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雪見雑炊


「お?今日のランチは鍋?」

「かなりいい香りだけど、うん、食欲をそそるね?」


 いつもの時間になると、お客さんが続々と到着。

 今日のランチは一人鍋で、タマネギとニンニクの鍋を出し中に入れて一緒に食べてもいいし、そのまま具材とは別で食べてもオッケーな肉いなりを横に置くスタイルで食べ始めて貰ったわけですが、ある意味予想通りともいえる発言をしたのはがーさん。


「アースドラゴンの肉もいいけど、豚肉とかキラキラ肉の薄切りを後から貰えれば、アクが出るって言っても、自分の鍋だから気にしないし、あーでも、これなら鳥肉もアリっちゃアリかな?」


 そんな事を言って、チラッと僕を見てきます。

 そしてそんな意見が一人でも出れば、みんな同じようにお肉の追加は欲しくなることは目に見えているわけで。


「皆さんも追加のお肉、いるんですよね?」


 頷きだけが大量に帰ってくる事は分かり切っていたので、色々なお肉を用意することに。


 ただ、どれもこれも多少の面倒くささはあるものの、薄切り肉にして出来るだけ火を通しやすい状態に。

 そんな感じで追加のお肉を各自楽しんで貰ったわけですが、予想よりも反応がよかったのはお鍋よりも肉いなり。

 薄めの味付けというのもあって、食べやすさはバツグンなのですがそれ以上にもうちょっと欲しかったという声を貰えるぐらいにはなかなかいい役を出来た模様。


 で、ですよ。


 鍋が終わったら後はいつも通りのシメになるわけですが、ただの雑炊も悪くないのですが、折角ならあまりやらない様な雑炊もいいかなーって気分。

 二人ほどお肉類はなにも入れず野菜だけを楽しんでいた女性もいるので、その人たちを少しだけでも喜ばす事の出来る様な雑炊を作れると嬉しいわけで。


「だったら、まあアレがいいかな?」


 卵はお好みになりますが、急いで用意するのは大根おろし。

 あとは色合いというのも込めて小口切りにした万能ねぎがあると嬉しい所。

 今回はサラッと出来るだけ食べてもらいたいので、炊いたご飯はサッとザルに開けて水洗いをしてぬめりを取っておいたご飯を用意。

 お野菜だけで楽しんだお二人の鍋からシメの確認となったので、精霊に耳打ちするような形で確認を取ってもらうと、お願いしますと言われましたと厨房に持って来てくれたので、間違えないように注意しながら雑炊を作ります。


 一人鍋に残っている汁へ洗ったご飯を入れて、一緒に入れるのは大根おろしと生姜を千切りにしたもの。大根おろしは真ん中にドンと山を作る形で、裾野に生姜を添える形でもいいのですが、周りにパラパラと千切りの生姜を入れてあげましょう。

 ついでに入れる場合は千切り生姜の上ぐらいに卵をそっと入れてあげるのですが、あった方が嬉しい気もしますが、無くても結構美味しいモノで。

 鍋の出汁と生姜の味ぐらいになってしまうので、追加で出汁を入れるのですが分かりやすく言うと白出汁のようなちょっと濃い目の味がよく、今回の鍋は出汁無しなので白出汁でもいいですし、あとは鶏ガラスープの味などでも美味しくなります。

 まあ、色々な野菜、お肉の旨味が入った鍋なので出汁無しというのも出来ない訳ではないのですが、ある程度の味の強いモノを食べた後となっている口では薄すぎると味が無いという反応になってしまいがちなので、その辺りだけは注意してあげて、最後の塩加減でしっかりと味を調えて、万能ねぎをちらしたてあげたら出来上がり。


「雪見雑炊ってところかな?」


 大根おろしは時期にもよりますが、火を入れる事で大抵の場合は苦味や辛みが和らぎ、かなりサラッと食べられるようになるのですが、たまーにハズレというかアタリというかを引いてしまうと辛かったり苦かったりするので、その時はちょっとだけ多めに火を入れる形で調整してあげればオッケー。


 普通のうどんや中華麺、前にやったようなチーズリゾットなどもいいのですが、時期的に寒い時期やちょっと温まりたい頃だと雑炊がやっぱり食べたいとなった時、こんなレシピも知っているだけでも嬉しい事が。


「お、おろしで作る雑炊って感じ?」

「ですね。お二人は追加のお肉は鍋に入れていないのでかなりさっぱり目の味わいですけど、皆さんのお肉を入れたものでもガツンとまでは行かないので、一応できますからね」


 このシメに抗議を唱えてきたのはうちの二人。


「朝の時点で、こんなシメがあるなんて聞いていませんよ?」

「それはまあ、言ってなかったし。というか、慌てて大根おろしを擦っていたのを見ていたと思うけど、あのタイミングで思いついたわけだからね?」

「うぐうぐ。じゃあお肉の追加も?」

「お肉の追加はがーさんがリクエストしたからでしょ?」


 最初からお肉は追加しそうな気配こそ感じていましたが、こればっかりはたまたま。

 タマネギとニンニクがメインの風味豊かな鍋を楽しんで貰うつもりだったのは言うまでもなく。


「お客さんが帰った後に、雪見雑炊はじゃあつくろうか?」

「ええ、是非!」

「私達も味見をしたいですからね!」


 味見というよりは、食事ですけど……こんな会話をお客さん達はいつもの調子とにっこり笑って楽しんでくれて。

 今日のランチもまあ何とかなった感じでしょうか?



今日は本当に偶々ですが、タイミングばっちりでした。


まあ、今の時代はおせち……とも言われず、胃を休めるための七草粥の時代ですらありませんが、それっぽいモノが(笑)


名前だけを見たら格好良かったんですけど、雪見……なんてね。


まあ、蓋を開ければ「みぞれ雑炊」とか「おろし雑炊」みたいな言い方もアリだった可能性が。


そう言う鍋は前にやったので、あえてかっこいい名前使ってみましたが……。


ちょっと胃を休めるのにもいい頃合い。

少しだけたまーにこうやって胃に優しいモノで労わってあげるのもいいモノですよぅ




今回も読んでいただきありがとうございます

目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです

誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません

改めてありがとうございます

毎日投稿頑張ります

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大根おろしと生姜は千切りに → 大根おろしと生姜を千切りに 助詞連続問題ってハマると抜け出せないですよね… 正月も結局ある程度フツーの食事だった気がするものの 体重計に乗るのが怖いです← 毎…
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