筑前煮コロッケ
自分が思っているよりも、かちゅー湯の効き目もよかったみたいで作る側の自分達も酷い二日酔いになる事もなく、次の日になったわけですがかなりの人数が昨日の夜に来ていたみたいで、二日目の今日は男性職員も女性職員も凄い量にならず、寧ろ昨日が大変だったという感じになる程度。
「なんというか、昨日がピークって感じになっちゃいましたね?」
「今日は、昨日の話も伝わっているのか注文の偏りが無いので作る方は大変かもしれませんけど……」
「いや、そうでもないよ?一人前ずつだから仕込みは冷蔵庫さんも手伝ってくれているし、お昼からお酒を飲もうなんて職員さんも居ないみたいで、昨日の夜と比べたらかなり静かだよ」
通常の五目釜めしが一番多く、魚介は私のお好みでというのが次に多く、他の人とは違うのがいいという注文が多く、鯛とヒラメを炙ってアラで出汁をとった魚介な釜飯や、鰻のタレを入れて炊いて、錦糸卵と鰻を入れる鰻の釜めしみたいなものも出したのですが、お客さん達は分かって注文をしているわけでもないので、ただ美味しいと言ってくれる形に。
「知らないって、怖いですね?」
お昼がサクッと終わり、夕方以降にも多少今夜もやって欲しいと言われたので中休みみたいな時間になると、精霊がいきなりそんな事を言ってきます。
「どこら辺が、怖い?」
「ドラゴン肉の釜めしとか、キラキラ肉の釜めしとか値段がまあ分かっていて高いモノを注文している男性陣はいいですけど、女性陣はそもそも『ウニ』がなにかも知らずに、高い事も知らずにぺろっと食べて、『かなり濃厚で美味しいわ』程度で済ませていましたからね?」
あー、まあ今回の料金は通常の数倍をギルドに請求していて、ヘタをすれば何かしらがなくなるかもしれないような金額が動いているらしいのですが、詳しい事はがーさんと精霊が上手い事やってくれるというので、すべて丸投げ。
そもそもの事の発端だって、精霊に突っかかってきた職員が悪いわけで、ここまでやる必要があった?とがーさんも行って来たのですが、食事ってかなり怖いモノ。
「一度でも食べて、まあ全員が全員口に合うとは限りませんけど、ある程度自分の好きな味だった場合は、それが食べられないと言われるわけですからね。食にあまりこだわりが無いとは言う人だとしても、食べ物が目の前で取り上げられるというのは結構クるものがありますよ」
「それは何というか、壮大というか、ねちっこいというか……後になればなるほど効くタイプの嫌がらせだね?」
「いやがらせというつもりはないですけど、ここまで色々とやってくれている皆さんを少しでも馬鹿にしたというのであれば、今後もうダンジョンのモノを卸さないとか食事はあの人のせいで一生職員が食べられないとなれば、針の筵でしょう?」
こういう話はサクッと終わると思わせておくことがベストで、後になってから罠だったと気がついた時にはもう手遅れ。
このぐらいの方が、主導権を握りやすいって話を昔マスターからかなりしっかりと教わっていて。
「流石マスターの弟子。教育が行き届いているね?」
「一応ウチの場合は、両親も……こういうタイプですけどね」
「まあ、色々とあの二人はあっただろうからね?」
と、休憩をゆっくりしながらもなんとなく忙しさが余り無い感じで安心をしていたところ、精霊が何かに気がついたみたいで、クイクイっと服の裾を引っ張ります。
「どうかした?」
「予想以上に昨日が忙しかったのは分かりますが、お酒のつまみでもと追加で今朝から作った筑前煮がこのペースだと残りそうですけど……大丈夫です?」
言われてみると、わざわざ追加で作った分はほとんど手をつけられていない状態。
裏技的に、ギルドに買い取ってもらうなんてずるい方法も無い訳ではないのですが、残ると分かっているものを人に押し付けるというのもあまりいい気はしないので、だったら少し形を変えてみましょうか。
「夜は、夜で今夜も飲みます?」
がーさんに確認を取っても見ると、頷きは返ってきたのでだったらアレでも作りましょうか。
とりあえず筑前煮の具をまずは変身させて、次に残った汁、更にそれでも残ったら……と今頭の中に浮かんだものは三つほど。
「じゃ、リメイクしましょ」
今から作れば、夜の部にも出せそうなのでお皿一つ分の筑前煮だけ残し、冷蔵庫さんに出して貰うものはジャガイモ。
包丁やピーラーでジャガイモの皮を剥き、芽をとったら半分ぐらいに切って後は鍋に入れ、水をかぶるぐらいまで入れて火にかけてお芋にしっかりと火を通しましょう。
勿論水をサッとかけて耐熱容器に入れ、レンチンで中までしっかりと火を通してもオッケー。
ジャガイモに火を通している間、筑前煮は汁から出して具材だけ包丁を使って細かく切ります。
フードプロセッサーを使ってもいいのですが、ある程度具材がゴロゴロとしているとそれはそれの良さが感じられるので、多少の手間はかかりますが、好みの大きさに筑前煮を小さくしてあげればオッケー。
後はジャガイモをつぶし、そこに切った筑前煮を入れ、さっくりと混ぜ合わせたらコロッケの形に成形して、小麦粉、卵、パン粉の順やバッター液に浸してパン粉を纏わせてあげたら、後は揚げるだけ。
筑前煮の味があるので、塩コショウも無しで作ってもいい感じの下味があるわけですが、いつもなコロッケとはちょっと違い、このちょっとの違いがまたいいアクセントに。
とりあえずリメイクコロッケはお客さんが来る前に揚げましょうかね。
美味しいんですけどねー。煮物。
子供の頃はあまり好きではなかったのですが、大人になるにつれ好きになり、今では無い方が落ち着かない程(笑)
脇役に思われがちですが、役者で言えば名バイプレイヤーって感じでしょうか?
それでも多めについつい作ってしまうので、こうやって残ってしまった場合に備えて、リメイク品を。
コロッケなんてどうでしょか??って感じです。
そういえば、昨日はやっぱり特異日で(笑)
晴れましたねー。10/10
中秋の名月の日はあいにくの曇り空。そして翌日は満月と教えてもらいましたが……ちょっとだけ夜に外に出る用事があって、おぼろ月の満月を見ることが出来ました。
時期もそうですし、この間までの暑さが無いのもあってちょっとだけ雅な気分(笑)
雅な気分ってなんだろう?(笑)
わかってないけど、多分、雅だったんです(笑)
今回も読んでいただきありがとうございます
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改めてありがとうございます
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