牛餅丼
「ふぅぅ。今日はちょっとお腹が痛くなりましたが……完全復活です!!」
「やっと、お腹痛いのがおわった。うぅ、食べ過ぎたつもりなかったんだけどなぁ」
ガチャリと音を立ててお手洗いから出て来るうちの二人。
念の為と洗い場でもう一度奇麗に手を洗って、厨房へ来るわけですがいつもとは違いすぎる厨房の違和感を覚え、キョロキョロとし始めます。
「料理が、一つ、二つ……三つ、四つ?」
「なんというか纏まりが無いというか……優しそうなモノが比較的多めですが、昨日食べたような……ポテトの一品もありますね?」
ちょっと変だなー?みたいな顔の二人でしたが、先にこういう時に気が付くのは精霊。
「ちょ!?」
「どうしました、先輩?」
「時間が」
「時間?……え?っと、お手洗いに入った時間から二時間ぐらいでは?」
「その時間に、こんなにご飯が出来ている事、無いハズでしょう?」
「あ!!」
二人がいつ頃にお手洗いに入ったのか知りませんでしたが、てっぺんはどうやら超えていたみたいで。
「と、いう事は?」
ギギギギって音でもなりそうなぐらい、錆びついているような滑らかさの一切ない動きで首がこちらに向いてきます。
「雅?」
「ご主人!」
「「ごめんなさい」」
頭を下げる二人はいつもとはちょっとだけ違う、真面目がペタリと張り付けられたような態度。
「ランチは無事、終わっているから問題ないよ。で、今日のランチ分とランチの後に追加で作ってって言われた、チーズポテト、更に追加でお酒のお供にってさっき作ったトマトと鳥肉の治部煮ね」
言いながら、自分も白ワインをクイっと飲み、怒っていない事をアピール。
それをにこやかな顔でがーさんも見ながら、同じく治部煮のトマトをぱくりと一口。
「ンまいね」
「それはよかったです」
その様子を見た二人は、ホッとしたのか少しだけいつもの空気に戻りますが、反省の気持ちはあるみたいで、まごまごした感じ。
「とりあえず、ランチを食べて、追加のも食べて……って、寝起き?というかお手洗い終わりだけど、食べられる?」
「「食べられます」」
そういうところはブレない二人。
大きく頷くと、早速食べ始めますがいつものようなガツガツした勢いは流石になりをひそめている様子。
「お手洗いで寝ちゃうのは想定していなくてね?反省させる意味もあったけど、予想外でさ」
「なるほど、がーさんのせいという事ですね?」
「いやいや、食べ過ぎた君達が一番悪いでしょ?」
「でも、ガーリックポテト……美味しかったですから」
いやいや、美味しかったからって食べ過ぎていいわけないんだけど……。
と、いつもだと思うハズですがお酒が入っているのか仕方ないかなって程度の気持ち。
「ま、次は気を付けて?」
その程度でお説教にもならない話は終わり、お酒も楽しみながらのゆったりな午後を過ごしたわけですが、何故かうちに一緒にいるのはお昼から一緒のがーさん。
「うまうまだよねー」
「ですよねーって、今日はお仕事戻らなくて大丈夫だったんです?」
「どうだろう?まあ、理由として十分なお手洗いの修理があったからねー」
「まあ、大丈夫なんでしたらいいですけど」
あの後のうちの二人は静かなもので、反省中なのか何も言わずにあるものをパクパクと……気が付けば、殆どの食べ物は二人の胃の中へ。
「反省、しているんですかね?」
「まあ、しょげているっぽくはみえるから、いいんじゃない?」
別に二人に対して何も思っていないというわけではないのですが、基本的に大人として扱っているので、ある程度の事は自己責任と二人に責任を持ってもらっているつもりなので、なにも自分としては言う事は無い訳で。
「じゃ、そろそろシメ、頼める?」
「シメって、鍋じゃないんですから……」
「えっとねー、お肉って感じとシメって感じをペロッと食べられるのがいいんだけど」
「……そう言う感じのリクエストなんですね」
「そそ。どうせ作ってくれるんでしょ?」
「その言われ方はちょっと微妙ですけど、まあ……あー、ちょうど良さそうな一品ありますね」
思いついたというよりは足してみたに近いのですが、時間はあまりかからずとも出来そうなので、パパっとコレも作ってしまいましょう。
材料は牛肉、タマネギ、あったらこんにゃくとか白滝とかお麩なんかもいいんですが、お肉とタマネギの二つだけでも全然オッケー。
そして、作るものは殆どというか完全に牛丼。
牛肉の臭みが気になる場合は先に一度お湯を通すか、少量のサラダ油を敷いてフライパンでお酒をかけつつサッと炒めてあげましょう。
その後に出汁の中へ醤油、酒、みりん、砂糖を入れて軽く沸騰させたところにタマネギとお肉を入れるだけ。
なにも下処理をしないでお肉を入れた場合は灰汁が出やすいで、さっと灰汁も掬ってあげれば、簡単に出来上がった牛丼のあたま。
今日はお酒の変わりに飲んでいた時に残った白ワインを使っていますが、別にお酒でも赤ワインでも、別のモノでも大丈夫。
牛丼の頭が出来上がったら、次に用意するのはお餅。
お餅はゆるゆるとろとろがいいので、一度しっかりと水をくぐらせたお餅を皿の上にラップを敷き、その上に置きレンジにもよりますが一分少々。
つきたてのお餅のような状態になるので、後は丼に大体二つぐらいお餅を入れて、汁たっぷり、具もたっぷりの牛丼のあたまと汁を注いであげたら、出来上がり。
「牛餅丼の出来上がりです」
紅ショウガを添えて、牛丼と同じ感じで食べればオッケー。
なので、七味や一味をぱらっとしてもいい感じ。
「なるほどね?ご飯じゃなくてお餅ね」
「ええ、ぺろっとお餅がはいりますけど、ご飯と変わらないのでスルスルイケそうでしょう?」
「うんうん」
いい香りに釣られてウチの二人も自分の分は?って顔。
「お餅はレンチンだから、各自でやってね?」
お皿にくっつくと取りづらいのでラップが無いと後片付けが大変なのでそこだけはちょっと注意しましょうか。
ありそうでなかった……というより、私が知らなかっただけですがどうやら岡山辺りでは食べられているみたいです。
牛丼もいいけど、なるほどお餅と合わせる訳かぁ……。
お餅、今年余ってないんですけど(笑)、ちょっと食べたくなってついつい書いちゃいました。
お正月明けってなんでこうもまあ餅系が増えるのか……。
日本人って感じで嬉しいような、縛られているような……
ま、美味しいからいっか。(笑)
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