アサリとしめじとベーコンのパスタ
いつもよりも少し早い時間になるとどうやらお客さんが来たようです。
「こんにちは、いらっしゃい」
「少し早めに着いてしまったよ。ダンジョンにまた行ったみたいだが、どうだった?」
「成果はそれ程ありませんでしたが、楽しかったですよ」
「それは何より。っと、皆もそわそわしているし早く入らせてもらおうか」
「ええ、どうぞ」
お客さんが入っている間に、お水とおしぼりを準備してお客さんに出したら、すぐにランチを完成させましょう。
一品はミートソースなので、パスタを茹でて茹で上がったらくっつかないようにオリーブオイルを軽くまぶして混ぜて後は盛るだけ。
もう一品はお客さんが来るまでの間に作っていたアサリとしめじとベーコンのパスタ。
アサリはシッカリと砂抜きをして砂抜きが終ったら貝同士をこすり合わせる様に洗って綺麗にしましょう。今日の料理も下準備が大事。
しめじは包丁で根元を落として後は手でバラバラにして、ベーコンは薄いものであれば大きめに切って、分厚いタイプのモノの時はキノコに合わせた大きさに切りそろえればオッケー。あ、忘れちゃいけない決め手のニンニク。すりおろすのがいいのですが、面倒であれば薄くスライスでもオッケー。
作り方も簡単で、最初にほんの少量の油を敷いてベーコンとしめじを炒めます。
火がしっかりと入ったら、しめじとベーコンを取り出して同じ今のフライパンのままニンニクとあさりを入れます。
あれば白ワイン、無ければお酒を入れて蓋をして蒸し焼きに。
貝の口が全て開いたら、取り出していたしめじとベーコンを戻して軽い味付け。
黒コショウが個人的にはお勧めですが、無ければ普通のコショウでも大丈夫。汁気は結構少ない状態になると思うのでとりあえずはここまで。
後はパスタを茹でて、茹で汁とパスタを一緒に和えれば出来上がり。
茹で汁だけで塩味が足りない場合は少しだけ足して、逆に多い場合はお水を足して薄めればオッケー。こんな感じの二種類のパスタが今日のメイン。
こちらのパスタは最後にほんの少しのごま油を掛けてあげるとグッと食欲が湧くので、それも忘れず。
「ミートソースも、アサリのパスタも美味しそうですね」
「いま精霊の分も作るから、ちょっと待っていて」
「ええ、ゆっくり待たせてもらいます」
パスタとはいえ、作るのは七人前。
一気に茹でて、一気に完成とはやはり行かないので四人前ずつの二回に分けての提供をさせてもらって、出していきます。
勿論ランチなので先に用意しておいたサラダとスープも。
サラダはいつも通りのグリーンサラダなのですが、ちょっとだけ贅沢にしたかったので、ホワイトアスパラを乗せたグリーンサラダに。
そしてスープ。今日はメインが二種類だったので手抜きといきたかったのでこの前のストックを早速使用。
作り方は単純明快。鶏ガラスープだけで飲める味になるので、ガラスープを鍋で沸かして自家製の冷凍餃子を入れるだけ。一人一つの計算で餃子を入れただけの餃子スープの完成です。
「お待たせしました。本日のランチ、二色パスタとサラダとスープです」
「二色パスタ?」
普通の白い大皿にミートソースとあさりとベーコンとしめじのパスタが隣り合って置いている感じ。若干あさりのパスタの方の汁気が多めなので味が混ざりそうに見えますが、実は混ざってもそれはソレで美味しいという感じに作っているので問題なし。
本当はミートソースにもにんにくのみじん切りを入れたいところですがストックとなると香り系は飛びやすいのでワザと入れなかったので、それを隣のパスタが補う形。
そしてふわっと香るごま油がパスタなのにちょっと中華な雰囲気を醸し出して、スープを見れば中華な感じ。
でもサラダは洋食のままなので、一食のランチで二色を楽しめるというちょっとだけ贅沢仕様。
「すぐに四人分お持ちするので、待たずにどうぞ」
「「「「いただきます」」」」
先に出した四人が食べ始めます
同じ作業をもう一度して、精霊の分も出来上がり。
「どうぞ」
「待っていました」
後ろでは精霊が食べ始めて、お客さんにもランチの提供が終って一段落。
ほんの少しの休憩時間になったので、厨房に戻ると、
「雅、コレは凄いですね」
「ん?どうかした?」
「さっき言っていた混ぜると美味しいのがよくわかります」
「ニンニクが少し効くと違うよね」
「ええ。ですがアサリの殻が面倒になってくるのですが……」
「それもまたおいしさの一つだから」
「アサリの殻が美味しさですか?」
「そう。自分の手でやる方が美味しい事もあるの」
殻が無いとどんどん食べられてそれはそれで美味しいのですが、見栄えも殻がないとパッとせず、ちょっとだけのこの面倒さ加減がじつは美味しさの一ピース。
まあ精霊は手がないので、魔力操作で殻を外しているのですがそのうちこの行動の美味しさも分かってくれるのかは微妙ですが、どうなのでしょう?
そんな感じに考えていると客席から声が。
「はーい」
呼ばれるままに行くと、がーさんが、
「トースト出来る?」
聞いてきたので、即答を返します。
「出来ますよ」
「えーと、居る人」
手は七本すべて上がったのですが、女性陣は少しもじもじしているので、
「女性の方々は半分にしましょうか?」
「是非そうして」
「ありがたいわ」
「……(無言で左右に首を振る)」
声の小さい土の人以外は半分という事で、厨房でトーストを焼きます。
「ん?雅、トーストですか?」
「うん、皆さん少しだけ足りなかったみたい」
「では、私の分もお願いします」
「はいはい。わかったよ」
「あ、雅の言っていたあさりの事ですが、私なりに考えてみたのですがこの手が汚れることが楽しみにもなるという事でしょうか?」
「あー、そうだね。それはあると思う。まあ、回数を重ねて覚えていこう?」
「ええ。こういう料理がまた出るという約束が出来ただけ私としては嬉しい限りです」
「えー、そういう事になるの?」
トーストを焼きながら、新しい約束をさせられてちょっとだけ困ってしまうお昼でした。
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