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ポテトサラダパン(カレー風味)

 もちろん作るのはコーンフレーク。

 作り方はこの間やったばかりなので精霊に聞かなくても大丈夫。

 コーンの缶を開けて、濾して、粉と砂糖を入れて混ぜて。

「前回ここはレンジで温めたけど、今日は魔法で」

 オーブンシートに伸ばすのは前回と一緒。

 準備も出来たので火を想像します。

「火よ」

 ボゥっと火が指の先に。

「これをもう少し近づけて……」

 チリチリと少しずつ焼けているのは分かりますが、いかんせん火力が足りない模様。

「んー、火力を上げてもう一回作ってみるか」

 一度火を消してもう一度。

 さっきと違い、火力を上げるとなれば想像するのは青い炎。

「火よ」

 もう一度火を作るとさっきよりも反応は良くなります。

「よっし、これでどうだ?」

 近づけて、少し離してとなんどかやってみたのですが、

「ダメだ。焦げちゃう……」

 今度は火力が高すぎたようで、一気に焦げてしまいます。

 あまり食べ物を粗末にしたくはないのですが、流石にこれは食べられそうにありません。

 仕方なく捨てて、もう一度シートにコーンを乗せます。

「精霊、何かアドバイス貰える?」

 どうにも同じ失敗をすぐに繰り返しそうだったので聞いてみます。

「ご自分でもう少し考えないでも大丈夫ですか?」

「考えても浮かばないから聞いているの」

「では、僭越ながら。形を整える事をお勧めします」

「形を整える?」

「はい。あまりヒントになりすぎるといけないと思いますので、どうぞそのままお考え下さい。私はアレがどういう晩御飯になるのか検索中です」

 精霊はさっきのがまだ食べたいようで、それだけ言うとふわっと消えます。

 貰ったヒントは形を整える。

 二回やった火は炎の形で。アレはアレで整っていると思うけど、違うって事?

 火で形が整っているもの?

 想像してみるのですが、思い浮かびません。

 大体の炎はさっき自分が作った形のモノで他に想像できたのは、一つ。

「太陽?」

 アレは熱の塊、こっちの異世界ではどういうモノなのかわかりませんが、地球ではアレは遠い星。炎の塊です。

 それを作るとなれば……。

 想像するのは火の玉。

「ファイヤーボール」

 出来たそれは先程よりも熱くしっかりと熱がこちらに伝わってきます。

 さっきまでの炎の形では近くにいる自分には熱さをそこまで感じることはありませんでしたが、今目の前の炎の塊は熱く感じます。

「なるほど。形か」

 形もしっかりしているので距離を離すも近づけるも難しくありません。

 同じ事をしているのですがさっきとは違ってかなりいい感じに火が通っているように見えます。

 表面がイイ感じに焼けてきたので火を止めようとします。

「あれ?残りそう?」

 いつもの火はそのまま空気に消える様に無くなりますが今回の火の玉はどうにもその感じが無さそう。

「ヤバい」

 魔力を切れば消えると思っていたので、残るとは思っていなかったのは仕方ないのですが、そのまま火の塊が下へ。

 魔力が切れて小さくはなっていくのですが、コーンフレークは当たらずにオーブンシートへ。そのまま燃えるというよりは一気に消し炭にシートが焦げます。

 幸いにして火の玉は小さくなっていったので、シートと鉄板の一部が焼ける程度で火は収まりました。

「危なかった……」

 火一つとはいえ、やはり危ない。

「形が違うと、残り方も違うのか」

 少しだけで来たフレークを食べてみたのですが、とりあえずは及第点。

「少しサクサク感が少ないけど、これなら大丈夫かな」

 まずはこれを練習してみることに。

 これが出来たらやってみたい事も出来ましたがそれは出来るかどうか精霊に質問をしてみたいところ。

 もう一度とオーブンシートにコーンを敷いて、さっきと一緒を繰り返し。

 そして、気が付いたことが。

「思っていたよりも魔力がなくなっている?」

 昨日よりも少ない回数しか使っていないのに少し怠い気がしてきます。

 気のせいと思ってもいいのですが、そんなことも無い感じ。

「魔力の消費量が違えば、疲れが早まるのは必然です」

 いつの間にか精霊が戻って、言ってきました。

「どゆこと?」

「本来火は繋がっている場合はそれだけの消費です。ですが形を伴ったので形に対しての魔力消費が上乗せされます。てっきりそれを理解したうえで昨日から水を作っていると思っていました」

 何を言っているのか思い出してみると、確かに自分は初めて魔法を使った時はウォーターボールを作っていて、それ以降はただ漠然と水に変えていました。

 でもそれは意識的にした事ではなく、同じものだと思っていたため。

「知らないよ。言われるまでわからなかったし」

「では、そういう事です。形を作り維持するにも魔力は必要です。さて、そろそろお疲れの様子。お夕飯にしますか?」

 時間としてはまだそれほど過ぎていないのですが、疲れは結構なもの。

「わかったよ。すぐ作るから」

「お夕飯仕様でお願いします」

 ウチの食いしん坊の精霊の話に乗ります。

 といってもやることはいたって簡単。

 パンを一枚取り出します。片面をトーストしたら、ひっくり返します。あえて柔らかい部分に先程作った肉じゃがをアレンジしたポテトサラダを乗せて、さらに上にマヨネーズ、香り付けにカレー粉と塩を軽く。

 あとは乗せたマヨネーズがイイ感じに焦げれば出来上がり。

 別にこんなことをしなくても、そのままパンに乗せてマヨネーズ量だけ調整して塗って食べるディップのような状態でも十分美味しくいただけます。

「お待たせ、精霊」

「ふふん。検索結果と一緒ですね。私は見抜いていましたよ」

「そう。まあどうぞ」

「ええ。いただきます」

 ふよふよと浮きながらトーストを食べる精霊を横目に自分はディップな感じでの少し早い夕食です。

「形も魔力が必要なのね?さっき思ったのだけど、火の串を作ってお肉とか焼けると思う?」

 思い付いたままを聞いてみます。

「可能か不可能かで言えば、可能です。しかしコントロールがかなり難しいかと」

「コントロールねぇ」

「温度のコントロールが、です。火で作る串にお肉を刺したらお肉は焦げるかと」

 ああ、そりゃそうだ。

 思い描いたのは中からジックリ火を入れられる温かい串。それは難しいのか。

「だめかー」

「おかわりをお願いします」

 がっくり肩をゆっくりと落とす暇なく、精霊のおかわりの声。

 精霊のおかわりを作って、お湯を沸かして。

 まだまだ魔法での調理は難しそうです。




今回も読んでいただきありがとうございます

もしよければもう少し下の☆評価もおねがいします

目に見える形の評価、かなり嬉しいです

ブックマーク等をしてくださった方も重ねてありがとうございます

毎日投稿頑張ります


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― 新着の感想 ―
[一言] ふよふよの検索は凄いなぁ。 ただ食べるのだと思ってた。熱燗なんかのあてに。ほほほ
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