山芋の鉄板焼き
「どうかしました?」
「いや、さっき先輩に相談したって」
「言っていましたね」
火の精霊さんの先輩さん?ってウチの精霊かと勝手に自分としては勘違いしていたみたいですが、がーさんの顔を見る限り違うみたいで。
「火の精霊付きに相談していたら……マズイかなーって」
「別にそこまで相談することがマズイとは思いませんけど?」
「相談内容についてはね?でも、僕がココに居た事がバレる気がして」
「別に、ここに来てはいけない訳じゃないと思いますけど?」
「まあ、そうなんだけど……この間も一人で美味しいモノを食べ過ぎって言われたばかりでしょ?」
「あー、と言う事は……?」
「もしかすると、もしかするかも?」
火の精霊さんがいつ頃相談をしたのかにもよるわけですが、もしもの場合があるのですぐに確認をしてみると、昨日の事と教えてくれて。
そうなってくれば今日、ココにがーさんが居る事は分かる話。
「来るかな?」
「来るかもしれませんね」
そうなってくると、何にも用意をしていない今の状況は結構マズイ状態。
あまり時間を掛けず、でも満足できるような何かを考えないといけない訳ですが、朝から食べてばかりな一日。ついさっき作ったばかりのバナナマフィンまで食べていて、お腹はパンパンに近い状況。
「お腹にはたまらないけど、見た目や食べた感じがあって……なんて都合のいい料理が……あるかも?」
お腹が一杯だったからか、それとも甘い物を食べて頭が働いてくれたのかどっちが理由かわかりませんが、いい閃きが降りてくれます。
自分はそこまでおなかが減っていない状態ですが、お腹が減っている人に出せば丁度良く、さらにお腹がいっぱいでもついつい手が伸びるような一品。
「とりあえず、用意してみるか」
確実に来る保障が無いので、今から用意を始めると無駄になる可能性もあるわけですが、そこはありがたい神様であるがーさんがきっちりどうにかしてくれるみたいで。
「あ、うん。そう、色々とね?で、今さ交渉をしている訳なんだけど……うん、うん。あ、そう?みんな来る?それならお酒の用意と、夜までしっかりコッチ持ちで楽しんでいいようにお願いをするから、え?あ、うん。ご家族まで一緒は……うん、うん、雅に頷いてもらうから、それ以上はやめよう?うん、うん、わかった」
がーさんがどうにかしてくれるというよりは、どうにかさせられているような空気でしたが、さっき迄とはちょっと違いがあり過ぎるぐらいには顔色が悪い状態に。
「えーっと、全家族が向かってくるそうです」
「全家族?」
「うん」
「今から?」
「今から」
「無茶ですよね?」
「ごめんっ!!!」
謝って貰いたい訳ではないのですが、今から全家族をもてなすようなあれこれなんて難しいわけですが、クイクイっと裾の辺りを口で引っ張るのは火の精霊さん。
「マフィン、焼く?」
「追加でお願いできる?」
「任せて。あと、何かあるの?」
「鉄板を温めたいんだけど、コンロを使うからそっちはとりあえず大丈夫かな」
「多分、出来るよ?」
手伝わないでいいの?って顔でこっちを見て来るのは小さいタマエ状態の火の精霊さん。かなりその姿は可愛いのですが、今頭の中で考えた料理だけでは確実に足りなくなることは間違いが無いので、全体的に余力を残しておきたい所。
「大丈夫。今すぐじゃないけどこの後お客さん達が来るから、その時にマフィンを渡してあげてくれる?」
「わかった」
火の精霊さんにマフィンの追加をお願いすると、わざとらしくお腹がポッコリしている状態を見せて来る精霊とタマエにニコっと笑顔を返してあげると、苦そうな顔を二人ともしますが、お手伝いが無いと確実に色々と間に合わない事が決まってしまうので、ほんの少しだけ申し訳ないと思う気持ちはあるモノの、お願いを二人にしましょう。
「冷蔵庫さんに大量に山芋を出して貰うので、皮を剥いてすりおろすのを手伝って貰える?」
「多分ないとは思いますが、拒否権は?」
「ないねぇ。まあ、拒否してもいいけど、どんどん大変になるかな?」
「悪いのはがーさんでは?」
「他の精霊付きの人達がその言葉で納得してくれると思うなら、まあ、それでもいいよ?」
うぐぐと唸るような声を出しながら、諦めたのか精霊が冷蔵庫さんの方へ。
その精霊を追いかけるようにタマエも冷蔵庫さんの方に行くと、ぽつんと残ったのはがーさん。
「ごめんよ?」
「まあ、ダンジョンに行かないとこういう事もありますよね」
「そう、そう言う事にしてくれると助かる」
「二人の手伝いをお願いしても?」
「オッケーだよ。因みに何を作る予定で?」
「山芋の鉄板焼きですね」
「あー、じゃあ卵とか出汁とか混ぜ合わせて?」
「ですです。自分の焼き加減で食べられるし、ポン酢や醤油、麺つゆと好みの味で味変化も楽しめるので、いいかなーって」
「とりあえずそれを出せば時間は稼げるって事かな?」
「火の精霊さんがバナナマフィンを作ってくれているので、先にそれを食べて貰いながらお酒を飲み始めれば、パンに水分で一瞬お腹が膨れると思うので、時間はかなり稼げるかと」
「そこまで考えてくれているのであれば、お手伝い頑張っちゃうよ!!」
さっきまでヤバそうな顔色だったがーさんの顔色もいつもの状態に戻ったので、とりあえず一人前をこんな感じで出すという事でささっとすりおろした山芋を加工して用意してみる事に。
皮を剥いてすりおろした山芋をボウルなどに入れて、全卵を入れてもいいのですが、上に黄身を乗せたい場合は卵白だけを山芋へ。更にここに味付けとして出汁と醤油を入れたいわけですが、あまり出汁を多く入れすぎるとシャバシャバになってしまうので出汁は少な目の濃い目を入れるといい感じなので、白だしや麺つゆをメインに入れて味付けをするといい形に。
出汁と卵を加えた山芋が出来上がったら、後はスキレットと呼ばれるタイプの鉄鍋などにこの出汁入り山芋を流し込むのですが、風味があるとやはり食べやすくなるので、先にゴマ油を敷いてから山芋を流し込みます。
上に卵黄を置いて、後は焼けるのを待つばかり。
あまり触らずに上から韓国のりを散らして、更に白ゴマなども散らすと見た目も味もそそる形に。因みに緑色が欲しかったらネギをぱらぱらと追加してもいい感じ。
私はついつい食べ過ぎちゃうのであまり教えたくないのですが、実はマヨネーズも合うので、味変化の一つにあってもいい感じ。
「こんな感じのものを一気に作っていく感じですかね」
「コレは、美味しい」
「うまうま」
「熱々?」
「ゴマの香りに優しい味付け。いくらでもおかわりも出来るし、卵黄はコクがあるし……最高だね?」
後はゆっくりする午後かと思っていたのですが、何というか忙しい週末に。
もう少し用意が出来てから来てくれると嬉しいのですが……どうなりますかね?
スッゴイ食べられるように見えますよね。。。
作者も呆れる程食べている気がします……が、時間を空けているので多分食べられるような気も。。。
一人ではない、場の空気、流れ。
そういうものを加味すれば、多分ペロッと食べられるような気も。
食べ過ぎな一日となりそうですが、たまにはいいんじゃないかなぁ(笑)
因みにですが、この料理某有名チェーン店さんに行くとほぼ毎回食べていた気が。。。
こういう鍋が家に一枚欲しい気はするのですが……多分使いこなせない気も。
欲しい気持ちで買って、上手く使えず肥やしに。。。
ああ、買ってないのにイメージが出来る。。。嫌だなぁ(笑)
まだまだ休日は続いちゃいそうです(苦笑)
今回も読んでいただきありがとうございます
目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです
誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません
改めてありがとうございます
毎日投稿頑張ります




