牡蠣のホイル焼き&牡蠣のベーコン巻&牡蠣のクラムチャウダー
レンジで温めてそのまま食べてという美味しい食べ方でもう少しつまみ食いをしそうになるのをグッとこらえて、お昼の準備を始めたのですが隣の精霊はもう少し食べたい様子。
「もう一粒、どうですかね?」
「だーめ」
というのも、さっきまでと同じ作業をずっとここで繰り返しているので、ちょっと口に運ぶだけで食べることが出来るある意味生殺しのような状態。
「最後の、最後の一粒を」
「だめだって」
気持ちはかなり近いものがありますが、お昼の為にもここはぐっとこらえてほしい所。
まあ、やっている事はしっかりと洗った牡蠣をレンジで温めて、中身を繰り出してその汁ごと鍋に入れるだけなのですが、量が量なので時間も結構かかります。
結局あまりのしつこさに、一粒は精霊にあげたのですがちょっと疑問に思ったので、次いでとばかりに聞いてみることに。
「精霊さ、たしか冷蔵庫とかすっと通り抜けて食べられたよね?」
「ええ。基本的に壁などは意味を成しませんよ」
「じゃあ、牡蠣の中身だけも食べる事、出来るの?」
「あー、それは多分難しいですね」
と、思っていたのと違う答えが返ってきました。
調理の手を止めずに、そのまま話をきいてみると、
「牡蠣の殻を見れば分かりますが、一つ一つの中身の形が全然違うじゃないですか。こうなるとそれだけをと言うのはちょっと難しいですね」
「あー、統一規格みたいに全部一緒だったら出来るけどっていう事?」
「そうですね。形が多少違っても、感知を使えば出来ない事は無いと思いますが、そこまでするほどでもないと思いますし」
不思議な言い回しの精霊にちょっと疑問を持ちました。
「もしかして、冷蔵庫の中身で何回かやった事ある?」
「ギクゥゥゥ!?な、な、な、無いにきまっているじゃありませんかー」
自分の口でギクゥって言うのを初めて聞いた気がしますが、まあ擬音としては正しいし、精霊には青線も入って、精霊の体はガクガクとしながらマンガの吹き出しのような感じのガクガクまで付いているので、ある意味バッチリな感じに見えますが、こればかりは追及しないといけない模様。
「今の所困った事は無かったからいいけど、何を食べたの?」
「だから、無いと」
「お昼抜き?にするよ?」
「本当に、無いと」
「そっかー、夕飯もいらないんだね。オッケー自分の分だけだったら楽になるから助かるよ」
「お昼だけでも困るのに夜も無くなったら生きていけません。それだけは勘弁をー」
二食抜かれただけで生きていけない訳も無いのですが、まあ素直になってくれたのはありがたいので、しっかりと確認をしましょう。
「で?」
「えーと、刺身の定食を初めて食べて、少し経った頃にお昼の分だけでは少し足りない日がありまして。その時に……」
「その時に?」
「お刺身を食べたいなーと、冷蔵庫に潜ったのですが……切れていなくて。そのまま大きな形のまま食べたのですが、あまりおいしくありませんでした」
「そのまま食べたの?え、サクを?」
「サクと言うのですか?えーと、ちょうどそこの牡蠣と同じぐらいの大きさでしたけど」
パッと視線を向けると、サクを半分にした程度(スーパーで売っている一人前のトラウトサーモンぐらいの大きさ)なのでそこまでがっつりの大きさではありませんが、それでも結構な大きさには感じます。
それをそのままペロリと一口で。
空っぽのトレイを見たことは無かったので気が付く事は無かったのですが、そんな事をしているとは。
「ただ、あまり美味しくなかったのでそれ以来はやっていません」
「うん。わかった。もうやらないでね」
「ええ。なので今日みたいにおねだりしているわけです」
「それもほどほどにしてくれないと困るからね?」
多分美味しくなかったのは、刺身をそのまま食べたから。というか大きなまま食べたって多少の魚の味はありますが、強い味があるわけではないので、せめて醤油が無いとと思いましたが、教えて同じことをされるのも困るので、ここは黙っておくことに。
「もし、次にそういう事をしたら、冷蔵庫には近づけないようにしてもらうから、もうやっちゃだめだよ」
「冷蔵庫に近づけないですって!?それは、それは、絶対に困ります」
「でしょ、だからやらないでね?」
「ええ、勿論です」
はぁ、と大きくため息をついている間にやっと牡蠣は全て剥き終わります。
鍋にはプリッと大きな牡蠣がたっぷり。そしてチンしたときの汁も結構な量。
コレからコレを料理にしていきます。
白ワインと水を同量ずつ入れて弱火で一度しっかり沸騰させてあげれば、牡蠣も火がしっかりと通るのでこれで火の通しは十分。
このまま牡蠣をココに入れておいてもいいのですが、折角いい味なので一度殆ど取り出します。
先に準備するのはキノコ二種。エノキダケは食べやすい大きさにかっとして、しめじは手でほぐしておきます。
アルミホイルを用意して舟形につくったら、大きな牡蠣を二粒とキノコを二種類入れて、今はここまで。あとはお客さんが来てからお酒、バターを入れて五分程お湯を入れたフライパンを火にかけて中を蒸し焼きにするだけ。
コレが一品目の牡蠣のホイル焼き。
牡蠣はまだ残っているので、次はちょっと被りそうですがシンプルにベーコンに巻くだけ。
牡蠣はさっき一度火を通しているので、これもベーコンが焼ければ十分と簡単な一品。
あとはさっきゆでた汁をスープへ変えていきます。
牡蠣の旨味がたっぷり入ったゆで汁は一度しっかりと濾します。牡蠣に付いていた貝殻や砂などが出ていると思うのでそれをしっかりと分けたら、ここに色々入れていくだけ。
ベーコン、ジャガイモ、ニンジン、タマネギ。
ジャガイモ、ニンジンは皮を剥いて、賽の目にして、タマネギはちょっと小さくみじん切りで。ベーコンもなるべく周りに合わせた大きさにカットしてそのまま汁の中へ。
具の量が増えていったら、大きな鍋に移し替えれば大丈夫。
しっかりと根菜類に火が通ったら、牛乳をたっぷりと生クリームを隠し味程度入れて出来上がり。
通常のクラムチャウダーであれば、小麦粉にバターとコンソメ等でホワイトソースの様にとろみをつける所ですが、今日はバターもホイル焼きで使っているので、あえて抜き。
シャバシャバな牡蠣の旨味たっぷりのクラムチャウダーを楽しんでもらいます。
スープも出来あがって、ご飯も炊けて、メインは後数分お客さんが来てから火を入れるだけと準備も出来たので、とりあえず間に合ったかな?
牡蠣尽くしのお昼を堪能してもらうとしましょう。
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