★ダンジョン497
腕輪に魔力を流し、鞘を通して刀に風を纏わせて……後は言葉で確定をさせて右腕を勢いよく振り抜くだけの状態に整え、ガーゴイルの跳ねる動きを確認しつつしっかりと視線でロックオン。
後はタイミングを見計らうだけの状態で居たのですが、予想外な事が目の前で起こります。
ガーゴイルはこちらを確認して跳ねつつも口を大きく開け、水を吐く準備をしているように見えたので、距離感的にもスパッとイケそうな位置まで来たことを確認し、刀を抜く準備も整っていたのですが、ずぼっとガーゴイルが土に入り、飛び出してくるはずが、地面に刺さったままになり、タイミングを見計らっていた自分は完全にタイミングを崩されることに。
それだけでも結構面倒なわけですが、土に埋まったままのガーゴイルは何故かそのまま地面に引きずり込まれ、顔すら出せない状態に。
「……横取りされた?」
「みたいですね」
「ちょっと落ち着くように魔力を戻すから、周りの確認を頼める?」
二人に言葉で確認をお願いしつつ、刀まで流した魔力を引っ込めるように腕輪に戻していると、とても不快というか不気味な音。
バリバリボリボリ
種類でいうと、せんべいを齧るような硬い何かを噛み砕くような音ですが、あまり満足感は無かったのか、ポイッと穴から放り投げるように捨てられてきたのは、ガーゴイルの頭の部分。その口からはたらーっと水が出ていたのですが、すぐにその水も止まります。
「モールですよね?」
「多分。で、ガーゴイルすら余裕で食べられると?」
「石を噛み砕けるぐらいの口なんてありましたっけ?」
「さっきのアースワームも石を纏っていたけど、もしかして効果がないとか?」
そう考えると、四マスの強さも納得できるわけですが、慌てて片目をつぶって確認するとさっきまでいた場所から今さっきガーゴイルが居た場所までどうやら移動をして居たみたいで、目の前すぐの辺りに居る事が分かります。
「たしか、モール系って視力は低いんだっけ?」
「ですね。代わりに聴覚が優れているはずですが……」
「ってことは、こうやって喋っていたり?足音を鳴らしたりするのは?」
「御法度ですね!!」
結構ガーゴイルが居た場所は距離が離れているはずですが、いきなり足元からズボッと爪が真上に上がります。
ただ、そこは自分達がさっき喋っていた場所で距離にして数メートルだけ離れているのですが、速さも威力もかなりのもので当たっていたら即死こそなさそうですが、大ダメージは確実で。
「念話で喋る?」
と、いきなり切り替えて二人に脳内から魔力を伝って声掛けをしてみたのですが、
「うひゃぁ!?」
大きな声をタマエが出してしまい、慌てて風の道を使って壁沿いまで移動すると、次の瞬間タマエが声を出した場所にさっきとおなじように爪がズボッと出てきます。
「で、タマエ、どうする?やってみる?」
「うーん……そのつもりだったのですが……地面から出てこない卑怯者は切り札を使うまでも無いような気がしてきまして……」
「別に倒してもいいよ?何かしら考えはあるんでしょ?」
確認をしてみると、大きく頷きます。が、微妙な表情のまま。
「どっちでもいいけど、倒すか倒さないかだけは決めてくれる?こうしたから狙われ続けるのであれば、流石に邪魔だから、どうにかしないと」
自分がやる場合は……囮の一つでも使えば良さそうな気もしますし、地面が土というのもあるので、色々とやりようはあるような気が。
「じゃあ、さっきやるといっていますし、責任をもって私がモールはやりますよ」
「ん。じゃあ、お願いします」
「お願いされます。っと、そうしたら……さっきのガーゴイルの辺りにポイッと投げて貰えますかね?」
「あ、タマエもやっぱりアレ使うつもり?」
「それが手っ取り早そうですからね」
「だよねぇ」
という事で肩の上に乗っているタマエを右の掌の上に乗せます。前足と後ろ脚を器用に手の中にまとめた状態で確認をすると大きく頷いたので、勢いよく投げる先はポイっと捨てられたガーゴイルの頭の所。
タマエも落ちているガーゴイルを使う事を考えていたみたいで、精霊の真似もしたいのか、わざわざ空中でくるりと大きく回転をして、ライダーキックみたいにガーゴイルの頭の上に音を鳴らすような勢いでもって着地。
大きな音には予想通り反応するみたいで、地面が一部盛り上がりながらガーゴイルの頭の方にモールが移動しているみたいですが、タマエは動く様子もなく見ているこちらとしては少しだけハラハラし始めるのですが、そんな事はしらないとばかりにタマエは目をつぶって尻尾をゆっくり、そして小さく地面を叩き、タイミングを計るような動きを始めます。
「見ているこっちは結構ハラハラだけど……大丈夫かな?」
「まあ、あの子はあの子なりにある程度強くなっているので、このぐらいでしたら……多分?」
精霊のその評価も微妙な気がしますが、とりあえず信じてタマエがどういう形で攻略するのかここでじっくり見ていましょうか。
どうしても、一度使った方法を取りやすくなってしまう傾向にあります。
ゲームでも、果ては人生も。
一度味わうと、もう一回と思ってしまうのが人の性。
でも、読む立場だと、毎回違うぐらいがいいので……この方法使かっていましたっけ???とか、今回……いや、次回か(笑)思うかもしれません。
まあ、みんな少しずつ強くなってくれているのは嬉しいのですが……その分わがままにも。
雅ぐらいかなーわがまま言わないでくれているのは……。(笑)
今回も読んでいただきありがとうございます
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誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません
改めてありがとうございます
毎日投稿頑張ります




