いただき
おつまみが増えると、何故かギルドの人達も増えるという不思議な現象が起こり、さらに賑やかになってきたのですが、煮物や女性職員さんが注文した多種多様な釜飯もあり、食べるというよりは飲む場に変わっていったので、少しずつやることが減ってきたので、ひと心地付き始めた訳ですが、厨房には予想以上に用意してしまった水に浸けてあるご飯が残る事に。
「……まあ、明日に回すって言うのも無しではないんだけど……使っちゃった方がいいよなぁ」
釜めし用という事で結構な量のお米を水に浸しておいたので、まるっとそこが残っていて。後ついでに、ニンジンも思っていたより出なかったのですが、こっちはまあニンジンしりしりにしてみたり、飲んでいる人達につまみとしてツナ缶と一緒にゴマ油で炒めればよさそうなものではありますが、それでも結構余りそう。
こっちも同じように明日に回すことも出来ないわけではないのですが、なんとなくやっぱり使い切りたい気持ちが。
「……流石にこれを釜飯にするのは無茶だけど……って、ゴボウも微妙に残ったか……」
残った具材はまとめて一緒に炊き込めば……まあ、ちょっと動物性タンパク質が欲しいので、鳥肉ぐらいは入れて欲しいかな?という感じですが、この食材だったら良さそうなものが作れる気が。
「あー、ついでにアレと一緒に炊くかな?」
思いついたというよりは、思い出した感じですが、ちょうどいい一品がある事を思い出せたので形にしてみましょうか。
ここでやる必要がある事は油あげの油抜き。
油揚げは半分に切って、お湯をかけて油抜きをしてそっと破れない様にしながら中の空洞を作ります。
空洞の中に入れるのは今言った今日残ってしまった食材たち。
水に浸した白米、食べやすく切ったニンジン、ささがきにしたゴボウをお米が割れない様にさっくりと混ぜ合わせ、それを生米のまま油揚げの中にぎゅっとたっぷり入れて、爪楊枝で口をしっかりと閉じましょう。
お米もニンジンもゴボウもぜーんぶ今日使うはずだったけど使わなかった残り物ですが、油揚げを増やして残っていたお米を全てこの形にしてしまいます。
あとは油揚げをそのまま炊飯器や深鍋に入れて、お米を炊く要領とここからは一緒。
水の代わりに出汁を入れ、砂糖、醤油、酒、みりんも入れてしっかりとご飯を炊く要領で火を通してあげるだけ。
「おやおや?何かおつまみでも作っているのかと思ったけど……それは、いなり寿司?」
「あー、ちょっと違って。名前でいうと『いただき』ですね」
「ナルホド。残っていた具材がまんま、ソレだった感じだね?」
「ええ。干しシイタケと戻し汁とか、少量の鳥肉や鶏ひき肉で味を足すのも悪くないんですけど、あえてシンプルに。釜飯を食べている人も、食べていない人もちょっとだけの違いがしっかりと感じられると思うので、こういうのもまあ悪くないかな?って」
その言葉にがーさんが頷き、それならとこれを一人一つ出してみないか?という事に。
「私達の分が……、無くなりそうにはないですね?」
「かなりの量というか、雅?一人で静かだなと思っていたら、これほど作っていたのですか?」
多分、五十個近く……もしかしたらもう少し多いかもしれないような量になっているのは、仕込んでいたご飯がかなり多かったからというのもあるのですが、何というかお酒も飲まないと黙々と作業が進むタイミングが合って。
気がついたら仕込み終わっていたという形。
「まあ、出す分には全然かまいませんよ。これを食べるなら……ああ、丁度いい汁物もあるので炊けた順に出していく、でいいですかね?」
「うんうん。僕の方から客席の人達にも伝えるよ」
ちょっと面白いのは、分量をしっかりと計っている場合ですが、炊飯器で普通にご飯を炊くボタンを押して、このいただきは炊く事が出来るので、鍋を使った形で無くてもご飯が出来上がることがありがたい所。
「まあ、この量だから流石に炊飯器じゃなくて、うちは鍋で炊くけどね?」
「ですよね?っていうか、コレは……」
「普通にご飯を炊くのと一緒。最初に強火、途中から中火と弱火の間にして、時間通り火を通したらしっかりと蒸らしの時間まで蓋をあけない様にして、出来上がり」
「ですか。そうなると……三十分はちょっと長いですが、二十分少々という事ですね?」
「だね。お客さんにご飯が出るのは伝えてないから、アナウンス……はがーさんがしてくれたから必要ないかな?」
とりあえずこんな感じでいただきが出来上がったら、後はお客さんに出しましょう。
「因みにですが、私達の分は?」
「こっちに、とりあえず一人三つぐらいはとっておいたけど?」
「三つでは、足りない気がしますが?」
「見た目以上に食べるとボリュームあるよ?」
「そういう物ですかね?」
普通のいなり寿司だと酢飯の塩梅とお揚げのしみしみな味で楽しめますが、どちらかというとこれは炊き込みご飯をまるまる食べる形に近いモノ。
さらに出汁で炊いているのもあって、いつものいなり寿司とは一味違った楽しみが。
「さて、折角だから合わせる汁物も作ろうか」
秘策というか、明日でもいいのですが折角なので汁物も楽しんでもらいましょう。
どのぐらいの数を作ればいいか分からない時って……まあ、あんまりないかもしれませんが(笑)
何故か私は結構……あった気がします。
そして、基本的思考が多めに作って余らせる方がいい。。。足りないはノー。。。
そういう考えが下地にあるので、大量に仕込むと……ね?
残る部分が出てきてしまいます。
そんな時に良さそうな一品を丁度みられた……みつけた?ので、即採用。
今日に至ります(笑)
本当に、日本全国津々浦々。。。色々似たもの食べつつも、微妙に違う味や形。
小さい国だけど、美味しいモノがぎゅっと詰まって、いただきみたいないい国ですよねー
今回も読んでいただきありがとうございます
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誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません
改めてありがとうございます
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