★サスマタ?
調理が無いので、いつものです
お楽しみいただけると幸いです
食べおわって食後のコーヒーを出して、ちょっと休憩の様な空気が出たのでこの後の予定の話を皆さんにしてみることに。
「あの、少し聞いてもいいでしょうか?」
「ん?どうしたんだい?」
皆さんコーヒーを飲みながらなのでゆっくりとした空気。
別にそれを壊そうと思っているわけではないので、パパッと紙に一枚の絵を描いてそれを人数分量産していきます。多少の差異はこの際問題が無いと思うので見て分かれば大丈夫なはず。
「この武器、というかアイテムを作ってもらおうかなと思っているのですが」
「コレは?」
皆さんに見せたメモ用紙に書いたのはサスマタの絵。書き方も雑になっているので単純にUの幅を少し広げて書いて、下に棒を一本つけただけの形の絵です。
「コレが武器?」
「えーっと、がーさんは知っていますよね?」
「勿論。ただ、そうだった。こっちにはないから、使い方も多少の指導は必要かもしれないね。その辺りはどうする?」
「あー、簡単な捕縛までだったら一応出来ますけど」
そんな感じで話をしていると、
「なぁ、それは本当にそういうモノなのか?」
「え?」
「多分捕縛も出来ないし、簡単に抜けられるぞ?」
思っていたのとは全然違う言葉が返ってきました。
「土の、魔力でぱぱっと作れるだろう?頼めるか?」
そう言って、火の精霊付きの人が言うとコクリと土の精霊付きの女性がそのままの形を作ります。
「よし、じゃあそれを持ってとりあえず俺を捕まえてみろ」
「ええ、行きますよ」
僕の習ったモノは結構乱暴なタイプ。確実に相手を抑え込むものですが……。
手に持った感じ、サスマタは地球の時とあまり変わらず。ただ、土で出来ている分若干重さはありますが、それでも取り回しが難しくなるほどの重さはありません。
Uの字を相手に向けてけん制をするように槍を構えるような形で、左足と左手が前の形で回転を使って、右手を前に出しながら一気に火の精霊付きの人の首の当たりを狙って当てます。
「うぉっ」
思わずそれを片手で払って、距離を取られてしまいますがまだまだこれから。
今は一対一でやっていますが、本来は多対一での装備と言うのもあって若干攻撃力のなさが際立ってきます。
「なかなかやるな。だが、その程度ではやれん」
そう言うと、火の精霊付きの人は身体強化を使ったようで、一気にコッチヘ。
いきなりすぎる行動だったので避けることも出来ずそのまま後ろに立たれて、
「俺の勝ちだな」
そう言われてしまいます。
「強いですね。油断しているつもりはありませんでしたが、負けましたね」
「ダンジョンを楽しんでいるのも聞いていたが、なかなかやるなぁ。お前さんぐらい使えれば十分な武器になりそうだな」
「ええ、そうでしょう?」
「ただ、やはり実用性には欠けるように思えるぞ」
「そうですか」
「例えばだが、こうやってだな」
火の精霊付きの人が壁に立ってサスマタを構えさせてくれます。
そのままサスマタを胴の部分にカッチリと嵌めて動けなくさせる形が出来たのですが、
「多分こうやって、相手を制圧させるためのモノだろう?」
「ええ。まあ今は一人ですが、二人や三人以上で頭、腰、足などを固定して動けなくさせるものですね」
「だろうな。だが、こうやってしまえば……」
火の精霊付きの人が両手を使ってサスマタのUの部分を持つと簡単に抜けられてしまいます。それもこちらがかなり強く壁に押し付けていたのにもかかわらず。
「その武器、元々からかけ離れているんじゃないか?」
「えーと、そこまでは詳しく知らないですね。精霊居るなら、調べられる?」
「ええ、ちょっとお待ちください」
一応で精霊に聞いてみるといつの間にか近くにいたのかすぐに検索をしてくれる様子。
「出ました。かなりそのサスマタは変化をしていますね。元々はもっと刺々しく槍に近いもののようですね」
「あー、そうなんだ」
「どちらかといえば、家を壊す為に消防士たちが使っていた様です」
「だろう?これじゃあ武器にはならん」
門番さん達が要望をしていたのは非殺傷の武器。だから木刀が欲しいと言っていたのでサスマタを思い浮かべたのですが、なるほど。これでは役目が果たせない可能性が高そうですね。
念のためで質問をしてみたのですが、思っていた以上に収穫になりました。
「サスマタの提案はちょっと保留がいいかもしれないですね」
「だねぇ。いやぁ、僕も悪くないと思ってサスマタがいいんじゃないのなんて軽く言ってみたけど、やっぱり使わないとわからないものだね」
そんな感じでがーさんもちょっとがっくりしている様子。
「珍しい事もあるもんだ。がーさんの提案だったのか」
「提案と言うか、相談したときに一つの形で教えてもらっただけですよ」
「尚更だ。まあ、ダンジョンにしろこの街にしろ楽しんでくれるのは何よりだからな。今日のランチも美味しかったよ」
皆さんが火の精霊付きの人の言葉に頷いて、がーさんも苦笑い。
土の精霊付きの人がニコッと笑うと手に持っていたサスマタはそのまま何も残らずに消えてしまいます。
「結果は伴わなかったが、相談してよかったかい?」
ちょっとだけ疲れたような顔をしてがーさんが聞いてきます。
「ええ。とっても為になりました。また相談させてくださいね」
そう言うと、皆さん一様に頷いてくれました。
「あ、勿論私も相談に乗りますからね」
「うん、頼むね」
最後に精霊がそう言ってくれて今日のランチはお開きに。
さて、とりあえず木刀を作ることに対しての返事をしに行くとしましょう。
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