白菜の漬物とザーサイのごま油炒め
お昼が終れば、いつも通り。
片付けをしたら、部屋に戻って残りの木を確認。
あと数本も作ると一回木が無くなる感じかぁ。結構魔力も増えてきているし、今日は買い物に行くのもいいかもしれないな。そんな事を考えて、
「買い物にでもいくかな」
「買い物ですかっ!?」
洗い物や片付けの時にはそこに居なかったのに、買い物と言う単語を聞きつけて精霊が出て来たようです。
「木刀用の木をそろそろ買おうかなって。あと一本か二本で終わりそうだからね」
「あー、そちらですか。ご飯かと思ったのですが、違うのですね」
「今食べ終ったばかりだよね?」
「でも、夕飯はすぐですよ?」
分かるけど、少し気を抜く時間も必要でしょう?
牡蠣尽くしで結構今日のお昼は頑張ったんだからさ、夜は簡単にしたいとか言えない空気を精霊が出してくるのですが、結構それはソレで困るもので。
「夕飯を考えるためにも、とりあえず木を買ってくるよ」
「そうですか。ダンジョンの情報となにやら昨日のローブも色々と効果がありそうなので調べてみますね」
「へー、そうなの?じゃあお願いするよ」
「はーい」
こんな感じで作業分担はいつもの事。
精霊は今日もダンジョン関係をお願いして、自分は夕飯といつもの作業を考える形。
小銭をポケットに入れて、南の木材屋さんに行ってみましょう。
何度か行っているので、少しし久し振りとはいえ間違える事は無く。店主の人は今日もお店には出ていない様子。
「すみませーん」
声を掛けると、眠たそうに今日も出てきます。
「あー、お前さんか。その後どうだ?」
「順調です。この前は作った木刀でダンジョンにも入ってみましたけど、問題も無かったので。木もそろそろ無くなりそうなので、重たい木とか硬い木とかこの前見せて貰ったモノも買おうかなと思いまして」
「そうか。っていうか、木剣でダンジョンに入ったのか?」
「ええ。あー、一応魔法も使えるので、危ない事は無かったですよ?」
「……そうか。まあ無事だったんならよかった。で、木か。この前と一緒の裏に来てくれ」
「わかりました」
お店を一度出て、ぐるりと回って、裏手に行くと店主さんがこの前のモノをすぐに出してくれます。
「アレ、コレって」
「お前さん以外に欲しい奴がいるわけじゃないからな。そのまま残っているんだ」
「あー、じゃあ、重たいヤツと硬いやつの両方を。二回に分けて持っていくので、イイですかね?」
「ん、構わんぞ。硬いのが銅貨四枚で重いのが五枚でどうだ?」
「じゃあ、これで。お釣りはいいです」
銀貨を一枚出して、ちょっとだけ格好をつけてみることに。
「そりゃあ、有り難い。って、お前さんロープは?」
「あっ」
確かロープは有料と言っていたので、これはなんとも格好悪い所ですが、
「ぷっ、お前さんは結構抜けているというかなんというか。往復するんだろう?ロープかしてやるから、持って帰ったついでに持って来いよ?」
「はい。ありがとうございます」
「で、ダンジョンにも入ったって事は、魔法も結構練習したんだろ?加工が出来るかも込みで、持ち帰りやすく切ってみてくれないか?」
木を切るとなれば、風のチェンソーがやっぱり切りやすいのでいつもの様に想像をして、
「風のチェンソー」
重たい木も、硬い木も何の問題もなく真っ二つにすることが出来ます。
そして、何度も作っているのであまり気にしなくなっているのですが、切れた所は多少のざらつきだけで、風だけで切るよりも時間はかかり、木屑なども出ますがそれなりの手触りになります。
「お前っ、その魔法は、凄いな?」
「そうなのですかね?あまり良く分かっていませんけど、まあ切れましたしイイですかね?」
「その魔法は……、何処で売っていた?」
「え、この魔法は自分で考えたんですけど」
「お前、冒険家じゃないのか?」
「ダンジョンにはこの前初めて入ったのですが、冒険家と言えるほどはやっていませんけど?」
「んー、話がかみ合ってないな。今度詳しく聞かせてくれ。また木は買いにくるんだろ?」
「あー、そうしてもらえると助かりますね」
「その時でいいわ。足を止めさせて悪かったな」
「いえいえ」
なにやらちょっと気になる様な話を聞きましたが、木も買えたので数本ずつ持って帰ることに。
木刀にするのはある程度の大きさに切るので、丸太を四等分にしたものをロープでまとめて、持っていく形で。
今回もとりあえず木の状態のものは玄関に置くことに。勿論、置いた後はロープを探して、ロープは二つ持ってもう一度お店に行きます。
木材屋さんの裏には店主さんと隣には、女性が。
「貴方が、木剣を作っているの?」
「あー、ハイ。ええと、奥様です?」
「ええ。面白い子が居るって聞いたので。もしよければ、こちらもどうぞ」
「え?あ、ありがとうございます」
「知り合いのおばさまに沢山貰っちゃったので御裾分けです」
木を持ちながら更に貰い物。結構な量ですが、貰ったモノをすぐに開けるわけにもいかず、とりあえず家に帰って木を置いたら確認を。
「あー、白菜の漬物か」
貰ったモノは白菜の漬物で、手を洗ってとりあえず味の確認。
「ん、結構酸っぱいか」
塩漬けの様でもし辛いと思ったら洗って出そうかと思いましたが、発酵が結構進んでいる感じ。あまり洗いすぎても折角の発酵を洗い流して勿体ない事になってしまうので、そのまま食べるのが一番いいのでしょうけど、量が結構多め。
貰い物は嬉しい事が多いのですが、貰ってもどうしたらいいかと悩むものを頂くことも稀にあって。まさに今日のこれは、そんな感じ。
貰ったモノを捨てるという事もしたくないので、今日の夕飯で使い切る方向で少し考えていると、
「おや、コレは?」
精霊が何もいわずにパクリと一口。
「酸っぱーい。え、コレは大丈夫です?」
「大丈夫だよ。発酵しているだけだと思うから」
「うぅ、コレはあまり食べられないかもしれないですね」
「そう?」
あまりの酸っぱさに精霊は負けたようですが、そこまで言われると逆に美味しくしてあげようと思ってしまうのは調理人の性でしょうか?
ちょっと早い時間ですが、これから出てもう一度という程には明るくも無いので、夕飯を作るとしましょう。
使う材料は勿論、白菜そしてザーサイの二つだけ。
作り方もいたってシンプル。
白菜やザーサイを食べやすい大きさにカットして、少し多めのゴマ油で炒めるだけ。
本音を言えば、豚バラ肉等を少し入れて豚白菜もいいのですがここはあえて、精霊にもこの美味しさを知ってもらうために、シンプルな作りで。
「えー、コレは先程の白菜ですよね?」
「だよ?まあ、騙されたと思って食べてみれば分かるから」
「うー、そう言うのでしたら……」
パクリと一口。
食べれば分かるのですが、ゴマ油で炒めると酸味もかなり飛んでゴマの風味がたっぷりで、元々白菜にあった塩味も飛んでいくので味は殆どしなくなって、その足りない塩味をザーサイがいい感じに補ってくれます。
「コレは、シャクシャクで美味しいですね?でも、あのさっきの酸っぱい白菜です?」
「だよ?栄養価も増えているし、まあ火を通して失われている部分もゼロではないと思うけど、美味しいでしょ?」
「すっごく美味しいです。ご飯やお味噌汁も欲しいですね」
「だね。夕飯をこのまま済ませようか」
精霊の結果報告は後に回して、そのまま出来立ての夕飯を。
ちょっと懐かしい、貰い物を美味しくいただく夕飯もいいモノです。。
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