鯛とホタテのカルパッチョ
焦っている時の時間は凄い速さで過ぎるモノで、何とかひねり出した一品は鯛とホタテのカルパッチョ。
作り方は捌くことが無ければ簡単。
鯛はサクがあればいいですし、ホタテも今はむき身があります。
両方刺身用に準備してあれば、サクは刺身の様に切って、ホタテは肉厚であれば二枚から三枚にして刺身に厚さを揃えます。
二種類のメインの準備を終えたら、後はサラダ仕立ての様にキレイに盛りつけ。
ベビーリーフ、プチトマト、かいわれ菜などを下に並べて鯛とホタテを同じく並べて、後はソース。
お酢をベースに、オリーブオイル、塩、隠し味程度の砂糖そして決め手にもなる柑橘類。
時期のモノがあればそれを絞ってあげればいいですし、コレと無ければ今日の様にレモンを絞るのでもオッケー。砂糖を抜いてオレンジで代用というのも結構美味しくていいのですが、個人的にはカボスや柚子などもお勧め。
味見をしっかりとして、後はお客さんが来てからかければオッケー。
「来たよー」
いつもの様にがーさんの声が聞こえてきたので、オーブンにグラタンを入れてセットをしてから挨拶に。
「こんにちは、いらっしゃい。今日はいきなりでパンをお願いしてすみません」
「いやいや、こっちこそグラタンをお願いしているからね。この位なんて事は無いよ」
パンを受け取って、すぐにお客さんを席へ案内。
グラタンのチーズは結構いい感じに溶け始めて入るのですが、もう少し焼き色が欲しいのでパンを切ったり、サラダ代わりのカルパッチョを出したりして待ち時間を潰してもらいます。
「先に、こちらをどうぞ。鯛とホタテのカルパッチョです」
作ったばかりのソースをかけてそのまま提供をするだけ。色合いもプチトマトの赤にベビーリーフやかいわれ菜の緑、そして鯛とホタテの白にオリーブオイルが混ざっているのもあってソースの黄色。
「コレはまた綺麗な」
「美味しそうだな」
味の自信は勿論あるのですが、見た目も楽しんでいただけたようで何より。
「すぐメインをお持ちしますので、ごゆっくりお楽しみください」
急いで厨房に戻るとパンのカット。
買ってきてもらったのは注文通りの長いバケット。コレをきもち厚めにカットして紙を敷いたパンバスケットに乗せます。
買ってきてもらったパンは人数分なのか九本。とりあえず半分程度と六本分なのでバスケットも二つ用意したのですが、結構パンパンに。
それを持って行って、そのまま食べる人も居るはずなのでお皿やバター、オリーブオイルと塩はテーブルにあるので案内だけで大丈夫でしょう。
オーブンを確認するといい感じに表面に焼き色が付いたので、出来上がり。
そのままでは熱すぎるので、キッチンミトンをつかってお皿に乗せて、熱い上に滑りやすいので今日は二つずつで。
「オーダーのグラタンです、ごゆっくりお楽しみください」
すぐに出るのが分かっていたのか、皆さん待っての一口目。
グラタンなのでスプーンかフォークか少し悩んだのですが、具材の切り方もバラバラだったので、今日はフォークを出したのですがパリパリといい音でフォークが刺さってからの皆さんの反応がなかなか面白い事に。
「んぁ?グラタン?」
「これは、大根?」
「ホワイトソースだよな」
「……(口に放り込んで熱くて喋れない)」
「マカロニが無い?」
「あらあら、ヘルシーね」
「なるほど、そう来たかぁ」
と、反応は様々。
食べてみるとわかるのですが、思っているよりもあっさりしていて、悪く言えばボリュームは少ないような感じを受けるのですが、パンと合わせてみると中々これがいい物で。
チーズのとろーりとしている所をパンで掬えばちょっとしたチーズフォンデュのような味わい。エビとホワイトソースを掬って食べてみると、見た目は全然違いますが味はクロックムッシュの様な感じ。勿論大根と合わせても大根が色々な旨味を持っているのでかなりいい味。たまーに薄い味のこともありますが、それも含めて丁度いいバランス。
「コレはパンが欲しい理由が分かるね」
皆さんが頷いているので、
「少しだけ飽きたら、この食べ方もどうぞ」
そう言って用意するのは小皿。
オリーブオイルを小皿にたっぷり入れて、後はこれに付けるだけ。
「オリーブオイルだけ?」
「ええ。甘みを引き出す為に少量の塩を入れてもいいですよ」
やっている人は結構やっている食べ方なので、今更かもしれませんが、結構パンはオリーブオイルが合います。そして、この食べ方だとかなりさっぱりするのでまた少し味が欲しくなって、グラタンやカルパッチョが欲しくなるという永久ループ。
勿論、バターも用意してあるので普通に食べても大丈夫。
「すぐにコーヒーをお持ちしますね」
スープ系が無いので、お水だけだとそのうち辛くなると思うので食後のコーヒーを今日は早めに出すことに。
皆さんかなり楽しんでいただけたランチになった様です。
こんな感じでお昼は終ったのですが、ずっと厨房は忙しいまま。
その理由は、勿論いつもの。
「雅、カルパッチョ美味しいです。あ、ついでに私のパンも」
「お客さんに出したらね」
のっけからこんな感じで、
「一人一本は余裕ですね。客席から聞こえたオリーブオイル付けのバケットの食べ方美味しくておかわりしそうです」
「とりあえず一本で我慢してね?」
こんな感じになって、
「まさ、今日のランチ凄く美味しかったです」
「それは良かった。皆さんにコーヒー出すけどいる?」
「ええ。下さいな」
コーヒーを出して食後の空気が出ていたと思ったのですが、
「大根のグラタンもよかったので、普通のグラタンも楽しみです」
「あー、夕飯ね?」
「因みに今日はいつも通りですか?」
「うん。木刀作成に余ったらつむじ風の練習かなぁ」
「それでしたら、いまから作った方がいいかもしれないですね?」
「え?」
「帰ってから作るのは大変でしょうから、コレから作って行った方がいいのでは?」
それはそれで少し面倒な気もしますし、マカロニを茹でるのにも時間はかかります。
結構判断が難しい昼下がり。
結局グラタンは後にしたので、精霊からのブーイングがあるのですがそれはあとでの話です。
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