豚の角煮まん
昨日の夕食は時間をゆっくりかけて作ることが出来たので、その間に色々と考え事も捗りました。
主には二つで、今後のダンジョンの事と木刀の納品について。
木刀の納品は七日に一本程度でもいいという事で話が決まったので、ゆっくりとで良さそうなのですが、問題はダンジョンの方。
この間のモンスターハウスの時に思ったのはもしあの時に範囲魔法などがあれば初めの時点で敵の数をぐっと減らすことが出来たのではないかという事。
頭の中で色々と想像をしてみたのですが、どうにも威力が強くなりすぎているようで色々と考えながらの時間はとても最適で。
その時にもう一つ思ったことはこの街にあるであろう魔法の売買をしているお店を覗いてみてはという考え。豚バラ肉をコトコトと煮込みながら精霊に確認をしてみると、うぅんとあまり色よくない返事。その理由を聞いてみると、
「こちらの世界の魔法はこちらの世界での常識で作られているので、参考程度にしかならないと思いますし、悪く言えばそういう風にしか考えられなくなってしまう可能性があるので、それは可能性を潰すことにもつながります」
「可能性を潰す?」
「ええ。例えば火を想像してくださいといったらどういうモノを想像しますか?」
「火だよね?それなら普通に調理場のコンロを思い浮かべると思うよ」
ぱっと思い浮かぶ火はやはり身近なものから。
「では、花火は火でしょうか?」
「花火?あれは火薬が燃えているわけだから一応火って言われれば火かな?」
「では、太陽は?」
「太陽も燃えているから火だね?ああ、なるほど何となく言いたい事は分かったかも」
「分かりましたか?」
精霊が言いたい事は火といったら調理の火だけと固定されてしまう事への懸念でしょう。
火と言っても色々な火があって、水も風も土もそれは同じ。
頭が固くならないようにという意味で精霊が言う事は正しく思えます。
「なんとなくは。例えるのは難しいけどわかったよ」
「という事で、ご自分で考えていただいた方がいいかと」
「わかったよ」
こんな会話もあって、色々と考えたのですが範囲攻撃はちょっと良さそうなものが何個か浮かびました。
そんな昨日があって、今日は木刀を作りがてらちょっとそれの練習もするつもり。
朝起きて、朝食を取ってお昼の仕込みを始めます。
今日は悩む必要のない、ある意味ボーナスのような日。
昨日の角煮があるので、それをそのままとも思ったのですが折角ならばちょっとした名物料理に化けさせてだすのも楽しみ。
「よし、やるかな」
ピザやタコスの時と同じ様な具材でまずは生地を作りましょう。
強力粉、薄力粉、お水は同量。砂糖、塩、少量の油にベーキングパウダーとドライイースト。コレを混ぜてしっかりと混ざったらピザの時と一緒で一度しっかり発酵させます。
なので、混ぜ終ったら濡れ布巾をかけてある程度の温かさの場所でゆっくりと待つことに。
昨日に引き続き待ち時間があるので、範囲攻撃をもう少し考えてみることに。
今考えているのは土の魔法で地面に作用するもの。ただ地面から離れている敵も居るので、もう一つは出来るだけ飛んでいる敵も倒せるものが望ましいのですが、
「うーん、火の玉を炸裂させるのも悪くないけど危ないよなぁ」
最初に思い付いたのは火の玉を投げつけるタイプなのですが範囲となれば着弾と同時に爆ぜるのがいいと思っては見たのですが、それだと自分も結構危なく。だからと言って方向が前方だけというのも範囲が少し弱いので悩みどころ。
ただ、コレもあまり悪いわけではないので一応採用はしたいのですがいかんせん危な過ぎて試すことは難しそう。
それと魔力量が足りるかどうかも怪しい所。
そんな感じでうーんと唸りながら考えているとタイマーがピピピとなります。
一次発酵が終った様なので、軽くガス抜きをして二次発酵。
メインはこれでと決まっていますが、流石にコレだけでは少し足りないと思うので、もう一品を準備。コレは後程楽しみにという事で、二次発酵も終わったら形作っていきましょう。
軽く生地を伸ばして、具合を確認。大丈夫そうだったら長細い形に作って片面に油を塗ります。
クッキングシートを敷いた上に二つ折りにした生地を置いたら、同じ形を何個も作ります。その間に蒸し器の準備。
二つ折りの生地を十分ほど蒸らせば生地もふわっともちっと出来上がり。
後は真ん中に昨日つくった角煮を入れて、煮卵は半分に切ったものを入れて、色合いが欲しければ塩ゆでしたチンゲン菜を一緒に挟むと緑も映えます。
後はこれをもう一度蒸し器の近くへ。
食べる前に蒸し器で五分ほど温めれば出来立てになるので、今日のランチのメインの出来上がり。
「おおぉ、雅今日のお昼が出来たのですか?」
「出来たけど、味見は無しだよ?」
「なんでなのです!?」
「いや、だって食べたらお昼がそのまま無くなるよ?」
「でも、出来立てが食べたいのですが?」
「一応一人三個ぐらいを考えているけどその分お昼が一個へっていいのなら、出すけど?」
「減るのは嫌なのですが、仕方ないですね」
という事で出来立てを精霊は食べたい様子。
すぐに角煮を挟んでまだ生地も熱々なのでそのまま渡すことに。
「では、お先にいただきます」
「どうぞ、めしあがれ」
見えない手を使うのも慣れてきているようで、手づかみで精霊もランチの試食を楽しんでいる模様。
結構大きな一口で食べているようですが、
「んまいっ!!」
「それはよかった」
「あの、昨日もかなり美味しかったのですが、今日の方が更に美味しい気がしますが?」
「そりゃあ染み込むからね。昨日より今日の方が美味しいのは当たり前だよ」
「そういうモノを作っていたのですね」
「まぁね。んー、精霊のを見ていたらお腹が減っちゃったから僕も一つたべるかな」
お昼には少し早い時間なのですが、コレは作る人の特権という事で。
出来立てをパクリと一口。
昨日よりも味が少し濃く、いい感じに煮詰まっている角煮。
脂身の部分は柔らかくすぐにトロっと口の中で溶けて、肉の部分も柔らかく一嚙みでほろほろに。
「コレは作って正解だな」
自画自賛をしてしまう位には美味しいお昼のメインが出来ました。
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