鯵の南蛮漬け
起きてすぐに思ったのは、今日の夜に昨日作ったものが無いという事で顔を洗って、いつもであればすぐに朝食なのですが、冷蔵庫を開けることに。
そこには昨日作った鯵の南蛮漬けがしっかりと漬かっています。
「大丈夫です。そこまで食いしん坊ではありませんから」
「そう言ってくれてもね、グラノーラバーもないし、お刺身のつまみ食いの話も聞いて信用が少し減っていたから」
「そ、それは、ちょっと食べ過ぎただけですから。言いっこなしでお願いしたいです」
「信用ってそういうモノだからね?積み上げるのは大変だけど、失うのはたったそれだけみたいな一つでガラガラ崩れ落ちちゃうものだから。自分にも言い聞かせているけど、精霊もお願いね」
「はーい。と、いう事で起きたようですから朝ごはんにしましょうか」
「だね。いつも通りのでいいよね?あと、昨日のアレだね?」
「ですね」
そんな感じの朝の会話でいつも通りの朝食を始めたのですが、昨日の夜。
しぐれ煮を食べ終えてから、作った鯵の南蛮漬けは結構やることが沢山ありました。
一番時間がかかったのは勿論鯵を捌く事。
この前のブリや牡蠣と一緒で、冷蔵庫の中に発泡スチロールがあってその中にはぎっしり入った氷と一緒に大きい鯵から小さい鯵まで色々なサイズの鯵が入っています。
コレを捌いて南蛮酢に漬けるのですが、鯵を捌く前にまずは浸けるモノを作ることに。
南蛮酢はお酢、砂糖、醤油、味の調整にお水とちょっとだけ、辛味も欲しいので鷹の爪を少しだけ輪切りにしたものを入れて味見。
「ヨシ」
「なにがヨシなのです?」
「コレから作る南蛮酢の味だよ?」
「味見をしても?」
「どうぞ」
早速精霊も味見をしたのですが、ちょっと味は強め。
「少し濃いというか、強めの酸味を感じますが?」
「今日食べることは食べるけど、明日食べるための料理だから。丁度いいんだよこの位で」
そんな説明をして、次の具材の準備。
ピーマン、パプリカは黄色と赤とオレンジと色とりどりを用意して、あとはタマネギ。
大きさは結構まちまち。ピーマンは千切りでタマネギも薄めにスライス。パプリカは食べやすい大きさにカットして、肉厚なので食感重視な感じで。
野菜を切り終えたら、油の準備。
ピーマンとタマネギはほんの少しだけで、パプリカは少し長めに油通し。
油のコーティングが出来るので野菜の甘さが更に際立ちます。
油通しをしたら、油を切ってから先程の漬けダレへ。粗熱が取れていても温かいので少し強かった酸味もこの油通しした野菜を入れることでまろやかに。
野菜しか入っていない南蛮酢が出来上がりです。
「これの味見は?」
「必要ないよ?」
「結構美味しそうですけど?」
「メイン無しだから、もう少し我慢ね?」
「わかりました」
精霊になんとか我慢してもらって、メインの処理を開始しましょう。
鯵は小さいものから大きなものまでいますが、どれもこれも一応捌ける程度には大きさがあるので、捌いていきます。
ブリの時と大体一緒で、新聞紙などを敷いて包丁なども捌くものに変えて、下準備を整えてから作業開始。
まずはぜいごを両面取って、鱗を落とします。
胸ヒレを持ち上げながら、内側へ切り込んで同じことを反対側からもすれば頭が落とせます。そのまま腹ヒレも落として、腹下から肛門にかけて包丁を入れて、内臓を取り出したら一段落。
血合いの上を包丁でなぞって、一度氷水でしっかりと洗います。
そして洗い終えたら丁寧にキッチンペーパーで拭いてあげて、腹ヒレの所から中骨に沿って包丁を入れて、上下を返して同じように反対側も包丁を入れます。何度か包丁を入れて、尾っぽを持って切り離し、同じ要領で反対側も切り分ければ三枚おろしが完了です。
腹骨にそって包丁を入れて骨を落とせば大体の骨が取れていると思いますが、後は指とピンセットで一本ずつ見えない骨を抜けば大丈夫。と教わりましたが、今日はこの後しっかり揚げる予定なので、多少残ってもしっかり火を通せば大丈夫。
「あ、ここにも骨……ここも……」
「地味ですね?」
「食べる時にチクっとしないようにする為には多少はね」
大丈夫と分かっていても、お客さんに出すとなればまあこの位までは。
そんな感じで三枚おろしを作ったら、食べやすい大きさにこちらもカットして軽く塩を振って酒をかけて臭み飛ばしをしてから、片栗粉をつけてカリッと揚げます。
揚げたてを一度バットなどで油を切ってから先程の南蛮酢に入れるのですが、とてもいい香りと音。
じゅわあぁああぁぁ
思わず生唾を飲み込んでしまう程の、いい音です。
どんどん揚げて、油を切って南蛮酢へ落とすとその度に先程同様のいい音が。
「そろそろ、食べませんか?」
「作り終えてからね」
鯵を揚げ終わって、全て浸けたら一応終わり。
「さぁ、試食を。しましょう!」
「よく我慢できました。どうぞ」
精霊は最後までしっかり我慢したので、一番漬かりが長い初めの方に漬け始めた部分を渡すことに。
「「いただきます」」
丁度いいよりは少し酸っぱい感じで、でも野菜の甘さも出てきていていい感じの味。
今のままでも問題が全く無さそうですが、コレが明日になればさらにおいしくなると伝えれば精霊も我慢をしてくれるでしょう。
「もう少しっ!」
「ん。いいよ」
一回ぐらいは許容範囲なのでもう一口お互いにつまむことに。
鯵の南蛮漬けはいい感じにできたので、あとはついでにもう一品を仕込みます。
鯵の骨の部分などをブリの時と一緒で、お湯を流してからアラ汁にすることに。
といっても、鯵の骨は結構な量。
さっとお湯をかけて臭みを取ってお湯を沸かしてお酒も少々入れて鯵の旨味をしっかりと出します。
ただ、もういい時間なのでこれは明日の朝食へ。
臭みも飛ばして、お湯とお酒で煮込んでいるのでこのまま粗熱をとってから冷蔵庫に入れておけば大丈夫。
「昨日のアラを煮たやつですね?」
「だよ。ブリ程は大きくないからシンプルに味噌汁だね」
朝食はいつもフレーク等なのですが、今日は昨日のご飯の残りと温めなおした鯵のアラで出汁を取ったお味噌汁。
エビの時とかと一緒で具無しなのですが、美味しいお味噌汁はそれだけで十分。
ご飯とお味噌汁だけでに見えるのですが、これがまあ最高に美味しいのなんの。
「さーてと。今日、なにつくろう」
お昼をゆっくり考える朝ご飯。
昨日作った鯵の南蛮漬けもあるので、何にしようか。
美味しい朝ごはんでゆっくり考えがまとまりそうです。
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