表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者が女だと駄目ですか?  作者: 黒犬神
各々の冒険
85/242

門番の日常

一兵士である青年………とは言えなくなった年齢の男性は空を見上げながら呟いた


「…………。平和だなぁ……。」


空は澄み渡り、鳥以外に姿はなく、ただただ雲が流れるばかり


ここは、王都東口の門前


出世コースとは無縁の彼は、いつもの通り相棒と入ってくる人達を見つめ続ける


べつに彼らの仕事はただただ突っ立っている訳ではない


仕事は簡単で、盗賊などが襲って来たとき、一瞬の盾になること


と言っても、堂々と入り口から入ってくる盗賊たちはここ数年いない


たとえ盗賊でも、笑顔を振り撒きながら普通の服で、普通のしゃべり方をしたら、入れてしまう


入れるかどうかを決めるのは、彼らの仕事ではない


やっぱり、仕事がない2人だった


「なぁ、相棒。お前の娘さん、何歳だっけ?」


相棒が暇になったので話しかけてきた


最初は真備目だった2人も、何年もただただ突っ立っているだけの仕事では、話すネタはとうに尽きてる


「今年の冬で3つだ。可愛いぞ。」


「あぁ、この間見せてもらったからな。お前にになくて良かったな。」


「なんだと?っと、言いたいとこだが、全くのその通りさ。妻ににてかわよい。」


愛妻の妻と、自分の娘の顔を思い浮かべるだけで、自然と笑顔になれる


「良いなぁ……。俺も良い加減結婚したいよ。お前さんの娘が多きかなった時、ください。」


「黙れハゲじじい。寝言は死んでいえ。」


「ハゲてねぇよ!!まぁ、お前の娘さんが大きくなる頃には、ハゲってかもな。」


「それまでには結婚しろよ。」


2人はまた空を扇ぐ


「なぁ、…………。相棒。」


「ん?どーしたよ。」


何時になく、真面目な顔でしゃべる仲間をみた


「俺さ、来年までには結婚するんだ……。」


「死ぬのか?」


真面目な話かと思えば……。


「俺、この仕事が終わったらさ……。飲み屋のお嬢ちゃんに告白するんだ…。」


「やめとけ、他の仲間に殺されるぞ?」


「そしたら、2人で休暇を貰って、…………。ダメだ。なんも思い付かん。」


「そんなもんだよ。人生って。」


「そんなもんかぁ……。」


また、空を扇ぐ


「…………………………。あのさ。」


「なんだよ?」


男が指で空をしめす


「………………。こっちに来てね………?」


「そーーーだな。来て…………る!?」


何かがとてつもないスピードで飛んでくる!!


「モ、モンスター!!門を閉め………。」


門を閉めろ!!と、叫ぼうとしたときには、もう遅い


目の前に、赤………というにはあまりにも濃い、紅色のしたドラゴンがいた


『グルルルル。』


青年は、死を覚悟した






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ