★宝箱開封&ユッケ丼
本日二話目です
お気を付けください
あの後は歩きながらの買い食いで、串焼きやスープを食べてと少しだけ小腹を満たしてさっさと帰宅。
というのも今朝も困ったようにグラノーラやフレークが無いのでストック作りをしないといけません。更に言えば、平日のランチの後は木刀も作って行く予定のままなのでストック作りの余裕があるのは今日だけ。
「それ食べたら帰ろう?」
「もう少し食べたいですが仕方ないですね」
小さな声のやり取りでギルドの周りにあるフードコートのような場所から出て家に帰って最初にやるのはオーブンの温め。
後は何度もやっている事なので流れ作業でやっていくだけ。
結構集中も出来て気が付くと外は真っ暗ないい時間に。
その代わりに二週間分以上のストックも作ることが出来たので自分としてはかなり満足。
部屋の中は結構甘い香りが充満しているのでお腹が凄く減る事も無く、寧ろ出来の確認で味見をするのでお腹は一杯に近い形なのですが、そこに居ただけのウチの大食漢は違います。
「雅ぁ、そろそろお夕飯の時間では?」
「あー、そうね。作らないといけないよね」
「え?全然作っていないのですか?」
「ずっとフレークとグラノーラ作っていたから、別のモノ作る暇はなかったよ?まあ、ダンジョン用にグラノーラバーも多少は作ったけど、アレは別だからねぇ」
新しいゲームを買ってもらった子供と同じ感じで今自分はダンジョンにドハマりしているのを実感はしているつもりです。結構危険だった昨日の一件もスリルとしては嬉しいものだったので行くのが嫌になる事も全くなく、むしろ先はどうなっているのか新しいモンスターをどうやって倒そうなど考えることも一杯。
今日の調理中に思い付いたのはやった事は無いけれど刀もつくってみたいなという思い付き。ですが、それは精霊に確認したところかなり難しそうなので刀は運よくダンジョンで手に入れるのを願うばかり。
と、全く別の事を考えているのを見透かされたのか、
「雅、お夕飯を!!」
「はいはい」
精霊に急かされてしまったので、何か作るとしましょうか。
いざ、何かを作ろうと考えてみるとそんな簡単に浮かぶわけも無く。
ついでとばかりに明日のお昼もどうしようかなと頭で考えてみるとやっぱり浮かぶことも無く。まずは目先のこの後の夕食でついでに明日の分かー。どうしようかなと悩んでいると、
「すぐに食べられるものがいいです。雅、何かそういうモノ浮かびませんか?」
「すぐに食べられるもの?えーどういうのだろう?」
「私としてはお刺身の様な生のままイケるモノが食べたいというか待たずに済むイメージなのですが?」
「言うのは簡単だけど、お刺身だって包丁で綺麗にサクから刺身にしているわけだし結構やることは色々とやっているんだよ?」
「知っていますよ。横でいつも見ていますから。ぐちゃぐちゃじゃダメなのですか?」
「そう言う食べ方も無いわけじゃないけど、あーそうかそう言うのもアリか」
「おや、その様子は何か浮かびましたか?」
「一応ね。ただ、ちょっと待ってね?」
「今日の雅は信用が無いのであまり待てませんが、少しなら待ちます」
精霊の言質を頂いたので、確認を。
冷蔵庫ではなく、冷凍庫を開いてえーっと、少し奥のこの辺りに……あった。
ない事は無いと思っていましたが、目当ての品を見つけます。
「解凍に少しだけ時間がかかる代わりに、すっごく美味しいものを出せそうだけど待てる?」
「なんという究極の二択でしょう?うぅ、でもすっごく美味しいのですよね?」
「それに関してはうん、美味しいと断言できるよ」
「では、我慢しますのでお願いします。因みに待つ間はやる事は無いのです?」
「あー、そうね無いかも」
「では、宝箱を開けませんか?お肉が出て種類によってはステーキもいいのではと思っていまして」
「あー、そうね。そうしようか」
という事で、冷凍庫から出した目当ての品をボウルにお水を張った所へ入れてから、甘い香りのするオーブンまわりの片付けをして、更に余った時間で宝箱を開けることに。
「お肉かな?」
「でしょうね。キラキラ肉だと口の中で柔らかく溶けるあの美味しいステーキがいいですねぇ」
「お肉じゃない可能性もあるんじゃない?」
「あー、前回のドラゴンローブのようないい品ですか?」
「うん。かなり運も良かったみたいだから続けて出ることだってゼロじゃないでしょ?」
「ゼロではないと思いますが、そんなに当たったらちょっと怖くないですか?」
「そう言われてみるとちょっと怖いかな。そうだね、人間普通がやっぱりいいか」
「という事でお肉の方がいいのです」
なんというか精霊の食欲に論破されたような気持にも少しなりますが、実際ある程度のお肉が出るのは嬉しい事に変わりなく。お肉の種類によっては明日のランチにもなるのでいい物が出てほしいなと思いながら、早速開けるとしましょう。
「なにがでるかなー」
「お肉、お肉、お肉ぅ」
宝箱は簡単にパカット開いて、中を見ると……お肉ですね。ほんの少しだけ刀が出たらいいなと思ってはいたのですが、出て来たのはお肉。結構赤身が強く、全体がそれなのかと見てみたのですが、脂も少しのってサシの入ったようなお肉の部分も。
「お肉ですが、キラキラじゃないです。残念」
「いや、これはもしかしたらもしかするかも?」
「どういう事です?」
精霊の言葉を無視するわけではないのですが、もしかしたらこれはさっき解凍したお肉と一緒の可能性が。
「えーっと、確認したいからちょっとがーさんに連絡をお願いできる?」
「いいですよ」
精霊にすぐにがーさんに連絡を取って貰って、重要な確認を。
「珍しいねこの時間に連絡してくるなんて」
「こんばんは。確認をしたくて連絡したのですが、今大丈夫です?」
「いいよ、問題ない。何かあった?」
「宝箱から出るお肉って、生食いけます?」
「ああ、問題はないよ。それほど時間が経たなければっていうのは勿論あるけどね」
「分かりました。十分です」
「宝箱からお肉が出たのかい?」
「ええ。明日のお昼に振る舞わせてもらいます」
「それは楽しみだ。因みに夕飯は?」
「コレからですけど?」
「じゃあ、食べる頃になったら教えて?そっちへ行くよ」
「あー、ハイ。分かりました」
という感じで、夕飯が一人前追加になりましたがまずは目の前のお肉の塊の味をチェック。なかなか親切な宝箱の様で、お肉を取り出すと下に紙が敷かれてしっかりと衛生的になってくれているのでそのまま紙に乗せたまま厨房へ。
包丁を一本取り出して、二枚程スライス。
「精霊も味見する?」
「勿論です」
スライスしたのは赤身の部分。それをそのまま口へパクリ。程よい噛みごたえに肉の旨味、赤身なのにパサつく事は無く、まさに肉の刺身。
コレだけ美味しい上に、結構な量があるので明日のランチは楽しい事になりそうですが、まずは夕飯を作る事に。
「いくらでも食べられそうです」
「味見だから、もう少ししたら解凍も終わるからそっちで作るついでにお客さんも来るからご飯、炊こうか」
ご飯を炊いている間に、メインをぱぱっと作りましょう。
何となく分かっていると思いますが、解凍していたお肉は馬肉。思い付いたのは馬肉のユッケ。二人で食べるつもりだったので、ご飯は冷凍を解凍でいいと思っていたのですが、がーさんも来るという事なので、念の為で多めに炊くことに。
ご飯の支度を済ませたら、野菜の準備。栄養価は抜けてしまうのは分かりますが、タマネギのスライスを作って、水にさらして辛味を飛ばします。そしてキュウリも千切りにして、一緒に添える予定で。
ユッケのタレはシンプルにおろしにんにく、醤油、ゴマ油、砂糖とコチュジャンを合わせたタレを作ってあとは半解凍から解凍が終っているお肉を小さく切って和えるだけ。
コチュジャンやおろしニンニクがかなり味を強めてくれるので濃い目の味になりますが、コレが丁度食欲をそそります。
後はご飯を丼によそって、水にさらしたタマネギを敷いて周りにキュウリの千切りも添えて、出来たユッケをたっぷり乗せて真ん中にくぼみをつくって卵黄をぽんと乗せれば出来上がり。
「あ、精霊すぐにがーさんに連絡を」
「いや、必要ないよ。そろそろかと思って勝手に来たよ」
え?と思ったのですが、そこにはがーさんが。
玄関の開く音を聞き逃すことなんてないと思っていたのですが、ちょっとびっくり。
「丁度出来た所なので、早速どうぞ」
「うんうん。これは美味しそうだ」
「がーさん、それは私のです。貴方のはアッチです」
「別にどっちでも構わないだろう?精霊、かなり食い意地が張っているじゃないか?」
「今日は何故か待たされてばかりだったので、仕方ないのです」
こっちをジトーット見ているような感じを察しますが、自分も目の前にするとお腹が減ってきたようなので無視。
「さ、食べましょう?」
「そうだね、そうしよう」
「ですです」
「「「いただきます」」」
美味しいものを目の前にすると誰も言葉を発することなくただひたすらにご飯に集中するのは何処でも共通の様子。
静かにみんなでユッケ丼を楽しみました。
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誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません
改めてありがとうございます
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