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勇者が女だと駄目ですか?  作者: 黒犬神
エリスと少女
236/242

お友達

ご飯をモグモグしながら、相手を伺う


食べているのは、魔王とウンディーネの2人だけ


ウンディーネは、お淑やかに綺麗に食べるし、魔王もウンディーネ程ではないが、綺麗に食べてる


むしろ、食べれてないのはこちら。


「エル!こぼれてるこぼれてる!」


「あっ、……。ごめん、なさい。」


上手くフォークを使えないのか、ポロポロと刺したハンバーグからソースが垂れて、服を汚してしまう


「(浄化)……っと。もう少しお皿を前に出しましょ?」


「うん。………ありがとう。」


あぁ、良いぃ……じゃなくて!


「すみません、エプロン……有りますか?」


「えぇ、少々お待ちください。」


ウンディーネが立ち上がり、隣の部屋へ向かった


ご飯中なのに、申し訳ない


「2人は……仲が良いのだな……。」


「えっと……お騒がせして申し訳ありません……。」


「謝ることは無い。仲が良いのは良いことだ。少し羨ましくも有るよ。」


そう言って、こちらを見ながら魔王は話した


「産まれてすぐにここに来たわけじゃない。最初は母上や父上とも暮らしたし、来るまでには兄上も居た。仲は悪くは無かったが、そこまででも無かった。」


「はぁ……。」


「ここに来てからは、本当に退屈していたんだ。誰も訪ねて来ないし、有るのは書類仕事ばっかり。うんざりしてたところに君たちが来てくれた。」


兄が居たのか……それも有るが、思っていた以上に普通の人なんだな……この魔王


「その、嫌なら別に良いのだが、……私の、友達になってくれないか……?」


「勿論です。優しくしてくれた人に冷たく当たる必要は無いわ!ね?エル?」


「んっ……友達、になる。」


「そ、そうか……。ありがとう。」


本当に、何が起こるのか分からないのが人生なんだなぁ……



魔王とお友達になった!

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