お付き合い～恋のABCはむずかしいっちゃ～

　相談所でお会いしたその方はショートヘアのボーイッシュな顔立ちの人でした。

　でも、見かけによらず、かなりおとなしめな女性でした。

　おっちゃんの肝煎りとあって、今までの苦労が嘘のように、すんなり交際が決まり、私は気合いが入ります。

　秋深まる中、初デートはおっちゃんおススメ、佐賀の紅葉スポット九年庵にしました。

　道中、私が運転する車中での会話は、こちらが一方的に話しかける感じで、手ごたえはなかったかな～。

　昼食もおススメ、結婚式場もあるしゃれた高級レストランへ。

　うむむ、いいおじさんがおっちゃんの手の平で転がされているような・・・(笑)。

　あまりの高級志向に、2人して緊張しながらお食事をしました。

　多少の緊張感と疲れを感じつつ、次も会う約束をしてお別れしました。

　それから何度かのデートを重ね、クリスマスが近づきました。

　私は思い切って誘います。

　すんなりOKで、やった。

　しかし、こちらはどうしたいのかはノープラン、決めるのか？いや、まて、手を握ったくらいだぞ。

　今、思えば気合がとことん空回りしておりました。

　レストランを予約し、当日に考えがうかばないまま、綺麗な季節のシクラメンの花を

用意します・・・花言葉も知らずに・・・今、調べました・・・え「遠慮」「気後れ」「内気」「はにかみ」ですとう(汗)・・・知らなかったとはいえ、なんたるミスチョイス。

　んでも、いい雰囲気(だったのかな？)で、食事も進み、そのあと・・・どうすんの？と、いきあたりばったりの自分でした。

　彼女を見ると、帰りたそうな感じがみえました。

(ここは焦る必要はないな)

「またね」

　と、挨拶を交わし、クリスマスイベントというのに別れます。

　それから・・・ん～その後、何回か会ったのかな。

　しばらくして、向こうから、少し距離を置いて考えたいとメールがきました。

　メールでのやりとりは出来るものの、お誘いしても、もう少し待って欲しいとの返事です。

　一月、二月・・・。

(これはないのかな・・・)

　私は、焦るあまり、今考えるとアホなことをしたなと思うのですが、長文のメールを送ってしまいます。

　内容は覚えてないのですが、長い文の終りに、「もし、もういいな、お付き合いを解消したいと思ったのなら、了解しましたというメールをください」と書きました。

彼女からは「ごめんなさい。ありがとうございます」という旨の返事だったかな・・・がありました。

「こちらこそ、ありがとうございます」と返信をして、ドサッとベッドに横たわります。

(引きずるなよ・・・次だ大介)

　心にそう思いつつも、なかなか次の動きが億劫となり踏み出せません。

　そうして、しばらく経ったある日、ふらりと相談所に立ち寄ると、おっちゃんが、また女性の方を紹介してくれました。

「年上の女性だけど、会ってみない」

「はあ」

　で、会うことになって、食事をして、

「次、会いましょう」

　と、お互いメールを交換して別れたもののアウトでした。

　メールに次会う日を決めようと送るも返事がありません。

　・・・・・・。

　・・・・・・。

(社交辞令か)

　私は、溜息をつき相談所に断りのメールが届いてないか確認します。

　しばらくして、断りがあったことを知らされました。

(大丈夫・・・少しずつ前進している・・・でも、ちょっと活動止めようかな)

　たて続けの出来事だったので、ちょっと婚活から距離を置きたい、そう思っていた矢先のことでした。