魔王様
30分ほど時間が巻き戻る
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机の上でカリカリと山になった書類を捌いていると、部屋の扉がノックされた
まぁ、この城でちゃんとノックするのは一人しか居ないけど
「入って良いよ~。」
「失礼します。」
ちゃんと返事を待ってから部屋に入るウンディーネ
この魔王の城の住人で、部下で、唯一の良心だ
「魔王様、侵入者です。」
「ん?本当に?ウンディーネ。」
「はい。飛行型、それも大型のドラゴンですね。いかがなさいますか?」
侵入者かぁ………。まぁ、追い返すのもなぁ………。
下手に刺激して怒られても困る………けど、調子に乗ったヤツを見るのは嫌だ
「男なら追い返して。女性なら連れてきて。」
「良いのですか?」
「まぁ、暇だしね。」
男の可能性の方が高いから、純粋に追い返せ……って言ってるようなもんだけどね
「一人で大丈夫?ノームかイフリートでも連れてく?私も行こうか?」
「大丈夫です。魔王様の手を汚す必要は有りません。私一人で大丈夫です。寧ろ他の3人は邪魔です。」
バッサリ切り捨てた
私以外の3人に対しては、本当に極寒地帯か!!ってくらい冷たいんだよね
「失礼しました。」
「うん。よろしくね。」
ウンディーネが部屋から出た
私も書類を裁き直そうかと思ったら、また扉が開いた
「魔王様、研究材料何処?」
「ノックしなさい。ノーム。貴女の部屋の横にある部屋にウンディーネが置いておいてくれましたよ。」
「これからは部屋の前にお願いって言っといて。」
「言っといてじゃないでしょ………。」
とっととノームは部屋から出てしまった
まったく、ノックくらい
ガチャ♪
「魔王様!あーそぼ!!」
「どっから出てくるんですか!!」
今度は扉からではなく、クローゼットから出てきた
つーか、本当に何してるの!?
「シルフィー!!っていつの間に!?」
「魔王様が部屋に入る前。」
「二時間も前じゃない!?」
「ずっとスタンバってたの♪」
本当に元気ね……。頭のなか花畑かな?
「まったく、何しに来たの?」
「ナニにしきた!!」
「下ネタ止めなさい!!」
「え~………。」
とぼとぼと歩いて部屋から出てしまうシルフィー
まったく、本当に何しに来たの………。
「来たよ!魔王様!」
「帰れ!サラマンダー」
またこいつか!!
「貴女は部屋で謹慎してるように言ったでしょ!!」
「え~………。わかったよ………。でもさぁ、お菓子、食べたいな♪」
「はぁ………。でも、この部屋にはお菓子有りませんよ?」
「と言うわけで、持ってきました!!」
「なんの準備よ………。」
「それでは、食べましょうか!!まず、ホイップを貴女の唇に付けまして……。」
「ちょと待て!何をする!!」
「ナニをする!!」
「おまえもかぁぁぁぁぁぁ!!!!」
誤植訂正名前サラマンダーでした。ごめんなさい




