★ダンジョン21
部屋に入ると、結構な数の敵を倒せたのかまだ残り火に焼かれているヌートリアが見えます。それも、少し経てばどうやら持続ダメージでやられたようで煙になって魔石をコロンと落とします。
「結構いい感じに殲滅できていたかな?」
「みたいですね」
部屋はトラップのモンスターハウスと同じぐらいの大きさで敵の数は結構入りそうですが、先制攻撃がしっかりと効いたようで敵の数は半分以下。というか、部屋の中に残っているのは五匹程度でかなり倒せたか様子。
モンスターハウスの敵は精霊の言う通りで前の階と一緒でスケスケルトン、ヌートリア、エコーバットにスライムの四種類。
ただ、残っているのはスケスケルトンが二体にヌートリア、エコーバット、スライムが各一体ずつと視線はこちらに向いていますが、多少ダメージはあったのか動きは緩慢。
このまま一気にやれそうに見えるのでパッと見ながら敵に優先順位をつけて倒して行く事に。
「まずは、そこっ!」
木刀は部屋に入るときに出したので、風を飛ばして狙うのは勿論エコーバット。
直線状に居ないうえ、スケスケルトンの後ろに居ますが部屋の罠を避けながら何とか直線状に移動して、遠距離攻撃を放ちます。
風刃を使ってエコーバットに向かって放ち、どうやらそれがしっかりと当たったようで、エコーバットが煙になって魔石をコロンと落とします。
ただ、ここで誤算が。
最初に魔法で敵をある程度倒していたのもあって、魔石は部屋中に落ちてしまっていたのです。という事は、勿論掃除の感覚で魔石を食べるスライムにとって餌のような状態。
一番奥の方にいたスライムはキラキラと花火を体の中で咲かせるように綺麗な色に。
「あれは、ヤバいよね」
「早めに倒した方がよさそうですね」
奥の方なので罠を避けての移動が必要ですが、前の時の様にレッドスライムになってしまうと困ります。早めに倒したいという気持ちがあってとりあえず一発当ててと、風刃を想像して放ちます。
「風っ!」
木刀から斬撃を飛ばす様な形で横薙ぎの風刃が飛びますが、スライムはギリギリで横へ避けます。
「外したか」
もう一発でいけそうだったのでそのままもう一撃を放とうとしたのですが、横からいきなり魔石が投げられてきます。
魔石の狙いはどうやら僕の上半身。結構な速さだったので、思わずよろけます。
この階層に何か物を投げてくる敵はいなかったはず。でも、現に投げてきているのでそれは何だと視線を向けるとそこに居たのは、スクワラル。
「アイツ、居た?」
「いえ、あそこにはヌートリアが居たはずですが」
スクワラルはこの前トラップ部屋でクロウと一緒に出てきて倒したばかり。確かにあいつはモノを投げる習性があったのは覚えていたので、たしかモノがあるとどんどん投げて来る筈。
スライムが倒せなかったので焦っている状態で更にいなかったスクワラルが出て来るのでどちらから対処すれば迷ってしまいます。ただ、それが今回は悪手だった様子。
そこに居たはずのスライムは見当たらなくなってしまったので、仕方なく次の投げる物を探しているスクワラルから倒すことに。
こちらが近づくとテイルアタックをしてきますが、見えていれば何とかなります。
ガードをして、逆に出っ張っている前歯を出来る限りの速さで近づいて突きの一撃。
悲鳴のような声を上げてスクワラルも倒せたので、一安心のはずだったのですが、そこには見たことのないモンスター。
「アイツは、なに?」
「ダンジョンの話をしたときに話したスライム纏いのスケルトンでしょうか」
「スケスケルトンじゃないの?」
「骨の量が結構あるので、何とも言えない感じです」
そこに居たのは二体分のスケスケルトンを一体に纏めてさらにスライムを纏っている見たことのないモンスター。スケスケルトンよりも明らかに骨の量が多く、持っている手の骨も今までの様なこん棒状の大腿骨のようなものではなくて細くて鋭い、殺傷能力のありそうな骨。
ただ、パッと見で分かりやすいのは多分弱点。
肋骨の奥に真っ赤な感じで核が見えています。まあ、見ているから倒せるかと言うと、そう簡単な話でもなさそうなのが辛い所。
「多分、弱点はあの心臓部分の核だよね」
「ですね。色的にもスライムの核でしょうからあそこを潰せばイケそうですが……」
「うん、一回下がった方がよさそうだよね」
精霊と急いで話をつけて、一番近くの通路へ。勿論スライム纏いはこちらを追いかけてきます。そして、骨が増えたからか動きも結構機敏に。
「早くない!?」
「スライムがいい感じに関節を動かしているように見えますね」
「そう言う観察した結果はいいから、どうしたらいい?」
「多分、スライムなので物理攻撃はかなり効きづらいかと思うので魔法の方がいいかと」
「なるほどねっ」
ブンブンと骨を振ってくるのですが、結構いい音で振り回してくるので当たったらただではすみそうにありません。
そして通路もあまり進めば反対側から別のモンスターが来る可能性もあるので安全ではないので、結局倒すしかありません。
逃げながら何とか一撃を当てたい所。
相手は骨で物理には強いけど魔法に弱い。そして弱点はちょっと奥まった所。
後ろから追いかけてきているのはシッカリわかっているので、覚悟を決めて向きなおし。
内側へ向けての一撃で心臓のような核をしっかりと貫けるものなら用意があります。
「アースランスッ!」
しっかりと頭で想像をして範囲というよりは単体に向けての形。地面から土で出来た槍がドスドスとスライム纏いに刺さります。槍は四本以上一気にスライム纏いを貫き、そのうちの一本がしっかりと核を貫けた様子。
少しの間ぶるぶると震える様に動き、ブンブンと骨を振っていましたがそれもゆっくり止まると煙を出して魔石がコロンと落ちます。
「危なかった」
「倒せましたね。それにしても結構強そうでしたが、小の魔石ですか……」
「極小じゃないだけましと言いたいけど、割りには合わないね。というか、戻って早く魔石を回収しよう」
スライム纏いの魔石を拾って、来た道を戻って罠を避けながらモンスターハウスの魔石を回収。結構スライムが食べてしまっていたようで、魔石は三つ程しか回収できません。
「モンスターハウスはやっぱり怖いね」
「ですね。まあ、久し振りにスライムの綺麗なのも見られましたけどね」
「いや、まあ見えたけどあまり余裕なかったからなぁ」
何とか今回もモンスターハウスを乗り越えられたようです。
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誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません
改めてありがとうございます
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