★ダンジョン519
降りた部屋から北へ向かって進む一行。そこで感じた香りは何故かよく知っている匂い。
部屋の中にその匂いの元が居る気はしているので、すぐに戦闘態勢をとる肩の上のうちの二人。
一拍遅れて、自分も右手を刀に手を掛けようとしたのですが通路だとやはり刀はちょっと困りそうだったので悩みながらも土の脇差の方に手を掛けた状態でスリ足を使ってじりじりと二つ目の部屋の手前まで移動すると、中を確認。
「匂いはするけど、見当たらないね?」
「居る気はしますが……、おかしいですね」
右手を脇差から刀の方に変え、通路を超えて二つ目の部屋に突入。
少しずつ近づいているのか、知っている匂いはさらに強くなった気がするわけですが、それが逆に自分達を混乱させます。
「これって、やっぱり」
「あの匂い、いえ、あの香りですよね?」
「あ、先輩達もわかりましたか?」
タマエが最初に感じていたという香りを自分達もしっかり認識できたので、頷きを返すと、タマエも少し喜んだ顔に。
「ただ、今までとは色々と違うって考えた方が……いいんですかね?」
「まあ、この匂いだとそう考えた方が良さそうだけど……、意味が正直分からないんだよね」
さっきから自分達が言っているいい香りというのは、結構調理の時に嗅いでいる香りで、ガーリックソテーなどをした時のいい香り。
ようはニンニクをいい感じに焼いた時の香りなわけですが、頭によぎるのはあまりいい事でもなくて。
人間が本能的に好きなバニラの香りや、花の香りもそうですし、香りというのは人を引き付けるモノ。
そんな香りが部屋中にあるという事は、それこそ最初の頃の花もどきではありませんが、この香りを介して私達を誘導している可能性が高く感じるわけで。
「香りに釣られて、マズい事になるのは嫌だね」
「ですよね。ただ、敵が見えない事には……なんともですよね」
二つ目の部屋をゆっくりと進むのですが、それでもまだ敵に逢う事はなく部屋の半分を超えた辺りまで来たのですが、何も変化がないままで。
流石にそろそろ何かしらの変化が起きて欲しいかな、なんて思った矢先、今までの探索で殆ど無かったような、小さな振動が部屋というよりはダンジョン自体を揺らしてきます。
「なにか、揺れました?」
「爆発音?ですかね?遠くの方で今、あった気がしますが」
「揺れは分かったけど、音は分からなかったかな」
どうやらタマエだけが音を確認できたみたいですが、小さな揺れというのもきになるもので。そのまま、二つ目の部屋を結局敵にあうことなく通り過ぎる事に。
「この部屋もまた北側に通路がありますけど」
「階段の気配や北側なんだよね?」
「ええ。このまま進んで問題ないハズです」
さらにまた北側への通路があって、通路に入ると、さっきとは違いすぐに東に曲がる形に。
戦闘態勢を維持したまま部屋を通り過ぎ、さらに通路にまで来ているのであまりこういう気の張った状態を長く続けていてもいい事は無い訳ですが、知っている香りというのもあって、かなり慎重気味にすすんでいると、トントンと前足で合図をしてきたのはタマエ。
「ご主人、気持は分かりますがあまり気を張り過ぎるのも、疲れますよ?」
「うん。わかっているけど、知っている香りっていうのもあって……変に騙されるというか、やられるのも何というか嫌だからさ」
「まあ、雅の言いたいことも分かりますけど、後輩の言う通りでもあるので一度二人は緊張を解いていいですよ。代わりに私がしっかりとみておきますから」
そう言ってくれたので、戦闘態勢を精霊に任せ、自分とタマエは少しだけ気を緩める事に。
気を緩めたら、今までのようなすり足でもなく、普通に歩けるようになり動くスピードが上がりますが、通路はかなりグネグネで。
東、北、東、北と階段のような動きがあって、最終的に東に進む道になる形で次の部屋の手前まで来たわけですが、そこには目当て言うわけではないものの明らかに変な物体が。
「白い、ですね?」
「つやっつや、しています?」
精霊やタマエがそんな感想を言いますが、その後ろ姿は記憶通りといえば記憶通りのもので、もしかしなくてもなんとなく察する事が出来る物体。
「アレが、今回のモンスターですかね?」
「香り的にも、その可能性が高いけど……」
「けど、どうかしました?ご主人」
「もしかしたら、近づくことはあんまりよくない可能性が高いかなーって」
後ろ姿しか見えていない訳ですが、その形は半月。白くてつやつやと言えばニンニクの皮を剥いたような状態。
ただ、にんにく自体はすりおろしたり、スライスしたり、色々と繊維をつぶしたりしなければ香りはないモノ。でも、今部屋にあるこの香りはかなりしっかりと火が通ったような香りなわけで。
「火を使う別のモンスターが居る可能性もあるけど、とりあえず遠距離から観察でいい?」
「もしあれでしたら、私がこう突っ込んで、一気に一撃食らわせましょうか?」
精霊的には見ているより動きたいみたいでそんな提案をしてくれますが、何故か奥の方からもう一体のニンニクの欠片が。
折角なので様子を見るように伝えて、二匹の動きを観察してみます。
香ばしい香り。。。
焼肉屋さんの前を通るだけで感じる焼肉の香りであったり、うなぎ屋さんの前のかぐわしいタレの香りであったり。
香りとは何とも素晴らしいのか。。。
そんな中でも、私の好物な香りをとりあえず(笑)
どうしてくれようかなーw
……ちゃんと舵をとれるといいんですけどねー
話はちょっと変わりまして。
どうやらこの作品の総合評価が5000を超えました。
どのぐらい凄いのか、はたまた全然凄くないのか……正直言うと私にはわかりませんが、もう一つの作品が全く伸びず(笑)16とか30とかなので、多分結構凄い気が。
偏に読者の皆様のお陰です。
いつもありがとうございます
どうぞこれからもよろしくお願いします<__>
今回も読んでいただきありがとうございます
目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです
誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません
改めてありがとうございます
毎日投稿頑張ります




