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★ダンジョン540


 脇差を伸ばす形でポテトバロンの赤い芽をプスッと刺すのですが……反応らしい反応はないままで、外れだった?と思わずにはいられない状態になるわけですが、同じぐらいポテトバロン自体の動きもない状態に。


「刺さりましたよね?」

「動きが無いですね?」


 精霊もタマエもおかしいな?って表情をし始めますが、突然プシューと凄い音。


「「「え?」」」


 三人の声が思わず揃うと、ポテトバロンからおもいっきり空気が抜けていくようにシナシナっとし始めまわりの皮がぶよぶよに。


「空気が抜けた?」

「そんなことになるとは書いていなかったところを見ると、やっぱりあの赤い芽が弱点だったみたいですね」

「念のためにもう一匹出たら赤くない芽を一度刺してみれば違いがわかるかな?」

「ですね」


 ジャガイモの収穫という観点からすればミスになるかもしれませんが、情報は出来るだけ正確に確定させておいた方がいいのもあって、次に出てきたら他の色の芽を狙う事に。


「で、そのポテトバロン……どうなっているんです?」

「空気が抜けて……って、あれ?」


 結構な勢いで空気が抜けるような音まで出していたはずのポテトバロンはぶよぶよだった皮が何故かピーンと張り詰め、他の野菜と同様に通常のモノよりは大きいモノの収穫できそうなサイズ感に落ち着いた模様。


「弱点を突けば空気が抜けて、後は他と一緒で収穫できる感じ……ですね」

「コレは微妙に厄介かもしれませんが……先輩はどうやって倒します?」

「私に先に聞いちゃっていいんです?」

「うーん、私が倒す方法だと芽を狙うとすると、氷か後は火ですけど……微妙そうじゃないですか」


 タマエはどうやら今の手持ち魔法だとなかなかいい結果が得られそうにないと思っているみたいですが、精霊や自分はそうは思いません。


「それは、後輩……魔法でどうにかしようとしているからじゃないです?」

「え?」

「べつにその爪でサクッと刺してもいいんですよ?」


 今回、遠距離の方が安全な場面も多かったので最初から魔法を多用する形で戦ってきているわけですが、物理的に自分であれば刀で切る事も出来ますし、精霊の肉弾戦も一応やっていない訳でもなく。

 まあ、精霊の肉弾戦はかなり魔法寄りの肉弾戦ではありましたが、タマエだって全く物理的に出来ないタイプというわけでもなく。


「爪を使って、刺してみればいい……と?」

「まあ、爪だと丸まっているイメージはあるかもしれませんけど、どうせ伸ばせるのでしょう?であれば刺せない事もないでしょ?」

「……魔法でどうにかしようとばっかり思っていたので」


 タマエはやっぱり魔法でどうにかと思っていたみたいですが、ポテトバロンの大きさと爪の大きさを考えると、刺すのにはちょうどいい大きさで、失敗して引っ掻いても芋的には若干の価値が下がりそうなものですが、さっきのぶよぶよの皮を見る感じそこまで気にしないといけない雰囲気も無い訳で。


「ただ、次の一匹は赤くない芽からね?」

「……すっかり忘れていました」

「やっぱり」


 やる気になったタマエに水を差したいわけではなかったのですが、これでとりあえず慌てて動くことは減ったはず。


 因みに土の脇差を刺したあとは空気が抜け始めた辺りから魔法の部分を解いたので、ただの脇差に戻っているのでそのままいつもの鞘にしまって、両手は空。

 倒したポテトバロンをリュックにしまって、南側の通路に入っていきましょう。


 通路は真っすぐで、少し歩くとすぐに二つ目の部屋。


「ココもそこまで広さはないですが……」

「出てきましたね?」


 通路を抜けてすぐ、降りてすぐの部屋と同じぐらいの広さですが斜め前に一匹のポテトバロンが地面から出てきます。


「では、こいつは私が」


 右肩の上からスタっと地面に下りたのはタマエで、右前足を招き猫の様にひょいっと上げると、上げた代わりに爪がうにょんと出てくる仕組み……とはちょっと違うのかもしれませんが、わざわざ爪を出してみて爪の長さの調整をしている様子。


「さてと、まずは赤くない芽……って言いたいんですけど、お腹に真っ赤な芽ですね?」


 正面から見てちょうどおへその位置に真っ赤な芽が見えているわけですが、今は試したいという事でシルクハットの下辺りにある他の芽を狙ってタマエがポテトバロンへ接近します。

 タマエの動きに気が付いたポテトバロンは杖を振り回す形で接近を嫌がりますが、魔法を打つわけでもなく、ただ杖を振り回すだけだったのでサクッと右前足から伸びた爪がシルクハットの斜め下にある芽にプスッと刺さります。

 タマエも刺したと同時に本体に強めの蹴りを入れてくるくるっと回転しながらこっちに戻ってくるわけですが、ポテトバロンに変化らしい変化はないまま。


「ハズレだと、ただ刺さるって感じ……みたいですね?」

「じゃあ、赤い芽……お腹の辺りのいける?」

「あの程度の杖捌きでしたら、大して問題はなさそうです」


 タマエはそういってもう一度ダダダッとさっきよりも早いペースで駆け寄るとわざと杖を出させるフェイントをかけ、両手が伸び切った状態を作ると杖を蹴りがら空きになったお腹にプスッと爪を刺します。

 さっきと一緒で本体を蹴りながらこっちに戻る動きの最中に空気が抜ける音。

 赤い芽で弱点は間違いなさそうですが、杖捌きが微妙だと思ったのか苦笑いのタマエ。


「ポテトバロンも一気に回収……ですかね?」

「かなぁ」


 ある意味期待通りに近い百十八階を進んでいきましょう。




本編中に書いていないというか、書くタイミングが無かったというか……


赤い芽はある程度ダメージを受けたから赤いので……通常は赤くありません。


ピットホールの魔法による副次的な効果なのですが……

説明できていないんですよねー。


ここで説明して、オッケーとはなりませんが……。

赤い芽でいいじゃん?かなり今回も簡単だね?ってもし思っていた場合は、そういう裏事情もあるんだねーって、生暖かい目で見て貰えたりすると……嬉しいです。


因みに、少し先を書いている作者としては、ナンデコウナッタ?状態(笑)

是非、数日後作者が混乱しているさまを楽しんで貰えると嬉しいです。



今回も読んでいただきありがとうございます

目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです

誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません

改めてありがとうございます

毎日投稿頑張ります

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― 新着の感想 ―
芽はステータスバーだったのか…… 器ににんにくを塗って、炒めた玉ねぎと下茹でした人参に芋 ホワイトソースにチーズを乗せてこんがり焼いていただきたい。 チビが熱いの苦手でグラタン的なのが作れないジレンマ…
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