を催促してきて、いつもよりも遅い時間まで二人の分を追加で作る事になり、この味だったら……と精霊が言って来たのは豚肉のから揚げ。
食べなくてもなんとなく「あっ」と、察する事が皆さんも出来る気がしますが、要は酢豚みたいなものを欲した形に。
そんな感じに追加の揚げ物を作ってみると、あれこれとしているだけでも結構時間は過ぎるモノで。
気が付けばいつものような時間の午後で、今日もなんとなくあれこれとやりたい気分はなくなっていたのですが、そうなってくると一週間ずっと家に籠っていたような感じだと気が付き、慌てて木刀づくりでいいから門の外へと行くことに。
でもって、じゃあうちの二人はついて来るのかな?って話になるわけですが、二人はいつも通りの忙しさもあるのか、着いてこず。
一人いつもの場所でせっせと魔法を使いながら、木刀を量産し、さらに磨き、とかなり静かな一人でゆっくりな時間を過ごすことに。
ただ、家に帰ればいつも通りに二人が夕飯をせがんでくることは間違いなくて、何か良さそうな一品……もしくは、アレンジが効きやすそうな料理でも作りたいと思っていると、パッと浮かぶものが一つ。
「あれ、つくってみるか。でもって、アレを作るなら……大量に、それで明日は……うん、ストックのフレークとかグラノーラバーとか、干し肉とか作るか」
毎日のように食べているフレーク、グラノーラなどは定期的に時間がある時作るようにしているのですが、作るスピードは魔法を使う用になってから飛躍的に早くなっているので、最初の頃はフレークだけだったものが、グラノーラも同時進行で出来るようになり、今ではグラノーラバーも一緒に。
そして、二人の手伝いを足せば干し肉やジャーキーまで作れるぐらいには成長したのですが、平日の午後のちょっとした時間で作るようにしていて、作った後に食べてみたり、ついつい甘い香りでつまみ食いなどをしてみたり。
そんな形で作っているので、夕飯が必要を感じなくなるようなことが多かったのですが、土日をつかって作る事はしていなかったので、ちょっとだけ規模は大きめ。
「甘い香りに負けない料理で、汎用性が高くて……だと、やっぱり、うん」
圧力鍋を使えばパパっと作れるわけですが、量を作るのでじっくり時間をかけて今日は作る事に。
作るものが決まったら、後は木刀などを片付けて家へと帰るわけですが、家に帰ると二人共もう帰って来ていて、何か作ってという顔。
「今からだと時間がかかるけど、どうする?」
「パパっと出来る……何か一品をお願い出来たりはしませんか?」
「まあ、作れと言われれば作るけど……」
「待てば、待つほどにいいモノが出て来ると?」
「まあ、待ってくれるなら……うん」
「究極の二択……待つべきか、待たざるべきか……」
いや、タマエ?そこまで命を懸ける様な二択じゃないんだよ?
なんというか、精霊もタマエも鬼気迫る勢いで眉間にしわを寄せながら考えています。
「待てば待つほど美味しくなりますよね?」
「……まぁ、多分?」
「では、私は待ちます!」
「先輩が待つなら、私も待ちます!!」
二人共待ってくれるという事なので、早速料理を作るとしましょう。
使う材料はシンプルなので二つだけ。
牛すじとこんにゃくの二つだけ。
作る時に大事なのはいかに牛すじの臭みを取り除くか。
その為、作業自体は単純でもしっかりと気を抜かずに丁寧に仕事をする必要が。
まあ、二人の為にも圧力鍋で今夜分だけ先に作るのもいい気がしたので、一時間もあれば今夜分はできるハズ。
牛すじ肉は水に入れて、一度しっかりと沸騰させて軽く牛すじに火を通しつつ、かなりの量のアクがでるので一度沸騰させたらそのままザルにあげてアクと汚れを奇麗に一度取り除きます。
同時進行でこんにゃくを手でちぎるかスプーンなどで一口大にしてあげて、一度こんにゃくも臭みを気にする場合は湯通しをして軽く匂いを取ってあげましょう。
後は牛すじをしっかりと煮込んで柔らかくするわけですが、じっくりと煮込む時は生姜のスライス、ネギの青い部分と一緒に最初と一緒で水からしっかりと沸騰させて、コトコトと煮込めばオッケー。
時間としては一時間ぐらい煮込むわけですが、一定の量だけとりあえずそこから取り出して……、圧力鍋を用意します。
圧力鍋にまだ柔らかくなり切っていない牛すじ肉を入れるわけですが、ここに一緒にこんにゃくも入れて、牛すじ肉は食べやすい一口大の大きさにカットします。
水、醤油、酒、みりん、ちょっとだけ隠し味で砂糖やハチミツを入れて、肉を柔らかくしている生姜のスライスとネギの青い部分も一緒に入れて、後は圧力をかけながら二十分少々火を通してあげれば、出来上がり。
コトコト煮込んで牛すじが柔らかくなった後は圧力鍋に入れたのと同じ調味料で同じように煮込んであげれば、通常の方も出来上がるわけですが、煮込んで柔らかくなった牛すじは何とも言えない美味しさで。
「牛すじ煮込み……ですか?」
「まあ、名前で言うとそう言う感じだけど、一応あえて言うなら、ぼっかけかな」
「ぼっかけ?」
「そそ。これがあれば、明日はアレもコレも何でもオッケーって感じだよ」
「ほうほう?」
ただの酒のおつまみって感じですが、ぼっかけはアレンジしてあげると更に美味しくなります。
あれもこれも色々と明日は楽しみましょうか。
おいしいですよねぇ。牛すじ。
調理名で言うとぼっかけですが、日本中色々な場所で色々な名前でこのすじ煮込みは重宝されています。
あえて今回は……ね。色々と数日コレで引っ張るつもりです(笑)
美味しいから仕方ない……って、思ってくれませんかねー?(笑)
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