なんちゃってチーズ入りスープパスタ
「今日も食べに来たよー」
その一言からいつもの様にお客さんが入ってきます。
昨日宝箱から出たドラゴンローブの話はしないといけない気がしますが、まずはお昼をしっかり楽しんでもらう事にしましょうか。
今日のランチは牡蠣尽くし。
メインは牡蠣のホイル焼きなので、準備したモノにバターを落としてフライパンを温めて、お湯を張って火を通すだけ。
その間にスープを温めなおして、ご飯をよそって。
人数が多いので、やることは沢山。
ただ、一人作業にもある程度慣れてきたので先にご飯を人数分客席へ。牡蠣のベーコン巻は隣のフライパンで軽く温めなおしてお皿に盛って、隣にホイル焼きを置くスペースを確保したら、温まったばかりのクラムチャウダーをよそって、先に出すことに。
「いま、メインをお持ちしますね」
牡蠣のベーコン巻とバターがトロリと溶けたホイル焼きも完成しているので、後は出すだけ。
ただ、このまま食べても十分美味しいと思いますが一応一言添えることに。
「お待たせしました。メインのホイル焼きとベーコン巻です。お好みで醤油かポン酢をかけてもいいかもしれません」
「これで出そろったかな?」
「ええ」
「「「「いただきます」」」」
皆さんが食べ始めたので、厨房に戻って一段落。
精霊はあれから少し静かなので、ちょっと怖くもありますがまあ静かなのは悪い事ではないので、そのままでいいかと思っていたのですが、
「私のお昼もお願いしようと思ったのですが、なにやら今日は勘が働いたので、雅と一緒にがーさん達が帰ってからにしますので後程お願いします」
「うん。わかったよ」
こんな会話だけをして、ポンと精霊が消えたので一人静かに厨房で待ちぼうけ。
飲み物でも飲んでゆっくり休もうかとおもったのですが、報告しなければいけない事があったのを思い出したので、昨日のローブを部屋から持ってきて一度着てみることに。
サイズ的には少し大きい感じに見えるのですが、気にせずに袖を通してみるとどういう効果なのかわかりませんが、自分の体形にフィットする様子。
「おー、サイズフリーというか自動調節なのかな?ますますゲームっぽいなぁ」
個人的な感想をこぼしながらも結構いい感じのローブは快適。
皮で出来ているというのも聞いていたのですが、通気性もあって何とも不思議な感じ。
「おかわりお願いできるー?」
客席からの声に急いで反応して、パッとローブを脱いで返事をしておかわりをよそう事に。客席の方へ念の為でトレイを持っていったのですが、大正解で男性は全員おかわりだったので、クラムチャウダーをよそいます。
「今日の牡蠣尽くし、たまらないね」
「本当に。すっごく美味しいわ」
「どれもこれも最高だよ」
「……(じーっと自分のスープとにらめっこをして、最終的にこちらにお皿を出してきます)」
「おかわりでいいですか?」
「……(いつもの様に凄い頷き)」
土のいつも喋らない人も追加でおかわりをお出しして、それを見なさんが食べおわる頃に合わせて、皆さんの分のコーヒーを淹れることに。
「おや、これはまたいい香りだね。有り難く貰うよ」
がーさんの言葉を皮切りに、皆さんにも確認をしたのですが皆さんも飲んでくれる様子。
全員にコーヒーを配り終えて、ゆっくり口を開きます。
「えーとですね、昨日宝箱を開けたのですが……結構なものが出たようで」
「ほぅ、いい物が出たのならよかったじゃないか」
「得物がでたのかい?」
「肉でもここならいい調理が出来るだろうから、それもアリだと思ったがね」
皆さんの反応も様々で、多少期待を持たせているのかもしれないのですが期待に添えるのかが分からないので、とりあえず現物を見せることに。
「こんな感じで、昨日鑑定をしてもらったのですが、一応ドラゴンローブと鑑定されました」
シーンとなるのは昨日ぶり。
コレは期待されていた通りの物なのか、それとも期待以下なのかが分かりづらいのですが皆さんの視線と見比べる感じを見る限りは期待以上の可能性が高そうだなと思った瞬間、
「マジかー!」
「ついに出たのね?」
「ギルドへ登録したのよね?」
「ドラゴン系が出たのか」
「まぁ、そうなるよねぇ」
最後のがーさん以外はかなりの驚きだった様子。男性陣はまだかなり熱いハズのコーヒーをグイッと一気飲みして、ちょっと咽ながらも水を更に飲むという不思議な行動を取っていますが、そんなに飲み込みづらい話だったのか確認もしたかったので聞いてみることに。
「ドラゴンローブって、まずは珍しいんですよね?」
「ああ。ギルドで確認されているのはドラゴンキラー(剣)とドラゴンロッド(杖)の武器だけで、防具はまだ一度も出ていない。ただ、ドラゴン自体は討伐歴があるから、加工品によるドラゴンローブは作られたことがあるが、宝箱からは初めてのはずだ」
「加工品によるドラゴンローブですか?」
「昨日伝えた通り、実体を下層は持っているから、その亡骸で作ることが出来るものがあるんだ。それだって、安いものじゃぁないがな。それと、ダンジョン産の防具はサイズ機能のがある」
「あー、そういう事ですか。さっき初めて着たのですけど、実感しました」
「そういう事だ。ここは街だからそういう事は無いが、国だったら国宝クラスの物だろう」
国宝クラス?そんなものが初めてのダンジョンの宝箱から出ていいのか?というか確かに形に残ったらいいなと思ったけど、いいのかな?大丈夫なのかというちょっとした恐怖にも襲われます。
「えーと、そんなもの持っていて大丈夫なんです?盗られるとか、そういう心配は……」
「この街に居る分には、全然問題ないよ」
がーさんが何でもないように言います。
「え?」
「ですです。私も保証しますよ」
いつの間にか出て来た精霊も言います。
そして周りを見ると、お客さん達も一様に頷くだけ。
「大丈夫なら、いいです」
「うん。本当にいい物を引き当てたねぇ。ダンジョン産の特性は他にも色々あるけど、それは使っているうちに分かるだろうから、実感して楽しんでくれ」
「はい」
火の精霊付きの人に言われて頷くと、皆さんも喜んでいる様子。
次にダンジョンに行く日が決まっているわけではないのですが、また楽しめるというのが嬉しくなって、気分は上々。
皆さんもコーヒーを飲み終えたら、いい物を見たといいながら解散の様子。
そのままお見送りをしたら、片付けと自分たちのお昼の時間。
お昼のモノをそのままでもいいのですが気分的に麺がいいのと、食べきってしまいたい気持ちもあったので、パスタを半分に折ってそのままクラムチャウダーに。
ゆで時間は普通の時と変わらずか、少し長めでコトコトと。
これだけでも十分美味しいのは分かっていますが、チーズを準備して足りないときに掛ける形で。
ホイル焼きやベーコン巻はそのままお客さんと一緒の食べ方をするので、ボリュームはたっぷり。
もし足りなくなりそうだったら、クラムチャウダーパスタにさらにご飯をちょっと入れてスープご飯も楽しめば十分な一品になるはず。
「精霊、ご飯出来たよー。お昼にしよう」
「ふふん、やっぱり私の勘が当たりました。美味しいパスタに変身するとは」
「あー、精霊が言っていたのはそういう事?」
「チーズもさっきは無かったですし、やっぱり雅は色々と隠しているので」
「そう言うつもりはないけどねぇ。まあ、食べよう?」
「ですね」
「「いただきます」」
精霊と二人、ゆっくりとした昼下がりのお昼。
報告も終わって、完全にいつもの日常に戻った感じで、美味しい牡蠣尽くしを楽しみましょう。
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誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません
改めてありがとうございます
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