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★ダンジョン521


 ガーリックボムの頭の辺りの赤い部分をスパッと切ると、コロンと落ちそのままピクリとも動かなくなったので恐る恐る近づくように動こうとしたのですが、気にしないでガンガン向かっていくのは精霊とタマエ。


「流石ですね。正に弱点をスパッと一撃。完璧です」

「やっぱり弱点だったんだね?」

「ええ。あとはアレでも一応火をつけているという事みたいなので……」


 そういうと、何故か少し離れた位置からボッ ボッと二回程音が連続します。


「喋っている最中に、邪魔しないっ!」


 タマエがそう言うと、背中の水の盾を光らせて丁度赤い部分を覆うぐらいの水の玉を作ったかと思うと、ぱしゃんとガーリックボムの頭の上で水がはじけ、そのまま水をかぶった二匹のガーリックボムは動かなくなります。


「と、まあこんな感じに。火を消せば倒せるらしいです」

「そういう感じね」

「ええ。ただ、ご主人の倒し方の方が本当は“いい”みたいで」

「そうなの?」


 そういって、持ち上げたのは水の魔法で倒した二匹。

 自分が倒した一匹を精霊が持ち上げ、タマエが魔法で倒した方を持ってきてくれたのですが、濡れているからなのか若干匂いが漏れている感じ。


「水で何かしらが流れてしまうのか、美味しさ半減と書いてありまして」

「……美味しさ半減?」

「らしいです」


 美味しさという単語は今までダンジョン探索では聞かない言葉ですが、本気?と視線を向けるとゆっくり頷くウチの二人。


「名前通りのモンスターらしいので、にんにくと思っていいみたいですよ」

「ボムってバクダンの方は?」

「爆発しなければ、ただの不発弾……どころか、野菜になり果てるみたいです」


 思わず口から出そうになった言葉は、雑だなぁ。だったのですが、グッとその一言は飲み込んで、最後の単語を確認します。


「野菜なの?」

「見た目通り、らしいです。種類で確認したところ食用モンスターという種類みたいですし」

「食用モンスターか」


 冷蔵庫に家族で飲むぐらいの大きさのペットボトル大。普通に飲む飲料のペットボトルな大きさでも十分な気がするのに、かなりデカい剥けたにんにく。


「とりあえず仕舞いますか」


 と、自分が倒した方を精霊が持って来たのでリュックを降ろそうとしたところ、シャリっといい音。


 正直、え?っていう思いがありましたが、予想通りに精霊とタマエが水で倒したガーリックボムにかぶりついています。


「まあ、にんにく自体は生食できない食品じゃないけど……あんまり量を食べ過ぎると、胃に負担がかなりかかるからおすすめしないよ?」

「いえ、どうやらそういう所だけ魔力がいい感じに作用してくれているみたいで。シャリシャリのニンニクという不思議な食感ですけど、味は中々わるくないですよ?」

「ですです。齧った瞬間はリンゴみたいな感じかと思いましたが、そこまで風味も強くなくて……それに魔力はしっかり食べるだけで回復している気がしますね?」


 タマエは魔法を使ったので、減った分の魔力を戻せたという事みたいですが、何故かジッとこっちを見て来るうちの二人。


「水で倒したガーリックボムがまあまあという事は、ご主人が倒したスパッと切った方だと?」

「さらに美味しいハズですね?」


 リュックに仕舞う手をとめて、前に出すとまるで餌付けのような感じにダダッと早い動きで戻ってくると、そのままガブリ。


「おぉぉお?これは、いくらでも食べられるような風味に変わっていますね?」

「濡れていないと、栄養が出ないとかですかね?ほんのり香ばしさもあって……。別物ではありますが、ポテトチップス?いえ、にんにくですからガーリックチップ?の感じがありますね」


 生なのに、火を通した感じがあるというタマエ。

 そして、目の前にはかぶりついた後があちこちにあるガーリックボムの食べ掛けが三つ。


「ちょっと、貰ってみますか」


 食べ残しは流石にどうしようもないかと思っていたのですが、そのまま地面に戻せばダンジョンが上手い事リサイクルしてくれるというありがたい機能まであるらしく、ある程度食べたらぽいっと捨てれば、また新しいガーリックボムが生まれるらしいというご都合主義みたいな事を二人が言いますが、精霊の食べ掛けのガーリックボムを自分もシャクリと齧ってみます。

 口の中にふわっと香るのはにんにくの香りですがすりおろしたにんにく程はなく、かなり爽やかな風味。二人が美味しいと言いながら食べるのも頷ける味で。


「うんうん」


 そして、自分が切ったガーリックボムも同じくシャクリと齧ると、若干こっちの方はホクホク感というか、香ばしさというか。タマエの説明に近い風味を感じるわけですが、どちらを食べても思ったことが一つあって。


「振ってないのに、塩を振った感じの整った味になっている?」

「あー、いわれてみると」

「って事は、塩いらず?」


 そんなことある?と思っていると、すぐに答えを確認したのは精霊。


「どうやら、爆発してダメージを強くするため塩味を覚えたらしく。その辺りもそのまま調理に向いている感じみたいです」

「……食材になりすぎだよね」


 すりおろしたら塩入りのにんにくになるので、味を調えつつスタミナをつけるなんて事にも使えそうですが……まずは今齧って食べた分は食べきるか、植えるかすることに。

それを済ませてから、次の部屋に向かう事にしましょう。






塩って、美味しいイメージが強いのですが……実際問題、痛いです(笑)


塩水は辛いし、沁みるし、傷口に塩を塗るって言うぐらい、武器的な考えでもあぶないやつ。


でも、残念ながら食べ物な君達では……ただのいい塩加減。という事に。


強いハズだったのに……弱くなっちゃってごめん


作者を恨んでおくれ(笑)


今回も読んでいただきありがとうございます

目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです

誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません

改めてありがとうございます

毎日投稿頑張ります

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― 新着の感想 ―
熱々な塩の粒が散弾の様に飛び散ってきたら……そりゃ痛いだろうな。 近かったら回避不可だろうし。 だがしかし、爆発する前の前兆がしっかりあるようじゃ食らうわけもなく(ᕑᗢूᓫ∗) 一欠片が、1.5のペッ…
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