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とろろご飯

 折角の休日とはわかっていても、ゆっくり今日は寝ていたい感じではなかったのでいつもよりも早い時間に起きることに。

 勿論起きた以上は、体を動かしたいわけで小銭をポケットに入れて軽いランニングと朝ごはんの買い出し。いつものパンもいいのですが気分転換も兼ねて饅頭やスープを今日は目的に。なので、ルートは最近よくやる南がスタートではなくて家からそのまま北へ行ってのぐるりと一周の形。

 朝と言っても、今日も賑やかでダンジョンに行く人や帰って来る人以外にもいつものような毎日でこれから仕事に行く人達もご飯を買っていたりします。

 ランニングで回るのはいつも通りの街の中。北には扉を見たことはありませんが、東も西も南同様に扉はあって、門番さんはいます。

 ここは東の扉の前。たまたまですが、見知った人を見つけます。

 見つけたのは南の扉でこの間声を掛けてくれたいつもの人。


「おはようございます」

「おや、おはよう。こっち側から出ることもあるのかい?」

「あ、いえ普通に散歩というかランニングでコレから朝食を買う所です」

「ああ、そういう事か。丁度いい、駐在所がここの近くにあるから話をしても?」

「あ、はい」


 思いがけない出会いでしたが、そのまま話が聞けるのは助かります。

 知り合いの後をついて行くと、少しがっしりとした大きな建物。感じとしては学校?いや、消防署?辺りの方が分かりやすでしょうか?


「丁度そこで会ったから、連れて来たよ」

「おっ、その子が」

「あ、はじめまして」


 軽い会釈をしてみると、多分何度かはすれ違ったことのある人。

 というか、中には数名居て見たことがある様な無いような。多分皆さん門を守ってくれている人達なのでしょう。


「話をまだそこまで詰め切れていないのだが、早速話しても?」

「あ、はい。話をしたいとだけしか言われていないので、詳しくは知らないのですがどの様な話でしょう?って……ぁ?」


 聞き返したところで、丁度相手との間にぽんっと精霊が。

 もちろん見えるのは自分だけなのですが、いきなりの出現でちょっとびっくりして声を出してしまいました。


「ん?どうかしたかい?」

「いえいえ、中々見慣れない建物だったので、ついキョロキョロしてしまっただけです」


 と、何とか誤魔化して話を続けてもらう事に。


「君が木剣を作っていると聞いてね」

「ああ。今は持っていませんけど、作ってはいますよ」

「それをできれば売って欲しくてね」

「木刀をですか?」

「ぼくとう、というのかい?それは」

「ええ。ですが……ええと、自分で自分の分をゆっくり作っているだけですので、そんなにすぐにとはいかないと思いますし、武器屋などに注文した方がいいようにも思いますが?」

「武器屋は武器しか作ってくれないから、相談はしてみたがダメそうなんだ。それで君に話がいったという事さ」

「はぁ。なるほど」


 コレも立派な武器で、ダンジョンでの相方なのですが、どうやら認められていないのかな?

 というか、視線を向ければ彼等の腰には結構いい感じのサーベルやソードが下げられていて、門の所で会うときは場合によっては槍も持っているのを見たことがあります。


「あの、武器はその腰に下げている得物のように持っていますよね?」

「ああ。常に帯刀はしているが、これでは威力があり過ぎてケガをさせてしまうからね。街の人達を守るという意味では大事だが、強すぎる力と言うのも困りものでね」

「ああ、なるほど。非殺傷の武器が欲しいという事ですか」

「そうなるね。一応こんな感じに刃は潰してはいるんだがね」


 すっと腰に下げているサーベルを渡して見せてくれたのですが、刃の部分は潰されていてこれでは叩くぐらいしかできないように見えるのですが、それでもズシリと重さを感じます。


「結構重いですね」

「ああ。そのせいで威力が出てしまってね。打撲や打ち身などが多く、見えないケガも出やすいんだ。そんなところに、良さそうな武器を持った君が居たって事さ」

「そういう事ですね」

「ああ。協力を願えないだろうか?」


 ちらっと精霊を見ると、こちらに視線を合わせてくれている様子。

 少し相談もしたいので、即答をしなければいいという事に思い至ったので、


「一応、持ち帰ってもいいですか?」

「ああ。出来るだけ色よい返事がもらえると嬉しいがね」


 そんな挨拶をすると、話は終わりの様子。


「ああ、つい色々と話をしてしまったが、お茶も出さずで……」

「いえいえ、気にしないでください。走っている最中でしたし問題ないです。あー、回答は早いうちにココにしに来ればいいですか?」

「そうしてもらえると助かるよ。直接門で会った時にでもあいつならいいぞ?」

「分かりました。因みに、この辺りの屋台のおすすめとかはあります?」

「お勧めの屋台だったら、この時間だと微妙だが、饅頭の屋台が美味いぞ」

「あー、あのスープもあるあそこです?」

「そうそう。よく知っているな?仕事終わりで結構買う奴が多くてな、一つで満足するのは助かるよ」

「ですね。残っているか心配なので行きます」

「おう、足を止めさせて悪かった。じゃあ、よろしく」


 そんな感じで消防署のような建物から出て、すぐに屋台へ。

 残り数個を何とか買えたのですが、完全に朝食気分で今更歩きに戻るのも億劫なので、一度家に戻ることに。


「ただいま」

「おかえりなさい」

「やっと相談が出来るね?」

「やっと朝ごはんが食べられます」


 どうやら思いが伝わっていたわけではなさそうですが、お腹が減っているのは自分も一緒なので、荷物を置いてそのまま朝食へ。

 買ってきたのは数種類の饅頭とスープ。

 前回同様味も良く、美味しい饅頭でスープを流し込むとパンと一緒。お腹で膨れてくれるようで、思っていたよりも量を食べなくてもお腹は一杯に。


「さて、相談なんだけどどう思う?」

「いいと思いますよ。もし心配であれば、がーさんに聞くのも一つかとも思いますが」

「あー、そうだね。聞いてみようか」

「では、連絡してみますね」


 トントン拍子とはまさにこの事と言う感じで、すぐに精霊が連絡を取ってくれる模様。

 そう言えば何かあればと言われてからあまりかけることが無かったので、初めての感じですが、すぐにつながった様で、


「いいよー。気にせず売って」

「まだ何も説明していませんが?……軽いですね」

「まぁ、問題ないからね。話の内容を精霊から聞く感じ、サスマタとかでもいいかもね?」

「あー、サスマタですか。あれって、木だと結構難しそうですけど?」

「色々やってみるといいんじゃないって事だね。という事で、相談に乗ったからお昼この後何か作るなら一人前追加でよろしく。じゃぁ、ね」


 というか、いつの間に精霊ががーさんに伝えたのか知りたいところではありましたが、まぁがーさんだからという事で納得が出来る部分はあるので気にすることを止めます。

 言うだけ言うと、がーさんの声は聞こえず精霊がポツーンと居る感じ。


「お昼、どうするのです?」

「まぁ、何か作るしかないよね」

「楽しみです」

「いや、今食べたでしょ?」

「楽しみです」


 という感じで、朝のランニングが微妙に中止になって少しだけ厄介事が入って来た感じ。

 まあ、まずは木刀を何本か卸して、サスマタなどについても考える方向で。

 とりあえずこんな感じで休日がスタート。

 走り足りない様な気もしますが、気分を変えるのも込みで軽く水浴びをしたら結構さっぱりします。


「んー、今日、なにつくろう」


 お昼の予定は無かったのですが、一人来るとなればまあ話は変わってきます。

 人数は少なくてもお客さんはお客さん。

 お昼を考えるとしましょう。


 時間はありますが、あまり手の込んだものを作りたい気分でもなく。やっぱりどこか自分の中で休日だという感覚があります。

 だからと言って手抜きをしたいわけでもないので、簡単で美味しい物を頭の中でピックアップ。

 簡単と自分が言っても、人によってはこれも十分面倒と言う人も居るので、線引きは難しい所ですが、丁度いい品が一品浮かびます。


「材料があるかなー?」


 いつもの様に冷蔵庫を開けるとしっかりとお目当てのモノが。

 コレがあったらもう十分なので、先にご飯を炊くことに。今日はご飯がスルスルと進む一品。ただ流石にそれだけと言うわけにもいかないので、お味噌汁も作ることにして、出汁を取ります。

 こんな感じで準備は万端。

 ご飯が炊けて、お味噌汁用の出汁が出来たら調理開始です。

 使う材料は長芋。もしくは自然薯。

 軽く水で洗って皮を剥いて、色が悪い部分はおとしてしまいましょう。(芋の種類のよっては赤くなっている部分もありますが、悪くなっているわけではなく変色と言うだけなので食べるのには問題ありません。ですが、そこは個人の采配でお願いします)

 これをすりおろして、味を付けるだけ。

 すりおろす量にもよりますが、出汁は大体芋の量の八分の一程度。醤油、お酒、みりん、塩で味を整えてあげて、しっかりと混ぜ合わせるだけ。

 ここでちょっと好みが分かれるのが、とろろ自体に卵を入れてしまうのもアリという所。

 すり鉢などで出汁などを入れた後、卵を入れてしまうのもいいのですが卵を入れてしまった場合はすぐに食べきる必要があります。そのまま残った場合もなるべく早く食べた方がいいのですが、後程味噌汁に入れるなど一応アレンジができるので今日は後者で。その代わりと言っては何ですが、食べる時に卵を添えればいいだけ。

 後は残った出汁で、お味噌汁を。

 具材はトロッとしているメインに負けないようになめこを入れて、食感も欲しいので厚揚げを短冊切りで入れることに。


「よっし、出来上がりかな?」


 とろろ芋かけごはんのメインにお味噌汁だけとシンプルですが、ご飯はするすると進む一品の出来上がり。

 ちらっと厨房を見回すと、精霊がこちらを見ています。


「がーさん、呼んで貰える?」

「お昼が出来たのですね。待っていました」


 程なくして、がーさんも来てお昼となりそうです。







今回も読んでいただきありがとうございます

目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです

誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません

改めてありがとうございます

毎日投稿頑張ります

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