パンとチーズのシメ
後は鍋を火にかけるだけの状態まで出来上がって、少しばかり待っていると精霊が戻ってきます。
「おお。鍋ですかー」
「そそ。ちょっと疲れちゃったからさ、後は火にかけるだけで食べられるからお風呂に浸かって来てもいいかな?」
「火にかけるだけですね?」
「そそ。もしがーさんが来ても、しっかりお肉に火が通れば十分って言えば分かってくれると思うから、頼める?」
「了解です。では、ちょっと私は先に味見……いえ、試食……いえ、本食?夕食を普通にたべていますかね?」
「まあ、任せるよ」
精霊に厨房を任せたら、早速お風呂場へ。
ただ、着替えを今日に限って持ってきていなかったので一度部屋に戻ってから、もう一度という形でお風呂場に到着。
すると、奥の方からとてもだらしない「あ~~」という声。
「タマエも疲れが取れているのかな?」
「やっぱり温泉、お風呂は違いますね。疲れがこう中からじわーっととれます」
「あんなことをいきなりやったから、そりゃまあ疲れたか」
「そうは言いますが、ご主人は結構忘れているみたいですが、ココのお陰で今回の色々が出来たので、感謝すべきは私というよりは、世界樹さんですよ?」
「え?そうなの?」
何のこと?って感じで確認すると、タマエが答えてくれます。
「いつもここのお湯に浸かっているじゃないですか。ココのお湯のお陰で私の魔力も上がったのですが、ご主人も私も、そして先輩もいつもここに浸かっているので魔力的なパスはいつも繋がりやすい状態ですよね?ソレを利用して、今回戻る形にしたんですよ?」
「あー、自分の魔力だから戻って来ても問題ないかなーって思っていたけど……」
「一度自分から外に出した血液はしっかり洗浄をして戻すならわかりますが、適当につかってそのまま戻したら大事ですよ?」
「あれ?って事は、今回まあ大丈夫かな?って許可した事って……」
「先輩も私も、ご主人のその凄い覚悟に感心していたのですが……認識の齟齬が原因でしたか?」
肝試しをして、何も無かったと安心して家に帰って。後になってから色々と見えたよね?とか言われたような、知らないままで居たかったと思う様な事をさらっとタマエが言ってきますが、もしかしたらかなりまずかった?
「因みに、最悪の場合は?」
「ご主人が爆発四散……殆どないとは思いましたが、魔力の質は似通っているので変に固まってしまったり、滞ると何が起こるかは分からなかったので、その場合は先輩がストローみたいに外部に魔力を放出する役をあの鎧で持ってやってくれていたわけですが……それも必要なく、マルッとまとめて先輩の力までまとめ上げたご主人は流石と言わざるを得ませんでしたね」
知らない話をこうやって後から聞くのは本当に困ったものですが、ふぅと溜息を一つつくだけでこの話は終わりそうだったので、まあ溜息だけで済んだと諦めてしまえば楽な話で。
「今度からはもう少し相談……しようか?」
「先輩が言うには、相談をすると却下と言われることがあるみたいなので、今日みたいなぶっつけ本番の方がご主人にはいいらしいと……」
そんなところも精霊は見ているのかと言いたくなりますが、出来るだけ安全を確保したいという考えは言われる通りなので何も言い返せることはなく。
「まあ、ちゃんと相談は今後していこうね?」
「……はい」
目をしっかりと見て言うと、少しだけ照れたのか上目遣いで頬を染めた感じで頷きを返してくれます。
「そう言えば、お夕飯は?」
「もう作ってきたよ?」
「そうなんですか?」
「そそ。一人鍋をね」
「なるほど、それは楽しみですね?鍋という事は……シメは雑炊とか麺ですかね?」
「まあ、それでいいかとは思っているけど……なんというか今日はちょっと疲れたから、いつもはしないタイプのシメもいいかなーって」
「いつもはしない……シメ?」
「うん。パンとチーズとかね?」
それを聞いたタマエは首を傾げ、目を閉じ、考えたみたいですが浮かぶものが無いのでしょう。
「ご主人、イマイチわかりませんでしたが……」
「想像するのであれば、オニオングラタンスープのバケットとチーズのアレが一番近いかな?」
「あー↑あー↓んー↑んー↓」
「じゃあ、シメの時にやってあげるよ?」
「いえ、いつものご飯の方が良さそうな気がするので、私は大丈夫です」
「そう?」
こんな会話をお風呂場でしていたのですが、食事が始まりシメの時間になって、各自おじやや雑炊、中華麺や素麺など色々なシメ方で食べて貰っている中、自分の分はパンとチーズで作っていると、おやおやと確認してきたのはがーさん。
「そのシメ、珍しいね?」
「醤油系の鍋や塩系の鍋だと合うんですけど、後はトマト鍋のシメとカニもいいんですけどね」
「パンと……チーズ?」
「ええ。パンに色々な具材の旨味が染みて、チーズの塩気でしみしみのパンを楽しむ形ですね。好みで黒コショウをぱらっとすれば、大人も満足ですよ?」
「じゃあ、それで。追加でソーセージと折角だからトマトも足そうかな?」
がーさんの一言に、シメになり始めていた空気は雲散霧消。
「ご主人、さっき聞いていた話と違います!!!」
いや、何も話を足したわけじゃないと思うんだけど……あれ、れ?
いつものシメに飽きたら、こんなのはどうでしょう???
な、回ですね。
色々とシメやっていたのですが、意外とやっていなかったみたいです。
本編中にもあるように、トマト味とかだと結構いいですねー。
でも、醤油味や寄せ鍋でもいい感じになるので、何でもござれ。
あと、ダンジョンでのアレの都合はこんな形でまとめました(笑)
ここのお風呂……温泉、入りたいなー。疲れとれるんでしょー。。。家のお風呂もいいけど、ここいいなー(笑)
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